白毛門・朝日岳        三百名山
 

2014927(土)

 御嶽山で亡くなられた方には心よりお悔やみ申し上げます。同じく山を愛する者としてとても他人事とは思えません。


 前回の北アルプス黒部の旅からしばらく間が空いてしまった。北海道で痛めた足指の爪がようやく生え換わったところで、こともあろうに同じ部位に物を落として悶絶、再びびっこをひくはめになったからだ。足にはまだ包帯。しかし好天に恵まれた週末、聞こえてくる紅葉の便りに居ても立っても居られない。と言うことで今回は、一度は登ってみたいと思っていた谷川岳の展望台、白毛門へと向かう。足に痛みが出ないようなら、その先にある朝日岳まで足を延ばす腹案も。

 夜が白々と明ける頃、土合に到着。スノーシェードの先にあるロープウェイの無料駐車場に車をとめた。午前
6時に出発。一旦下って登山道へと向かう。土合橋の先から少し奥に入ると、何のことは無い、広くて立派な駐車場があった。こちらを使えば良かったと思うも後の祭り。


          土合橋近くの駐車スペース                          白毛門への登山口


 駐車場を通り抜けて小沢を渡ると、すぐにブナの尾根の急登になる。木の根が絡み合って歩き悪い道ながら、どんどん高度が稼げるので効率的ではある。途中で何人か登山者に追いついたが、お気楽なデイパックの私とは対照的に皆さん揃って大荷物を担いでいる。清水峠から谷川岳へとぐるりと周回する馬蹄形縦走でも目指しているのだろうか。


        木の根のジャングルジムを登る                          白毛門沢の大滝?


 そんな急登が一段落したところで右前方に滝が見えてきた。おそらく登山地図にある白毛門沢の大滝だろう。標高
1200mを越えると辺りはガスに包まれてしまった。せっかく色づいた木々が目立つようになってきたのに、いかんせん視界が悪すぎる。無彩色の霧が鮮やかな紅葉をくすんだ色合いにしてしまうのだ。

 森林限界を抜けると尾根は痩せてきて、ロープや鎖を頼りに岩場を登るようになる。休まず歩き続け、
2時間少々で白毛門山頂に立った。霧で視界はゼロ。幸い不安のあった足に痛みは無いので、腹案にGoサイン。このまま朝日岳へ向かうことにする。


         紅葉が目につくようになってきた                           白毛門山頂


 笠ヶ岳との鞍部を歩いているとトレランの若者に追いつかれた。泥濘があったりして決して足場の良くない道を飛ぶように駆けていく。馬蹄形縦走路の日帰りだろうか。


             紅葉のトンネル 



              見事に色つき                           小ピークをいくつも越えていく


 私の祈りが通じたのか、それとも恨み節を聞きあきたのか、笠ヶ岳の頂きを通過する頃から薄日がさすようになり、さらに雲間から青空が覗くようになってきた。小ピークをいくつか越えていくと、カーテンがサーッと引かれたかのように、朝日岳やその先の清水峠方面が忽然と姿を現した。散々焦らされた後のこうしたご開帳の瞬間が堪えられない。


          朝日岳方面の展望が開けてきた                        清水峠訪問も


 朝日岳に近づくほどにガスは文字通り雲散霧消し、谷川岳方面の展望も開けてきた。
955分、朝日岳に到着。お目当ての紅葉は文句なしに素晴らしい。北面を中心に赤黄と色づき緑のハイマツと見事なパッチワークをなしている。青く澄み渡った空のブルー、レッド、グリーンの3原色+黄色と色彩のオンパレードだ。


            朝日岳の頂きに立つ                       谷川岳も雲海から顔を出してきた


 山頂には私同様、土合から登ってきた方が一人。地元の方らしくこの山域に滅法詳しいので、有難く山座同定の手ほどきを受けた。紅葉は例年よりも
2週間ほど早いとのこと。10月も半ばを過ぎれば色づきは麓まで広がって全山紅葉になるとか。


雲海上に奥日光の山々が



笠ヶ岳を振り返る



ついカメラを向けてしまうので一向に足が進まない



笠ヶ岳の避難小屋



谷川岳の展望台は本当だった



この景色に白毛門への登り返しも苦にならない



        ジジ岩、ババ岩  言われてみれば、、、                 眼下にロープウェイ駅が見えている


 景色と展望を存分に堪能できたので、帰途についたが、ついつい景色に見とれてしまうので中々足が進まない。すっかり霧の晴れた谷川岳から一の倉岳にかけての屏風のような岩稜が凄まじい迫力だ。白毛門からは約
1000mの激下り。樹林帯に入るとパノラマ景色ともお別れだ。ひたすら足元に注意しながら我慢の下りを続け、午後215分、駐車場に無事帰着した。

 着替えを済ませてハンドルを握ろうとすると携帯に家内からの電話。第一声は「今どこ?まさか御嶽山に登っていないわよね」。私が能天気に景色や紅葉を楽しんでいるのと同じ頃、御嶽山が凄まじい状況になっていたのをこの時始めて知ったのだった。


行動時間 
8時間15
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