2014年1月24日(金)
昨日は黒姫山からそう遠くない飯山市内に宿をとったのでゆっくり英気を養うことができた。一夜明けて向かう先は今回で三度目となる鍋倉山。1300mに満たない低山ながら豪雪地帯の山だけあってたっぷりの積雪量に適度な斜度、ブナの美林、それに360度の眺望と山スキーヤーにとっては三拍子揃った素晴らしい山だ。昨年2月に初めて訪れてすっかり虜になってしまった。
午前8時に温井集落の除雪最終地点に到着。今日は移動性高気圧に覆われて最高の天気、平日でも多くのマニアが押し掛けているのではないかとは下衆の勘繰り。先着の車はたったの一台だった。
支度中のお二人に挨拶し、一足先に歩き出した。昨日のものと思われる真新しいトレースがついているので有り難く使わせて頂く。毎度お馴染みの水道施設小屋の屋根にはこんもりと雪が乗っていてこの地方の積雪の多さを改めて実感する。
積雪量は昨年同時期と同じくらいか 今にも押しつぶされそう
いつものように林道をショートカットして田茂木池のある台地へと向かう。トレースはうねうねとアップダウン、屈曲しながら続いている。必ずしも最短距離ではないので少々もどかしい思いもあるが、随分と楽をさせてもらっているので文句は言えない。
首都大学小屋前 トレースを辿るだけの楽チン登山
三角形が特徴的な首都大学小屋の前で小休止。これからの急登に備えてアウターを脱いでおく。今日は日差しもあるのでウェアは半袖下着に長袖シャツの2枚だけで十分だ。それでも小屋前の急斜面をキックターンを繰り返しながら登りだすとすぐに汗が吹き出てきた。
次第に高度を上げて尾根筋に出ると吹き抜ける風が心地よい。ところがいつまでも楽をさせてもらえないのがこの世の常。何と標高900m辺りでトレースは消滅。トレースの主は山頂を諦め、ここから滑降している。昨日に引き続き今日もラッセルを強いられることになってしまった。しかも今度は単独で。
トレースはここまで とことん直線にこだわりラッセルする
とは言え、斜度も緩やかになってきたし、雪も大分落ち着いて昨日ほど沈まない。せいぜい脛までのラッセルで済みそうだ。出来るだけ無駄なく、山頂めがけて一直線となるように配慮しながらせっせとラッセルに励む。
青空と樹氷はトレードオフ? 東からの尾根と合流すると山頂は間近
山頂到着は11時10分。3時間弱のアルバイトだった。遮るもののない頂きに立つと、まず目に飛び込んできたのは妙高、火打などの頚城の山々、それと昨日登った黒姫山。越後三山や苗場山など上越方面の峰々も屏風のように連なっている。上越市の町並みから日本海まで一望だ。
黒姫山と頚城の山々
正面は苗場山、左側の白屏風は越後三山?
日本海
心ゆくまで絶景を堪能した後は、お楽しみタイム。いつもなら北斜面を一回滑降して、日陰のパウダーを楽しませてもらうのだが、早く帰宅せねばならない野暮用があるので今回は割愛。登ってきた南東尾根を素直に下ることにする。
斜度もそれほどキツくない樹間の広く開いた斜面を気持ちよく滑り降りる。いい気になって滑って行くうちにちょっと南にそれてしまい、少々登り返す場面もあったりして、相変わらずの成り行き任せ、重力任せだ。
疎林の間を気持ちよく滑り降りる 樹間がちょうど良い塩梅
途中で後続のスキーヤー数名とすれ違った。彼らに挨拶をして別れた後は、樹間が密、かつ急斜面へと滑り込む。重くなってきた雪に板を取られながらも何とか無事に首都大学小屋へと降り立った。ここからはフラットな台地につけられたトレースを辿ってゆるゆるとボブスレー滑降、無事出発点に帰着した。
着替えもそこそこに車を出して最寄りの湯滝温泉へと向かう。入浴後のビールという訳にはいかないのが残念だが、汗を流してすっきり満ち足りた気分で帰宅の途についたのだった。
行動時間 4時間10分
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