2864m 長野県 | |
2015年9月11日(金) 多くの被害をもたらした大雨もようやく一段落。被災された方々には申し訳ないと思いつつも、貴重な晴れ間を利用しない手は無いと、長らく懸案だった中央アルプスの百高山をまとめてピークハントすることにした。まだ頂きを踏んでいないのは、三ノ沢岳、檜尾岳、熊沢岳、東側岳の4座。 起点・終点は菅ノ台と千畳敷とするつもり。過去の山記録をチェックすると、ロープウェイを利用し千畳敷から稜線へ登り南下するケースが圧倒的に多い。私が計画したのはその逆コース。台風の影響が残りまだ天候の安定しない初日に遮るものもない稜線歩きは避けたいというのがその理由だ。 午前5時半、平日とあってガラ空きの菅ノ台バスセンターに車をとめた。ここから林道終点までタクシーを利用する手もあるのは承知していたが、どうせ初日は木曾殿山荘止まり。たっぷり時間もあるし、山小屋で暇を持て余すよりはと2000mを越える標高差を歩き通すことにした。
午前6時、車を後にする。駒ヶ根高原スキー場を通り抜け、林道を次々にショートカットしながら登っていく。こんな麓から歩く物好きは自分だけと思ったらとんだ勘違い。逞しいノースリーブ姿の若い女性が足早に追いつき追い越していった。負けじと私もペースアップしてみたものの、悪戯に心拍数を上げ大汗をかくのみで彼女の後ろ姿は遠ざかるばかり。情けなくもすぐに諦めマイペースに戻したのだった。
1時間15分ほどで林道終点に到着。ここは5年前空木岳を日帰り往復した際に車をとめたところだ。車が十数台あったので意外に多くの登山者が山頂を目指しているらしい。 池山への登山道との分岐を過ぎると間もなく水飲み場。そこには若い男女数名のハイカーが休憩していたので素通り。笹の生い茂る登山道をジグザグに登って行くと次第に傾斜がきつくなり、程なく明るい尾根上に出る。
そこからは急登が続くようなことも無く、基本的には快適な尾根歩き。掲示板が警告する通り痩せて急峻な箇所もあるにはあるが、随所に鎖や梯子が設置してあり特に緊張を強いられるような場面は無い。
予報通り雲の多い天気で展望は殆ど無し。しかし、そのことは既に気持ちの上で織り込み済みなので、特に期待も落胆することも無くひたすら黙々と歩く。途中何人かの登山者に追いつき、何人かのトレイルランナーに抜かれた。
やがて空木平避難小屋との分岐に着いた。前回は6月でまだ残雪が多かったので、尾根沿いを歩いた記憶がある。今回は後学のために避難小屋経由を選択してみた。 やや下り気味の水平道を進むと次第に沢地形となり、さらさらと流れる水場の近くに立派な空木平避難小屋が建っていた(この水は雨後だけかも知れず、要注意)。この小屋はトイレ完備、広くは無いが内部も清潔でとても快適そうだ。
沢水で喉を潤し、ガスで見え隠れしている山頂に向けて愈々最後の登り。既に1700mの標高差を登って来た足は鉛のように重い。標準CT45分の所をたっぷり1時間かけ、5年ぶりとなる空木岳の頂きに立った。時刻はちょうど12時。カラフルなウェアを着た登山者で山頂は大賑わいだ。その中にはスタート時に私を追い抜いて行った女性もいた。
時折ガスの切れ間から赤揶岳方面が姿を現すが、その先にあるどっしりした南駒ケ岳は拝めないようだ。変わり映えのしない天気に愛想をつかし、30分ほど滞在しただけで山頂を辞した。木曾殿山荘への下りは急峻な岩場の連続。万が一にもこけたりしないよう足元を確認しつつゆっくり下山する。
山荘近くまで降りたところで、先ほどの女性が再び私に追いつき追い越していった。あっけにとられて後ろ姿を見ていると、脇目も振らず木曾殿山荘を素通り。東川岳への急坂を疲れも見せずぐいぐい登って行き、そのうちガスの中に姿を消してしまった。どうやら檜尾避難小屋を目指しているらしい。相当な長丁場をものともしないとは、男顔負けの大した健脚ぶりだ。
軟弱な私は予定通り本日の行程はここでピリオド。宿泊手続きを終えた後は、水汲みや同宿者の方々と山談義を楽しんだりして時間をつぶし、夕食後は翌日の早発ちに備えて早々と横になった。
行動時間 7時間30分 後記 Garminが最近不調でまともなログが取れずに困っていたが、今回試しにiPhoneに特化したアプリ「DIY GPS」を利用してみた。いつもは同じアプリの地図表示機能だけで、GPSログ機能を使うのは初めて。バッテリーの電力消費が大きいため、これまで二の足を踏んでいたのだ。 毎時15%もの電池容量を消費してしまうので、最高6時間程度しか使用できない。これでは実用にならないので、対策として写真のように5600mAhのチャージャーを常時on状態で括り付けにしてみた。子亀を背負ったようで格好悪いが、結果は良好。二日分のログ収集に全く問題は生じなかった。懸念されるのは冬場の低温。チャージャーが結構発熱しているのでおそらく使用に耐えると思われるが、その答えは来るスキーシーズンでの検証待ち。 一方で大枚投じたGarmin Oregon300。使用開始から5年半を経過し十分元は取れたと思うので引退もまあ良しとしよう。
二日目 |