2015年2月28日(土)
ここ暫く登山日和の日に限って野暮用があったりして、山を歩けずじまい。かなりフラストレーションが溜まっていたが、2月もいよいよ最終日になってようやくその解消を図ることが出来た。
天候の回復が遅れそうな中越方面は見限り、向かった先は北信の乙妻山。早朝7時前に大橋に到着すると駐車スペースは既に満車状態で、はみ出た車数台が路駐している盛況ぶり。やはり誰しも考えることは同じらしい。
大賑わいの大橋 路上駐車を強いられる 轍はそれほど深くは無い
手早く身支度を整え、7時15分に大橋を後にした。新雪は10cm程度だろうか。トレースの轍はそれほど深くない。前方には3パーティ8名ほどが先行しているのが見える。黒姫山と佐渡山コルの分岐で彼等は早くも休憩モード入り。私はノンストップで先を急ぐ。
黒姫山登山道分岐点 佐渡山コルへと向かう
新雪は次第に深くなり、小尾根に取り付く頃には20cm以上。先行者のトレースを有難く拝借する。途中でトレースは左右に分岐したが、余り考えることも無く右側のトレースを選択。ところが、そろそろコルと思われる標高になってもトレースは依然として尾根筋を進んでいる。GPSをチェックすると1673mピーク辺り。どうやら佐渡山へ向かうトレースに踏み込んでしまったらしい。
仕方ないのでシールオフし、コル目指して滑降する。パウダーランながら、斜度が緩いので滑りは今一つ。コルまで下るとシュプールが何本かついていた。そのままスキーヤーズライトをトラバースするように下り続け、雪に埋もれた氷沢川に降り立った。
尾根筋を進む 途中で佐渡山コル目がけて滑降
ここからは、前回中妻山(仮称)の梯子尾根へと向かうトレースと、氷沢川左岸沿いに尾根を回り込むトレースに分岐している。今回は後者を選び北東斜面を登ることにした。
梯子尾根に向かうトレース
先人のトレースに乗っかっているだけでは、全てお任せのガイドツアーと何ら変わらない。次回に備え、時折立ち止まってはGPSで位置確認し、風景をしっかり目に焼き付けておく。
平坦な樹林を行く やがて乙妻山が姿を現した
尾根をぐるりと左へ回り込んで暫くすると北東斜面が視界に入ってきた。想像以上の無木立の大バーン。人気の山スキールートと言われる所以がよくわかる。その白い大斜面に点々と先行者の姿が見えた。その数8名。
北東大斜面
先行者の姿が見えて来た
強い日差しに照り返しがきつい。汗を滴らせながら、ジグを切ってどんどん高度を上げていく。背後の黒姫山が同じ目線になった頃、中妻山との鞍部目がけて左へ進路を変えて延々とトラバース。乙妻山の雪庇を仰ぎ見ながら通過する箇所は、直下に小規模ながらデブリもあってちょっぴり緊張する。
雪庇の下はちょっと緊張 トラバースして鞍部へ
やっとの思いで鞍部に着くと、そこにはテレマーカーが二人。彼等は私と入れ違いで滑降して行った。鞍部からもうひと頑張りで念願の乙妻山山頂に立った。時刻は12時30分。ここで嬉しいサプライズ。昨年巻機山でご一緒させて頂いたOさんと再会したのだ。ご活躍の様子はEVA父さんのブログで拝見していたので、いつかどこかでとは期待していたが、これほど早く叶うとは。別の方からは私の拙いHPをご覧になっているとのお話あり、まさに汗顔の至りとはこのこと。山スキーの世間は思いのほか狭い。。。
滑降を始めたテレマーカー二人 再会したOさん
頚城の峰々 高妻山
山頂で軽く腹ごしらえを終えれば早速お楽しみの滑降準備。一足先に滑り降りたOさんに続いて、私も鞍部へと向かう。ここからは本日のメインイベント、北東斜面でパウダー三昧。Oさんと共に大バーンのパウダー滑降を大いに堪能した。
相変わらず華麗な滑りのOさん 同左
スキーカットで雪崩た斜面
斜度が緩んだ辺りでOさんに別れを告げて一足先に往路を戻る、、、つもりが、調子に乗って滑っているうちに、またもやミスルート。GPSを見ると、現在地は氷沢川本流と佐渡山からの支流の分岐点辺り。どうやら佐渡山西面をトラバースしてきたスキーヤーのトレースに誤って入り込んでしまったらしい。
引き返すつもりでシールを貼っていると、邪念がむくむくと。この際、後学のためにこのルートを経験しておこうか。毎度の浅慮のなせる技、即行動に移してしまった。
苦労して大きな段差のスノーブリッジを越えて右岸へと渡り、シュプールに沿って登り返す。一つ目の誤算は、圧雪されたトレースと異なり、シュプール上では半ばラッセルを強いられ想定以上に時間がかかること。二つ目の誤算は、シュプールはコルからどんどん外れて佐渡山山頂方面へと向かっていること。
氷沢川の右岸へ このスノーブリッジ越えにひと苦労 佐渡山のコルまで戻りやれやれ
この際、佐渡山山頂まで登ってしまおうかと思うも、時刻は既に午後3時を回ろうとしている。結局、1時間近く大汗をかいて登り返した時点で、それ以上の西面トラバースルートの探求は断念することにした。幸い既にコルよりも標高が高い所まで来ているので、シールオフして延々とトラバース。ところがお粗末なことに目測を誤り少し下り過ぎてしまった。
あろうことか、コルへの僅かな登り返しにこの日4度目のシールオンを強いられる。コルからは楽勝の滑降と思いきや、多くの下山者のシュプールで荒れた雪面がバリバリに凍りついていたり、モナカになっていたりで、ともかく試練のスキー。それでも何とか平坦地に出た後は、カチカチのトレース上をボブスレー状態で大橋へと帰着した。ともあれ嬉しいサプライズありルートミス等あり、盛り沢山で久々に完全燃焼の一日でした。
行動時間8時間45分
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