北海道 1660m | |
2009年8月2日 8月1日に羽田発のJAL便で女満別空港に向かう。空港近くのトヨタレンタカーで予約していたヴィッツを借りて一路ウトロへ。途中小清水原生花園やオシンコシンの滝、さらに知床五湖に立ち寄って観光をした後、ホテル(知床山荘)にチェックインした。 今回の遠征の手始めは羅臼岳である。学生時代のバイク旅行でこの地を訪れて以来、40年ぶりの知床。当時も羅臼岳に登ることを計画していたが風邪を拗らせてしまい、薄ら寒い斜里の海岸に張ったテントの中で熱にうなされ登山どころではなかった。今回は半世紀近いブランクを経ての再挑戦ということになる。三つ子の魂百までとは言うが「ドライブと山」という発想は若い頃と変わらず、我ながら成長の跡が見られない。移動の手段が二輪車から四輪者になり、宿泊先がテント生活からホテルや旅館にアップグレードしただけだ。 翌8月2日、ウトロの知床山荘を未明にチェックアウトし、午前4時過ぎに岩尾別温泉ホテル地の涯に着いた。早速身支度を整えて出発。ホテルの脇を抜けて木下小屋へと向かった。 登山者名簿に記入しようとすると、保管箱に大きく「アイゼン携行が必要」と注意書きがある。アドバイスには従おう。一旦車まで引き返して簡易アイゼンをザックに入れた。あらためて名簿への記入を済ませ、羆よけの鈴をセットして歩き出した。時刻は4時10分であるが、北国だけあって十二分に明るい。登り始めて20分ほどで中年の男女5人パーティに追いついた。「熊払いをしておきますよ」と冗談を言って先行させてもらう。後述の通りこの約束は果たせないことになるのだが。ネットで多くのHPに登場する有名な羆多発地帯の看板を通過、出会いがしらの遭遇を避けるため、鈴を激しく鳴らしたり、口笛を吹きながら、1時間ほどで極楽平に着いた。 空を見上げると、歩き始めた頃はまだ見えていた青空が次第に雲に閉ざされてきた。曇り時々雨の予報通りの展開になってきたので、せめて雨の降り出す前に登頂しようと少しペースを上げる。ダケカンバの林が次第に切れて這い松が姿を現し始め、雪渓下部に到着した。始めはアイゼンを着けずにロープ沿いに上っていったが、どこを見渡しても踏み後のない草付の急斜面ばかり。どうやらそのロープはコースを逸脱しないようガイドしているものらしい。ここでアイゼンを装着し、雪渓の中央部を登る。次第に傾斜がきつくなったところで何やら黒い大きなものが動いている。一瞬ぎょっとするが、よく見れば大荷物を背負って下山中の二人組みの外人さんだった。雪渓を登り切り、傾斜の緩くなったはい松沿いの道をしばらく行くと羅臼平に着く。ここから最後の登りにかかる。ごつごつした岩の折り重なるコースを目印に沿って高度を上げていき、8時ちょうどに山頂に立った。
オホーツク海を目の前に豪快な露天風呂も気に入った。宿の圧巻は何といっても夕食のメニュー。タラバガニ、毛ガニ、つぶ、うに、ホッケ、鯨、いくら等など地元の海産物のオンパレード、どれも美味で北海道一を自慢するだけのことはあると感心したが、量が半端ではなく胃袋のスペースが無くなるにつれて大食い大会の終盤戦のような気分になってしまった。きりの良いところで白旗を掲げて部屋に戻り翌日に備える。
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