会津駒・大戸沢岳BC   2133m、2089m 福島県            
 


2021年3月31日(水)

 前回のシッケイ沢、前々回の根子岳、いずれもホワイトアウトと氷結バーンに苦しめられた。快晴が約束されたこの日、三度目の正直を期してKさんと共に南会津へと向かった。

 今回の目論見は、会津駒ヶ岳から北面の御神楽沢、登り返した大戸沢岳から中ノ沢、さらに下大戸沢へと滑り込むというもの。しかし、結論から言うとどちらの計画も不発に終わってしまった。

 理由その一は、会津駒の登山口で目の当たりにした雪解け水でごうごうと渦巻く下ノ沢。3月としては観測史上例が無い気温上昇という気象情報が気にはなっていたが、これほどの雪解けとは予想していなかった。大戸沢岳から下った最後に待ち受けるのは下ノ沢よりも更に規模の大きな下大戸沢の渡渉。Kさんと相談した結果、リスクが大きい沢コースは諦め、無難な大戸沢岳東尾根コースに変更することとした。

 理由その二は、下界の雪解けとは裏腹に標高が高く日差しの届かない北面の雪面の硬さ。正午近くなっても緩まない北面に嫌気し御神楽沢も見送りという結果となった。代わって南東面で陽光をたっぷり浴びた源六郎沢源頭部に転進することに。

 厳冬期の山スキーには様々な困難がつきものだが、春山も気象条件が良いからといって決して油断できない。過去GWの北アルプス白馬鑓ヶ岳で一度目は枝の上を滑ってエッジが抜けツリーホールへの落下、二度目は天候急変と道具の不調により遭難すれすれの憂き目に遭ったことは忘れることのできない経験だし、幌尻岳では雪解けで増水した額平沢で流されたこともある。

 そんな痛い思いや凍えそうな体験を通じて少しは知恵が付いたかも知れないが、老化が進み体力や運動機能が加速度的に低下するこれからは、より一層リスク嗅覚に磨きをかけねばと思っている。これ以上進んだら後には引けなくなる、所謂「帰還不能点」は間違っても越えてはならないのだ。

 ということで安全第一の転進作戦は大正解。どちらの代替え滑降ルートも、面ツルかつ熟成極上ザラメで心行くまで春スキーを満喫することができた。また緩やかな起伏のある地形から判断してステップソールの板を使用したのも奏功。少しぐらいの登り坂はものともせず。機動力を発揮してくれた。

 南会津の山々はいつ来ても決して裏切らない。最高!!!


行動時間 8時間20分


私の車を下山地点のスノーシェッド脇にデポ、Kさんの車で会津駒登山口へ移動



スタートしてすぐにシール登高でハイクアップ



いかにも春の様相 落ち葉や枝がそこかしこに散乱



ここは雪が付いていた試しがない



シートラでの急登を終えると癒しのブナの森がお出迎え



大戸沢南東尾根が見えてきた



登る程に樹相が針葉樹に



燧ケ岳 やや霞がかって見えるのは黄砂の影響だろうか



源六郎沢の登り返し地点を観察する私



期待に反してガスが、、、



半ば雪に埋もれた駒の小屋



ガスが切れた隙に一気に行ってしまおう



山頂までもう一息



ちょこんと頭だけだした山頂標識 そういえば全体像は見たことが無い



山頂に着くと俄かにガスが晴れてくれた 大戸沢岳を望む



山頂から源六郎沢へドロップするKさん



同Kさん



同Kさん



同Kさん



私もドロップ





大戸沢岳とのコルへ向けて登り返し



うろこ板は機動力抜群



中門岳へ延びる稜線から御神楽沢にドロップするのも楽しそう



大戸沢岳目前



大戸沢岳山頂にて



大戸沢岳山頂から東尾根のオープンバーンにドロップするKさん



 私のスキーカットでスラフが流れている



どこまでも広大な天然のゲレンデ



かっとばすKさん



樹林帯まで下りてきた





同上



あっという間にここまで降りてきた 山頂を振り返る私



次第に尾根が狭くなるがスキーするには十分



下部になると樹間が狭くなり枝が散乱 落とし穴もあるので横滑り交え慎重に滑降



下大戸沢 これを渡渉する羽目にならず良かった



ラッキーなことに下まで雪が繋がっていた 多少の雪切れは草スキーで突破



スノーシェッドの出口まで降りて終了



  
Map
 Track
Weather  Map 
  トップ                              山歩き 
inserted by FC2 system