立山BC          百名山   
 

20121121日(一日目)

 今年5月に初めて立山での春スキーを経験し、その魅力にすっかり取り憑かれてしまった。流石は山スキーのメッカと言われるだけのことはある。今シーズンの初スキーは再び立山でと思いを強くしていたものの、11月後半になっても天候が今ひとつ冴えない。しかし今年は無理かなと思い始めた頃、ようやく快晴のチャンスが巡ってきた。速攻で準備開始。スノータイヤへの履き替えと注文していた板が届いたのは出発の前日という慌ただしさだった。

 扇沢へは余裕を持って午前
7時頃に到着。無料駐車場は一面の雪だ。限られた除雪スペースには既に車がぎっしりで、とても割り込めそうにない。一泊二日2000円は痛いが仕方がない。有料駐車場を利用することにしよう。

 ゆっくりと朝食をとってから身支度を整え、
830分始発のトロリーバスに乗り込んだ。連休前の平日というタイミングのせいか、乗客はそれほど多くはない。ざっと見渡すと9割がスキーヤー、残りがスノーシューを背負ったハイカーや観光客といったところか。

 黒部ダムでケーブルカーに乗り継ぎ。さらにロープウェイ、トロリーバスと乗り継いで室堂到着は
955分。外に出てみると光り輝く銀世界が出迎えてくれた。眩しくて目を開けていられないほどだ。


          白銀の峰々が出迎えてくれた                      ハイクアップを開始するスキーヤー


 さて初日はどこを滑ろうか。初めての板(
DPS)とビンディング(Dynafit TLT)の扱いに習熟することが本日の最優先課題。まずは無難なところで室堂山の展望台に登ってみることにした。TLTはちょっと曲者。「ツアーモードにし、トゥピースの突起にブーツを合わせてステップイン」と書けば簡単なのだが、ヒールピースが思うように回ってくれないし、トゥピースの位置合わせが難しく思いの外手間取ってしまう。

 何とか準備を済ませてハイクアップ開始。それほど傾斜はきつくないが、いきなりの海抜
2500m。高度に順応していないせいか息切れが激しい。ともあれ45分ほどで展望台に立つと、目の前には想像を超える白銀の峰々の競演。中部から南部にかけての北アルプス名峰の大パノラマが待ち構えていた。遥か彼方の雲上には白山らしき銀嶺も遠望できる至高の眺望だ。


正面は水晶岳、バックは槍穂の峰々



室堂山にボーダーのパーティが登っている


 間近に聳える浄土山を見上げると急な山腹をガシガシと登り上げている人がいる。おそらく後で雷鳥荘の同室になった方で、そのまま雄山へと縦走して山崎カールを滑り降りたとのこと。大したものだ。


少し下ってから浄土山を望む


 私は展望台からおそるおそる滑降。半年ぶりのスキーだが調子はまずまず。気持ちの良いパウダーを堪能できた。それでも、せいぜい
250mの高度差なのであっという間に室堂平に着いてしまった。まだ正午前なので今度は雷鳥沢に向かうことにする。

 しばらく雷鳥荘へと向かい、途中で称名川へ滑り降りた。ここもショートスパンながら気持ちの良いパウダーの斜面で大満足。


            称名川へ滑り込む                                立山連峰


 雷鳥沢キャンプ場から先は、称名川の流れを渡らねばならないが、これがまたやっかい。スキー板2本分ほどの橋が渡してあるものの、ツルッといきそうで危なっかしい。そこを、どう控えめに見ても70歳はかなり超えていると思われる女性がスタスタと渡り、対岸で手際よくシールを貼って颯爽とハイクアップして行った。

 呆気にとられて見ていた私も、雷鳥坂に向かうトレースを追って登行開始。雷鳥荘が遥か眼下に見えるようになったところで、前を行く二人組を追い越して更に高度を上げる。


奥大日岳とほぼ同じ高度まで登って来た



雷鳥平、地獄谷を望む


 別山乗越はもう目前と思われる辺りまで来たが、タイムリミットも迫っているし雪面がクラストし始めたので、無理せずここからドロップすることにした。下を見れば、先ほどの二人も滑降の準備に入っている。

 急な斜面でシールを外し慣れないビンディングと格闘すること暫し。準備オーライで雷鳥沢に向けて滑降開始、、、した途端コケてしまった。トゥピースが外れたらしい。もう一度セットして再度滑降開始、、、また板が外れてコケた。どうやら雪が付いているとトゥピースがきちんとロックされないようだ。これがもっと急な斜面だったり、厳冬期だったら生死に関わるななどと思いながらセットし直した。幸い今度は大丈夫で何とか下まで無事滑り降りることができた。

 午前中とは打って変わって雪質は重く満足の滑りという訳にはいかなかったが、ともあれ大いに雪と戯れることが出来て楽しい一日だった。再び称名川を渡り、すっかり陽の陰ってしまった斜面を登って本日の宿、雷鳥荘へと向かう。午後4時前に到着。久しぶりのスキーで使い慣れない筋肉を消耗したせいか、最後の登りがえらく堪えた。


雷鳥荘への登り


 それにしても今日は大小様々な課題だらけの一日だった。明日に備え、今晩一晩対策をよく考えてみよう。



行動時間  5時間35


二日目に続く

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