2014年1月23日(木)
昨年3月に訪れた黒姫山東尾根。鮮度の落ちた重い雪に手こずり余り楽しめなかったので、冬型気圧配置が緩むタイミングを見計らい再チャレンジすることにした。
午前8時過ぎに黒姫スノーパークスキー場に到着。整理係が駐車スペースに誘導してくれたが、傾斜地の上、雪が深いので四駆でもスリップして登りきれない。結局ギブアップして従業員用の駐車場に車をとめさせてもらった。登る前からこんな調子では。。。山の上はどんな状況だろうか、とちょっと不安になる。
雪の降りしきるなか、身支度を整え出発。センターハウスでリフト券を購入し第一クアッド乗り場へと向かう。リフト上から観察すると、木々の枝にはたっぷりの積雪。ここ暫く続いた寒気でまとまった降雪があったようだ。期待半分、不安半分といったところ。
第二ペアリフトに乗り継ごうとすると、運転開始まであと20分かかるという。こんなこともあろうかとリフト券を一枚余分に買っておいて正解だった。下まで滑り降りて丁度良い足慣らしとなった。
再び第二ペアリフト乗り場に戻ると心強いことに山スキーの先客が二人いた。このお二人(長野県から来られたEさんとFさん)とは、これからずっと行動を共にすることになる。
ペアリフト終点で登山届を出して出発。先行するお二人の後を追う。以前のトレースは殆ど消えかかっているので先頭を行くEさんは膝ラッセルだ。途中でFさんに交替、しばらく頑張って頂いた後、私も参戦。冷え込みが強かったせいか、サラサラの軽い雪質で思ったより楽だったので助かった。
旧ゲレンデ跡を登るFさん 旧リフト降り場
キックターンを繰り返しながら旧リフト降り場までハイクアップし小休止。行く手を眺めると、先のトレースは完全に消えている。これまでは前哨戦、いよいよラッセルが大変そうだ。Eさんが少々お疲れ気味だったので、その先はFさんと私の二人で交替しながらラッセルすることになった。
力強くラッセルするFさん 見事なブナ林
雪はさらに深くなり、、、 傾斜も増してきた
やがて外輪山の稜線が視野に入ってきた。ガスもいつしか晴れてきたようだ。青空をバックにモンスター達が出迎えてくれる。3時間半かかってドロップポイントに到着。早速シールを剥がして滑降の準備に入る。
稜線が近くなり一段と雪深くなってきた
滑降準備に入る
雲上に妙高山も見えた モンスターに変身中の木々
御巣鷹山はクリアに見えているし上空は抜けるような青空なのに、残念ながら滑り降りる東側には濃いガスがかかっている。視界の確保に難がありそうだ。
これはかなり立派なモンスター(馬にまたがるナポレオン?)
ここからドロップする
午後1時5分、滑降開始。お二人の後を追って、思い切って深い雪に飛び込んでみる。降雪直後、厳しい寒気(野辺山高原ではこの日マイナス22度を記録したとか)という好条件に恵まれてふわふわのパウダースノー。オーバーヘッドというのだろうか、舞い上がる粉雪に全身雪まみれになって落ちていく。
しかしお楽しみは長くは続かない。下るにつれてガスが濃くなり視界不良となってきた。いきなりコブ状の吹溜まりに突入して自爆することも度々。
滑り易そうなところを選んで滑降しているうちに、気がつけば予定していた1396m台地を大きく北側に外している。GPSを手にしながらも、またしても東谷山の二の舞をやってしまった。下りラッセルを出来るだけ避けようと起点のある北東方向を意識し過ぎたようだ。このままだとスキー場を隔てた沢沿いに出てしまう。しかもEさん、Fさんも一緒なので責任重大だ。特にFさんは片方のストックリングをどこかで紛失してしまったので、非常に苦労している(後でペットボトルの底部分を加工して代用)。
休憩中のEさんとFさん 崖の上はスキー場
結局、トラバースしようにも傾斜と薮がキツくて尾根に戻ることもかなわず、やむなく沢沿いを進むことになった。所々沢割れしてマンホール状の大穴が開いているので、細心の注意を払いながら下って行く。
やがてスキー場のリフトが左手の崖上に見えてくるようになると、里はもう間近。狭い沢が一気に開けて黒姫牧場へと出た。緩斜面をだらだらと滑り降りてスキー場の一角に到着。ゲレンデを横切って午後2時50分、無事出発点に帰着することができた。
今回、たまたまご一緒させて頂いたEさんFさんにはすっかりお世話になった。もしお二人がいなければ、旧ゲレンデ最上部辺りでラッセルに嫌気がさして回れ右となった可能性大だ。心より感謝いたします。
行動時間 5時間20分
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