浅草岳BC               三百名山
 


2013324日(日)

 昨日鍋倉山で山スキーを楽しんだ後は、日本海沿いをのんびりドライブして長岡市内に宿泊した。翌未明に再びハンドルを握って約50Km先の浅草岳へと向かう。

 殆ど対向車もいない空いた道を飛ばして早朝
6時過ぎにムジナ沢登山口に到着。雪に閉ざされたホテル大自然館前の除雪スペースに車をとめた。先着の車は1台のみ。

 コンビニ朝食と身支度を終えて
650分に出発。時を同じくして先の車の方も歩きだしたが、この人はえらくペースが早い。とてもついていけず、後ろ姿が見る見る遠ざかっていく。


      深い雪に閉ざされたホテル大自然館                           正面は守門?


 暫くは林道沿いに平坦な道を行く。沢山のスキーヤーや登山者が入山すると見えて、カチカチに凍結した雪面には、無数のスキーやスノーシュー跡がある。やがて谷間が複雑に入り組んだような地形となった。


 お恥ずかしいことに、このほんの入口のちょっとした急斜面でシールが滑ってこけてしまった。スタートして間もないのに、こんな調子ではと先が思いやられる。クトーを装着して登行再開。


             尾根筋へと出た                           ここを越えるのに一苦労


 尾根へと登り上げていくにつれ、振り返ると真っ白な守門岳が素晴らしい存在感で迫ってくる。標高
900mを越えた辺りの急坂がやっかいだった。最後の急峻なコブがどうしても越えられない。クトーのロックが簡単に外れてしまい、浅くなった歯がいたずらに氷化した急斜面をひっかくだけ。仕方がないので、ここだけ板を担いで越えた。

 下を見ると単独女性がどんどん追い上げてきて、ガシガシとクトーを効かせて、いともあっさりコブを乗り越えてしまった。すごい女性がいるもんだ。彼女が使っていたのは
Voileのスキークランポン。板に直付けするタイプだ。道具だけの問題ではないことはわかってますが。。。


緩やかな尾根道


 このちょっとした難場(私にとって)の後は嘉平与のボッチを目指して緩やかな尾根筋の登りがずっと続く。快晴の空の下、素晴らしい景観を楽しみながら、しかし足は止めずに先へ先へと進む。前岳山頂直下の鞍部に差し掛かると、先行していた単独氏がもう滑降の準備に入っていた。山頂はパスしてムジナ沢に滑り込み、また登り返すとのこと。颯爽と滑り降りた同氏を見送り、私の方は引き続き山頂を目指す。


              巨大な雪庇                                   守門岳


 前岳を越えると少し下り加減。緩やかな稜線が浅草岳へと続いている。最後の山頂直下の急坂はスキーを外してツボ足で行く。ちょうど
10時に浅草岳山頂に立った。出発から3時間少々の行程だった。


              前岳を巻いていく                               浅草岳山頂


 360
度の絶景を堪能するものの、この界隈の山々に馴染みが薄く山座同定が出来ず残念。あまり長居をすることもなく、山頂を辞すと、先ほどの単独女性がスキーのまま登ってきた。聞けばこれから早坂尾根を下山するとのこと。ずっと左手に見えていた長大な尾根だ。ゆったりした滑降が楽しめそうだが、林道歩きも含めて相当な長丁場になるのかも。次回訪問時のコースオプションとしてノートしておこう。


早坂尾根を望む


 前岳の辺りでさらに
パーティと行き交う。やはり多くの山スキーヤーに登られている人気の山なのだ。前岳山頂まで戻ったところで、一休み。ここでシールを剥がし滑降準備を行う。


鬼ガ面山の名に恥じないこんな凄い眺めも


 思いの外早く登頂できたのと、先ほどの単独氏に刺激されて私もムジナ沢源頭にチャレンジしてみることにした。尾根筋を少し滑り降りたところから、急斜面に思い切ってエントリー。表面はザラメだが、芯はクラストしているので斜面の表層を剥きながら滑り降りる感じ。あっという間に底まで滑り降りた。


               ムジナ沢を滑る                           登り返しの途中から


 先ほどの単独氏は
200m下った地点でストップして左岸を登り返したらしい。せっかくなので私は更に100mほど滑り降りてみた。雪質は適度なザラメとなっていて、とても快適。気持ちよくターンが決まる。もう少し下降してみたかったが、初めての山で様子もよく分からないし、大滝もあると事前にチェックしていたので今日はここまで。

 無風の日溜まりで栄養補給をしてから、再びシール登行を開始。さっきの氷化斜面とは違い、ザラメにシールがよく効いてくれるので助かる。しかし最後に稜線に登り上げる急斜面はクラストしていてちょっと緊張。それでも何とか
30分足らずで200mを登り返した。

 シールを剥がして滑降の準備をしていると別の単独氏が滑り降りてきた。曰く、私がムジナ沢に滑り降りるのを眺めて自分もと、もう一つ奥側の源頭に滑り込んだとのことだった。こうしたチャレンジは、なぜか連鎖するらしい。


守門岳に向かってどんどん下降


 後は来た道を下るだけ。尾根筋を大人しく滑り降り始めたが、足がそろそろ限界らしい。太腿四頭筋が悲鳴を上げているので休み休み。それでも
45分程で出発点まで下りきってしまった。半日で15kmを越える長丁場を走破できるスキーの機動力は改めて凄いと思う。それと、今日はともかく浅草岳の素晴らしさにぞっこん。来年もまた来よう。レピーターの対象がまた一つ増えてしまった。


行動時間  5時間40


後記

 Dynafitの純正スキークランポンを板に固定するロックの調子が悪くて、使いたいシチュエーションで使えないことが多く、ずっと不満に思っていた。少しショックを与えると簡単にアンロックしてしまうのだ。そんな訳で、今回女性スキーヤーから実地にVoile製クトーの威力を見せつけられるに及んで、以前入手したまま死蔵していた同製品を活用してみる気になった。帰宅後、現物で確認してみると、何とDynafit製ロックの固定穴がVioleのロックのそれとぴったり一致しているではないか。おかげで苦もなく、Voileに変更することができた。次回の山スキー行で試し履きをしてみる予定。道具に頼る虚しさも感じつつ。。。その昔凝っていたゴルフは、クラブをいくら変えても一向に上達しなかったっけ。。。

  
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