雄山BC          百名山   
 

一日目より

2012
1122日(二日目)


 昨夜は相部屋だったものの、10畳に3人だけだったのでゆったりと休むことができた。夜中に強い風が吹き荒れていたので天気が心配だったが、明るくなって外を眺めると山のスカイラインがくっきり見えていたので一安心。しかしいつまで好天が持つかわからない。朝食後真っ先に宿を後にした。


           高曇りだが天気はまずまず                      雷鳥荘、また来年までさようなら


 まずはミドリガ池へ向けてシール歩行。
TLTビンディングの扱いには少し慣れてきたので昨日ほどもたつくことはない。室堂山荘をかすめて一ノ越へと向かう。浄土山山腹のトラバースの途中で合流したトレースを有り難く使わせもらった。

 昨夜は充分休養できたせいか体調は悪くない。スノーシューのボーダー二人を追い抜いて快調にハイクアップ。さらに数名の中高年スキーヤーにも追いついた。少し急になった斜面をジグザグに登りきって一ノ越山荘に着いた。


ボーダーに追いついた



追い抜いた中高年パーティ


 風の通り道を避けて石垣と雪の吹き溜りの間に出来た窪みに入って一休み。ここでアルミの軽量
10本歯アイゼンを装着。ピッケルは今回持参しなかったのでストック二本のうち、一本のリングを外してピッケルの石突き代わりとする。

 GPS
とカメラだけ持っていざ登行開始。流石に3000mの稜線、風に巻き上げられた雪片が頬にバチバチ当たって痛い。クラストした雪の急斜面もあってちょっと緊張するが、総じてそれほど危うい箇所は無い。上を見上げると先行している単独がいた。


              一ノ越山荘                                   雄山を仰ぎ見る


 雄山の山頂小屋には
945分に到着。雷鳥荘から2時間半ほどのハイクだった。先ほどの単独氏が三脚を立ててカメラのシャッターを切りまくっていた。切り立った崖の上に立つ雄山神社の眺めは無雪期よりも格段に迫力がある。その雄山神社に足を伸ばして剱岳を展望するが、残念ながら山頂部分がガスに隠れていた。


             山頂までもう一息                           雪に埋まった山頂小屋



雄山神社



剱岳山頂は雲に覆われてしまった


 雄山周辺も急速に天候が悪化しつつあるようで雲底がどんどん低くなってきている。山頂小屋に戻る途中で山崎カールを覗いてみた。とんでもない急斜面の上に、あちこち岩が露出していて、ここからドロップするなどとても信じられない。


山崎カールを見下ろす


 本格的に天候が悪化する前にと急いで下山にかかる。可動領域の狭い兼用靴はスキーブーツよりはマシとは言え、やはりギブスをはめている様なもの。どうしても動きがぎごちなくなる。慎重に、慎重にと繰り返し自らに言い聞かせ、来た道を下った。途中で板を背負った単独女性とすれ違う。あんな剣呑なところから一人でドロップするとは大した度胸だ。

 往復
1時間半にて一ノ越に帰着。荷物をデポした窪みには外人女性を交えたパーティがアイゼンを装着するなど雄山登行の準備をしていた。

 準備万端整えて、お楽しみの滑降開始。天候はどんどん悪化して、空が全体的に暗くなったせいか、スロープの凹凸が判読しづらくなっている。不意に傾斜が変わるのでバランスを崩すし、雪質もめまぐるしく変化するので上手く滑れない。滑降を楽しむには程遠く、単にスキーを使って下山しただけと言った感じ。

 納得いく滑りを求めて、結局称名川の源流付近まで下ってしまったため、シールを貼ってしばらく登り返した。もう一度室堂山を滑ることも当初考えていたのだが、天候回復は望めそうにないので、これにて店じまいに決定。雪が降りしきるなか、一目散に室堂ターミナルへと向かった。


            称名川源流まで滑降                         観光客で賑わう室堂ターミナル         


 今日は滑りに関しては全く納得いかない出来だった。それでも、新たな道具に多少習熟できたこと、それに雄山の頂きに立てたことで合格点としよう。総じて良い一日だった。



行動時間  4時間30

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