浅草岳BC  新潟・福島県 1586m       三百名山
   

201441日(火)

 昨日は鍋倉岳を終えた後、信濃川沿いをのんびりドライブして越後須原へと移動した。時間が余ったので重要文化財の目黒邸や酒造の蔵元などを観光。文字通りの物見遊山を楽しんで充実した一日だった。

 一夜明けた翌朝、午前
6時に宿を発ち浅草岳へと向かう。登山の起点となるホテル大自然館前には30分ほどで到着。宿の女将によれば、今年の積雪量は例年の半分とのことだが、除雪最終地点にそそり立つ雪壁を見る限り寡雪とは信じ難い。都会の人間にとっては、とんでもない豪雪だ。

 雪壁の下には先着の車が
2台。1台はもぬけの殻、もう1台の主は出発準備に余念がない。この人は間もなく大自然館の右手からハイクアップして行った。一体どちらに向かうのだろうか。


             シール登行開始                               守門方面は雲の中


 私も準備を整えて
655分に登行開始。前回同様、林道を少し登った沢の合流点から右手の山へと分け入る。林道を直進しているトレースもあったが、おそらく早坂尾根方面へ向かうのだろう。

 ほどなく全層のデブリが現れた。小規模ながら泥まみれの雪塊が何本もあるシュプールを断ち切っている。日曜の雨で緩んだ急斜面が崩れたようだ。


             デブリが道を塞ぐ                                ここでも


 最初のうちは快適だった雪質は、北向き斜面に入ると固くクラストしてシールだけでは苦戦する場面も出て来た。何度かスリップしながら、どうにかこうにか尾根筋に出たところでクトーを装着。昨年スキーを外して越えた急峻なコブは今回難無くクリアできた。


             尾根筋に出た                           このカリカリ急斜面を越えるのが大変



雪庇に気をつけつつも楽しい尾根歩き


 気持ちの良い尾根歩き。氷の衣装をまとった木々は陽光にライトアップされて光り輝き、ボキャ貧の私にはとても形容できないほど美しい。背後には守門岳から黒姫へと連なる素晴らしい白銀の山並み。山スキーをやっていてつくづく良かったと感じる至福のひと時だ。


キラキラと樹氷が眩しい



帰りの滑降が楽しみ


 多少緊張の場面も。嘉平与ボッチへのカチカチ急斜面の登り、さらにその先の稜線へと続くトラバース部分が氷化していてちょっといやらしい。下を覗き込むとムジナ沢源頭へと落ち込む斜面には大きなクレバスがパックリ口を開けていた。前回滑り降りたところだが、今年は無理のようだ。


嘉平与ボッチへ


 前岳のピークでも足を止めず、シールのまま浅草岳へと向かう。若干下った鞍部にスキーを脱ぎ捨て、徒歩で山頂を目指す。
1035分、昨年に続いて2度目の浅草岳山頂に立った。同じコースに前回より20分ほど余計にかかってしまった。クラスト斜面が多かったためと思いたいが、本当は加齢が主要因かも知れない。そうだとすると悲しい。。。


                鬼ヶ面山                                 浅草岳山頂



守門岳、黒姫方面



早坂尾根方面


 山頂には、中年のご夫妻が少し下がった雪の窪みで休んでいた。聞けば地元の方で早坂尾根を登ってこられたとのこと。今朝見た無人の車とトレースは彼らのものだった。


越後三山方面を背景に


 大パノラマを存分に堪能した後はお楽しみタイム。鞍部へと下り立ち、再びスキーを履いて前岳へと戻る。ご夫妻とともに前岳でシールオフし滑降準備OK。しかし
11時を回ってもまだ氷化した斜面は緩んでいないようだ。

 山頂直下をガリガリ言わせながら横滑りを交えて少し降りてみたが、これではスキーになりそうにない。この際、時間調整がてらムジナ沢の源頭部へと滑り込むことにした。飛び込んでみるとガリガリと乾いた音がしたのは最初だけ、すぐに快適なターンが刻めるようになった。


            前岳直下からドロップ                          源頭まで滑り降りて登り返し


 源頭部の平坦地に降り立ったところでストップ。ここまで標高差
200mほどだろうか。お楽しみの後は苦行の試練。シールオンして前岳の山頂へと伸びる尾根に取り付いた。

 クラストした雪はかなり緩んでくれたようで、シールもよく利いてくれる。気温上昇に伴い、木々の枝についたエビの尻尾が音を立てて落氷している。頭上に降り注いでみたり、バラバラと斜面を転がってこちらに向かってくるのはご愛嬌。



滑り降りたムジナ沢源頭を振り返る


 30
分ほどかけて再び前岳直下の稜線に復帰した。小休止の後は、お楽しみタイム第二ラウンドの開始。ここからは、ほとんどノンストップで滑り降りた。途中単独のスキーヤー2名とすれ違ったが、一言挨拶するためスピードを緩めただけ。

 雪面はちょうど良いザラメに変化していて極めて快適なスキーが楽しめた。流石に標高が
800mを切るようになると重雪でスキー操作も一苦労。若干の登り返しで最後の一汗をかいて1250分に大自然館に無事帰着した。

 同じ時期、同じ山、同じコースでもその都度微妙に変化する山スキーは実に奥が深いと思う。ともあれ大自然と雪に戯れて遊ぶ楽しさは変わらない。


行動時間 6時間



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