蔵王山  宮城・山形県 1841m    百名山
西吾妻山  山形・福島県 2035m  百名山

20111012

蔵王山

 10月に入って2週間近く経過したが、今月はまだ山歩きに出かけていない。むしろ出かけられなかったというのが正しい。実は先日の富士登山で興味を持ったパラグライダーの試し乗りをしたのだが、ランディングに失敗して足首を挫いてしまったのだ。やはり年甲斐もないことをやるべきではなかった。幸い軽度だったので1週間ほど安静にしていたら、何とか腫れもひいてきた。まだ疼痛が残っているので足に負担をかけるような運動は控えるべきなのだが、山は紅葉真っ盛り。この機会は逃したくない。短い距離を無理しないでゆっくり歩けば何とかなるだろう。念のためテーピングと同等の効果があるサポータで足首をしっかり保護しておくことにする。

 さてどこの山へ行こうか。条件は二つ。山頂近くまで車で登れるか、或いはロープウェイやリフトをフルに活用して出来るだけ楽チンなハイクができること、それと紅葉が素晴らしいことだ。東北南部の百名山は正にこの条件を満たしている。まず小手調べは蔵王の熊野岳からとした。

 自宅を深夜に出発。東北自動車道から蔵王エコーラインへと乗りついで刈田岳へと向かった。予報によれば東北地方南部辺りまでは移動性高気圧に覆われるはず。それが、刈田岳山頂へ近付くにつれて天気は下り坂となり、山頂の駐車場に着いた頃にはすっかりガスに閉ざされてしまった。視界は
20mほどだろうか。横殴りの西風が吹き付けてくる。

 車の中でしばらく待機したが、どうやら天候がにわかに回復する可能性は無さそうだ。今日は景色を諦めて百名山スタンプを押すだけに徹しよう。防寒具代わりに雨具を着込んで歩き出す。凄まじい風が体当たりしてきて御釜に吹き飛ばされそうだ。

 




足首の痛みはそれほどでもないが、不安定な足場を避けてゆっくり慎重に歩く。こんな日に歩いている酔狂な人は私以外にはいないと思いきや、一人だけ行き合った。大きなカメラを抱えていたが、撮影には最悪の環境だ。一体何を撮ろうとしていたのだろう。

 時折ガスの中から現れる丸太の柱を目印に
40分ほど歩き、蔵王の最高峰、熊野岳に着いた。標高差は僅かだし短時間なので山に登ったという実感は全く無い。熊野神社に立ち寄った後は早々に引き返すことにする。




             蔵王連峰の最高峰                         熊野神社


 駐車場到着は
8時、たったの1時間半で百名山を一座終えたのは良いが、それ以上でも以下でもない。あいにくの天候で山を楽しむことは出来なかったが、足首が軽い山歩きには十分耐えられそうだという感触が得られたのはせめてもの収穫だった。これなら今日もう一山歩いても大丈夫だろう。


蔵王エコーラインの紅葉


行動時間              1時間30
歩行時間              同上


西吾妻山

 蔵王からエコーラインを上川市へと下り、13号線を一路南下する。米沢市内を抜けて再び山道を登り白布温泉の西吾妻ロープウェイ乗り場に着いた。連休中は相当混雑したらしいが、今日は人影もまばらで閑散としている。ここからRW、リフト3基を乗りついで北望台に降り立った。天候は今ひとつ。蔵王ほどではないが、山頂方面は濃いガスの中だ。


                 夏山リフト                     紅葉を愛でながら高度を上げる



         上の方は常緑のオオシラビソ林                  ナナカマドの赤い実


 石のごろごろした登山道をゆっくり歩き出す。痛めた靭帯を無理に伸ばす方向に力がかかると強烈な痛みが走るので慎重に足を運ぶ。やがて、かもしか展望台に着いたが、ガスで何の眺望もない。ここからしばらく道は下って行き、池塘の点在する草原に着く。初夏であればさぞかし高山植物が見事だろうと想像できるが、今はただ一面セピア色の世界だ。


            登山口から石畳の道を行く                    眺望は今ひとつ



池塘の点在する草原


 しばらく木道歩きをした後は、大凹の水場から結構な登り坂となる。登りきったところは梵天岩。あいにく鉛色の空の他には展望も無いのでそのまま先へと進む。堅固な石垣に囲まれた吾妻神社が見えてきた。ここから西吾妻小屋経由でも山頂へ行けるが、一旦天狗岩まで戻って山頂への直行コースを辿ることとする。歩きだして
1時間半ほどで山頂に立った。それにしても、のっぺりした山なのでうっかりすると山頂を通り過ぎてしまいそうだ。樹林のなかなので展望が利かないので尚更のこと。


                  大凹の水場                            梵天岩



           山頂へと向かう木道                 山頂

 昼食をとってすぐに下山開始。帰路は西吾妻小屋を通っていくことにした。この頃になって少し天候が回復してきたらしい。周囲の山々がガスのなかから姿を現してきた。しばらくすると吾妻神社が見えてきた。
2本の旗(幡身と言うらしい)が翻っていて、この位置から見上げるとなかなか勇壮な構えだ。


                  西吾妻小屋                           吾妻神社



天候が回復してきた


 この頃になると痛めた足首がそろそろ限界、疼痛が次第にひどくなってきた。ダブルストックを有効活用して足の負担を出来るだけ上半身で受けて歩くようにする。体調とは裏腹に天候はさらに好転してきたようだ。遠くの山並みが見渡せる。第
3リフトの登山口には午後2時半に帰着。リフトに揺られながら隣の尾根に広がる素晴らしい紅葉を楽しみつつ、機械頼みの百名山2座目が終了した。今日は車の運転はもう勘弁、今晩は近場の米沢市内に泊まることにしよう。



見事な紅葉に足の痛みを忘れる



行動時間              3時間15
歩行時間              3時間


安達太良山へ続く

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