東谷山BC               
 


2014年1月15日(水)


 昨年味をしめた東谷山にパウダースノーを求めて2回目の訪問。半日コースのはずが、とんでもないルートミスをして一日がかりとなり自らの未熟さを猛省した山歩きとなった。スキーの方も、私の足前では重いパウダーをうまくコントロール出来ずコケまくって余り楽しめず散々。唯、ルートミスをしたおかげで、密かに山スキーの師匠と仰いでいたEVA父さんと初めてお会いできたのは不幸中の幸いだった。私のトレースに引きずられてご迷惑をかけたことは痛恨の極みですが。。。

 午前
7時過ぎに二居に到着。集落内をしばらくウロウロするものの、どこも民宿や会社の私有地ばかりで適当な駐車スペースが見つからない。17号線から少し入った所でパブリックスペースと思しき除雪地にとめたが、実はここも人様の土地だった(帰着後クレームされ1000円也を支払った)。

 
745分、準備を整えて出発。ここからは集落をバイパスするように二居峠入口までトレースが付いていたのでシール登行ができて助かった。その先も3連休明けのせいか、しっかりしたトレースが導いてくれるのでいたってスムーズ。昨年二居スキー場跡から痩尾根を登ってえらく苦労したのと比べると別の山のようだ。


          二居峠登山口へのショートカット                     高速道路のようなトレース



           送電線の鉄塔が見える                     二居峠(前回に比べるとかなり雪が少ない)


 二居峠までは鼻歌気分。30分少々歩いてウォームアップ完了。中間着を一枚脱いでここからの急登に備えた。送電線鉄塔の下をくぐりどんどんと高度を上げていく。



          雪庇を避けて藪の中を歩く                         


 南側に発達した雪庇を避け、藪の中に付けらたトレースを追っていくと、いつの間にか周囲はすっかり雪を纏った木々の森。何度見てもこの幻想的な風景には感動させられる。山頂には
2時間半で到着。前回4時間以上かかったのが嘘のようだ。


山頂はもうすぐ



平標山方面



苗場山と神楽ヶ峰


 軽く腹ごしらえをして滑降の準備をする。
1030分、滑降を始め、目の前のスロープに突入する。いつもなら事前に地図やGPSで方向を確認するのに前回の記憶があるからと省略。おまけにトレースがあったのでこの方角で間違いなしと勝手に思い込んでしまった。後で考えると、このトレースはすぐに登り返した人のラッセル跡か、カモシカのような大型動物のものだったかも知れない(下の方に深い雪にもがくカモシカの姿を見かけた)。


           トレースがあったので慢心して                      どんどん落ちてしまった。。。


 重パウダーのスキーコントロールに無我夢中で、何故シュプールが無いのか、藪が多くて前回とは景色が違うのはおかしいという疑問を抱きつつも、気がついたら標高
1100mまで下ってきてしまった。

 ここに至ってようやくルートミスを認識、
GPSを見て愕然とする。予定していた北西斜面ではなく北斜面を、それも450mも下ってしまった。このまま水無川方面に下ってしまったらどうなるか分からないので下山続行は論外。地図を見ると予定していたルートに復帰するには尾根を一つ乗越さないといけない。

 シールを貼って乗越べき尾根から派生する小尾根を登りだした。比較的幅のあるDPSの板でも膝辺りまでのラッセル、しかもかなりの急斜面を大汗をかきながら喘ぎ喘ぎ登った。


            小尾根をひーこら登る                   自分のつけたトレースを見てまだここかとため息


 2時間ほどかけてようやく尾根が近くなってきたところで人声が聞こえたので驚く。こんなルートから外れた所を二人のスキーヤーが滑り降りてくる。どうやら私のシュプールが彼らを間違った方向に誘引してしまったらしい。申し訳ありません。私のつけたトレースと交差したところでストップ、その後、お二人もシールをつけて私のトレースを追って来た。

 尾根直下の小雪庇を乗り越えるのに四苦八苦の私を尻目に軽快な足さばきで一足先に尾根へと上がり、もたもたしている私に文字通り手を差し伸べて頂いた。その後はお二人がリードして絶妙なコース取りで山腹を延々とトラバース。ようやく本来のルートへと復帰することができた。私一人だったらトラバースも容易で自信の持てる山頂付近まで登り返した可能性大で陽のあるうちに下山できたかどうか。。。


            トラバース中のお二人                             EVA父さんとHさん


 その後は何度もコケながら、必死にお二人の後を追って下山を続け
17号線のヘアピン部分に出た。バスを待つ間にお話をしていると、どうやらお一人には見覚えがある。問うてみれば案の定、いつも愛読させて頂いているブログのEVA父さんだった。もうお一人は新潟のHさん。これまでEVA父さんには一度ならずニアミスしているので、いずれどこかでと期待していたが、ようやく、それも思いもかけないシチュエーションでお目にかかることができた。

 バスは何故か予定時刻を過ぎても現れなかったため、結局車の置いてある二居まで約
4kmの道程を40分、トラックの行き交う真っ暗で狭い二居トンネルを歩く羽目になった。最後までトラブルに見舞われる厄日だったらしい。

 今回、山スキーには雪崩を始め様々なリスクがあるが、ルートミスは致命的という事が身をもって体験できた。歩きに比べて圧倒的なスピードで標高を下げてしまうので取り返しがつかない。道迷いの鉄則である登り返しをしようにもトレースの無い深雪のラッセルに著しく消耗させられること、地図では読めない細かな起伏や雪庇が予想以上に大変なこと等々。今更ではあるが、日々風化する記憶は頼りにしないこと、地図と
GPSのチェックを必ずドロップ前と直後に行うこと、他人のトレースを盲信すべきではないことを改めて学んだ次第。



行動時間 7時間20分(+国道歩き40分)

  
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