剣御前  奥大日岳   大日岳  2777m、2606m、2501m 富山県     百高山  
二百名山
 

前日より

2017年9月20日(水)

 昨日の大日小屋宿泊者はせいぜい12、3人と少なかった。おかげで就寝スペースも十分確保でき快適に過ごすことができた。

 さて一夜が明け、二日目の行程は、大日平を経由し称名滝へと下山、そこから八郎坂を登り、弘法からバスで室堂に戻るというのが元々立てたプラン。しかし、前日に痛めた右膝の調子からすると、称名廊下まで高度差1400mの下降、さらには弘法まで600mの激登りに耐えられるかどうか。

 名滝百選の称名滝を一目見たい気持ちもやまやまだが、ここは弱った足への配慮を最優先にすべきだろう。改めて地図を吟味した結果、来た道をトラックバックするのが、累積標高ミニマムの観点からベストという結論を得た。


夜明けの剣岳


 午前5時にランプの宿、大日小屋を後にする。天候には余り期待していなかったが、どうやら予報は良い方向に外れてくれたようだ。向かう先には朝焼けをバックに、すぐそれとわかる剣岳や奥大日岳のシルエット。富山方面に目をやれば、街の明かりが煌々と美しい。

 中大日岳まで登り返した後は細かなアップダウンを繰り返しながら奥大日岳との鞍部まで下って行く。ボトムからは約200mの急登だ。


奥大日岳へと向かう



前日より明らかに色づいている


 歩き始めて暫くは快調だった右足の膝が、この辺りで再び悲鳴を上げ始めた。これまでの経験上、故障は連鎖するのが常。案の定、今度は大きな段差越えを一手に引き受けてきた左足にも異変が生じてきた。一段とペースを落とし出来るだけ負荷をかけないよう歩幅を狭くとって歩く。


和製グランドキャニオンを望む


 1時間45分で奥大日岳を通過。薄曇りながら見晴らしが良いので気が紛れる。山肌の色づきも一晩で一段と進んだようだ。紅葉の下山スピードは一日平均50mとか。あと一週間もすれば立山一帯は紅葉のピークを迎えることになるのだろう。



奥大日岳最高点



剣岳にかかる不気味な雲 天候悪化の予兆?





 室堂乗越からは、ガレ場のような石だらけの道をスリップに気を付けながら下る。雷鳥平からは遊歩道の散策。雷鳥荘まで標高差100mを登りきると、室堂はもう目と鼻の先だ。9時40分、室堂に無事帰着した。


行動時間  4時間40分


後記

 今回の山旅を通じて、サルコペニア(筋力喪失による身体機能の低下)の意味がわかったような気がした。たった3週間、体を動かさないだけで運動機能が目に見えて低下することを実感したからだ。

 よく言われるように山仕様の足腰を維持するためには、やはり余り間をおかずに山に通うしかない。2~3日とされる筋肉の超回復期間に合わせて、週二回、山に通えれば理想的だろうが、都会に住む私にとっては至難の技。それでも少なくとも週一から10日に一回のペースは維持したいところだ。



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