守門黒姫BC  新潟県 1368m       
   

20153月31日(火)

 このところ比較的近場の谷川山系を歩いてばかり。長時間のドライブが負担になっていることもあるが、やはり少々マンネリ気味だ。そこで久しぶりに守門方面に足を延ばすことにした。向かう先は、1年ぶりの浅草岳、予てより宿題となっている早坂尾根を登るつもり。

 午前
3時前に自宅を出発。久しぶりのせいか、いつも利用する湯沢ICから先が随分と長く感じられる。小出ICで高速を降りて、すっかり夜の明けた只見線沿いをひた走る。破間川ダムを過ぎ、ムジナ沢を渡ると数台の車が路駐していた。今日は黒姫がえらく人気だなと、徐行しながら通り過ぎようとすると、何とそこには先日乙妻山頂で再会したばかりのOさん、それに膝を怪我されたと聞くEVA父さんのお姿が。またもうひと方、ブログでお馴染みの木の実沢さんもおられた。

 
EVA父さんからお誘いを受け、あっさりと浅草岳はキャンセル。黒姫に転進して皆さんにご一緒させて頂くことになった。午前7時にハイクアップ開始。EVA父さんは膝のハンディキャップがあるので先行している。


      橋の上にはまだ多量の雪あり不安なく渡れる       先を行くOさん


 林道沿いの緩斜面を過ぎ、下黒姫沢へ下降する辺りでウイペットに異変が。あろうことか、バスケットが抜け落ちている。引き返して捜索したがグサグサの雪に埋もれてしまったようで見つからない。新調したばかりなのにと、泣く泣く諦めて皆さんの後を追いかけた。このままでは登行に支障があると、お三方の協力を得て応急修理。木の枝を十字に組んで見栄えはともかく実用的には十分の代用品に仕上がった。


           この辺りでバスケット紛失             木の枝をガムテープと紐で固定した力作


 下黒姫沢を抜けて尾根筋に出ると暫くは急坂のジグザグ登り。木の実沢さんは力強いストライドでどんどん先へ進んでいく。そのハイペースにはとてもついていけない。
Oさんはマイペース、EVA父さんはリハビリ中なのでゆっくりと各自それぞれのペースで登行する。


             稜線が見えた                  急な尾根筋を登っていく


 
1164mピーク下の台地で休憩。そこへ年配のご夫妻が追いついてきた。失礼ながらお歳からは考えられない軽やかな足運びだ。三日と空けずに守門の山に登られているようで納得の健脚ぶり。越後のやまびと同士、皆さん以前からお知り合いのようだ。


1164mピーク下の台地


 休憩後、木の実沢さん先頭に登行再開、稜線を目指して再びジグザグに急登していく。
950分に1328mピーク下の鞍部に到着。2年前の春にはこのピーク直下が大きく雪割れしていて稜線沿いに下降できなかった記憶がある。この鞍部から烏帽子山を正面に見ながら破間川源頭へ落ちる無木立の大斜面を滑るのが本日のハイライト。実は前回1328mの雪割れを迂回した際に、この源頭を登ったことがあるのだが、そんなことを俄かには思い出さないほどに様子が違う。積雪量が違うせいだろうか。


正面1328mピークの右側のコルを目指す モデルは木の芽沢さん


 早速シールを剥がして滑降準備。木の実沢さんが先陣を切って急斜面に飛び込み、荒れた雪面に巧みにターンを刻んでいく。続いて私。縦皺とグサグサ雪で中々思い通りのスキーにならないが、何とか転ばずに滑降する。
Oさんは雪面状況、雪質無関係。華麗な滑りは相変わらずだ。なお、EVA父さんは大事をとってここはパス。


破間川源頭を滑降



先頭切って滑りこんだ木の芽沢さん



Oさんの見事な滑り


 標高が下がるにつれてグサグサ雪は面ツルの締まったザラメへと変化し快適なスキーが楽しめた。滑りの快楽と登り返しの労苦との綱引きは前者が勝り、結局標高差
300m近く降りてしまった。

 ここから再びシールを貼って登り返し。しばらく源頭を登ったところでかなりご年配のスキーヤーが登り返しの準備をしていた。何と同氏も地元の知り合いの方で皆さん再会を喜んでいた。彼はその後もすっと行動を共にすることになった。越後のやまびとネットワーク恐るべし。


            標高980mでストップ                300mの登り返し


 この辺りから左手の尾根に取り付き、ジグザグに登行していると、突然右足のヒールリフターが効かなくなった。何と
TLTビンディングのヒールピースが完全に脱落している。後続のOさんがすぐに拾ってくれたが、ばね部分が抜け落ちているので固定できない。ウイペットのバスケットに続き、今度はビンディングトラブルとは。与えられる試練に耐えることはやぶさかではないが、同じ日に二つのトラブルとはいくら何でもあんまりだと泣きたくなる。


再び稜線に立つ


 幸いトウピースは健在なので、シール登行は継続できた。鞍部へと登り返し
EVA父さんと合流する。正午過ぎ、いよいよ下山開始。皆さん鞍部直下の急斜面を滑り降りていく。EVA父さんはリハビリ中とは思えない華麗なフォームで流石の滑り。私は忍の字の斜滑降。重雪に対しては、それでなくともスキー操作がままならないのに、片足ヒールフリーではとても無理はできない。万一を考えてトウピースをロックせずにおいたので、スキーが外れて転んでしまうこともあった。

 遅れながらも何とか皆さんの後についていき、
1時間10分ほどで出発点に無事帰着することができた。スキーは散々だったが、いつか役に立つかもしれない得難い経験ができたとポジティブ・シンキングすることに。それはそうとして、Oさん、EVA父さん、木の芽沢さん、今回はせっかくご一緒させて頂いたのに足手まといになって申し訳ありませんでした。平にご容赦を。

破損の状況  
 ヒールピースの回転部分が完全に抜け落ちてしまった

後記  
 ニ度あることは三度あるの故事の通り、危惧していた三度目があった。帰路、神湯温泉に立ち寄り汗を流して身体も気分もさっぱりして再び車を走らせていると、突然警告音と共にオイルアラームが点灯。つくづく道具のトラブルに見舞われる日だったらしい。これでサービスに出す対象がまた一つ増えてしまった。






行動時間 6時間10分



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