2015年1月3日(土)
食べ過ぎ飲み過ぎの寝正月。十年一日のテレビ番組もいい加減飽きたので、山で気分一新することにした。本来なら雪山でバックカントリーを楽しみたいところだが、高速道路は帰省Uターンラッシュでどこも大渋滞。こういう時は例によって近くて良きお山、丹沢を歩くのが最善の選択だ。
夜明け前に自宅を出て電車を乗り継ぎ小田急線の渋沢駅へ。登山客で満員のバスに揺られて登山口の大倉に着いたのは午前7時過ぎ。早速身支度を始める。車窓から眺める畑には雪がかなり残っていた。おそらく元日の強い冬型がもたらした降雪なのだろう。山の上にはもっとありそうだ。念のためロングスパッツを装着して7時20分、大倉を後にする。
大倉には結構雪が残っていた 先行するハイカーをどんどん追い抜く
歩きながら観察すると、登山口界隈の駐車場はどこも満車状態、登山道を歩くハイカーは引きも切らない。どうやら正月を持て余しているのは私だけではないようだ。
大倉尾根を登るに際して実は一つ試したいことがあった。それは塔ノ岳までのタイムトライアル。加齢による体力低下を日々実感しているので、過去の記録と引き比べて実際にどれほど低下しているのか測定してみることにしたのだ。
融けた雪が凍ってよく滑る 木道も要注意
ゆっくり歩きたいハイカーの方々には甚だ迷惑なことながら、最初っから飛ばしてどんどん追い抜いていく。しかし勢いが良かったのは前半だけ。それでなくとも急坂で階段続きの辛い登山道、花立山荘を過ぎる辺りから目に見えてペースが鈍ってきた。
階段で消耗させられる 大倉尾根の名物男 チャンプ畠山氏
半袖ダブルストックの中年氏や若者に追い抜かれ、息も絶え絶えで山頂到着。それでも期待を込めて時計を見ると、結果は何と一昨年11月の記録と同タイムの2時間10分。1年前の体力は何とか維持されているようなのでまずは一安心。あともう少し頑張っていれば記録短縮出来たかもと欲が出るが、それは年寄りの冷や水というものだろう。
塔ノ岳山頂到着 相模湾
また雪が増えたような。。。
それにしても素晴らしい天気。周囲を見わたせば、富士山はもとより南アルプス方面、相模湾の先に浮かぶ伊豆諸島、東京方面の街並みやら、さらにその先の筑波山等々、過去経験の無いほどクリアな眺望だ。しかし遮るもののない山頂は風が冷たく長居はしていられない。軽く行動食を摂っただけで次の目的地、丹沢山へと向かう。
手前が丹沢山、奥が蛭ヶ岳 竜ヶ馬場辺り
塔ノ岳から先は嘘のように静か。南に面した大倉尾根と比べ格段に積雪量も多い。幾つかのピークを越える度に高度を上げながら50分ほどで丹沢山に到着。
気持ちの良い尾根歩き
さてここからどうするか、二度目の行動食を摂りながら次の目的地を思案する。往路を引き返す選択肢もあったが、今回は車のピックアップを心配しなくて良いので出発点に戻る必要がない。煩わしい山蛭のいない季節でもあるし、久しぶりに宮ヶ瀬まで足を延ばしてみるか。そう決めてはみたものの、宮ヶ瀬まで11kmとの標識を目にするとちょっと怯んでしまう。
意を決し、のっぺりした山頂を後に北側斜面を下りだす。雪は一段と深くなり吹き溜まりでは脛まで埋まる積雪がある。雪面の足跡も僅かしかない。大倉尾根とは何という違いだろう。
宮ヶ瀬への道程は遠い うんざりするピークの登り返し
この尾根は長大なこととアップダウンが特徴だが、特に丹沢三峰と呼ばれるピーク越えが辛い。とりわけ中峰へは300m下った後に100mの登り返しで、いい加減うんざりさせられる。ひたすら長く単調な尾根だが、眼下に市街地が広がるほど都会に近いにも関わらず、これだけ歩きがいのある尾根はそうざらにはないだろう。大倉尾根とは対照的にこの尾根で出会ったのは数名だけという閑静さも気に入っている。
宮ヶ瀬湖が見えてきた 降り立った道路は完全凍結状態
宮ヶ瀬まで後2km地点で先行するご夫妻に追いついた。大倉尾根から登ってみやま山荘で一泊したそうだ。雪道は結局途切れ途切れながらも登山口まで続いた。バス停に着くとすぐに本厚木行きのバスがやってきた。何と言う幸運。これを逃すと1時間寒さに震えながら待たねばならないところだった。20kmを越える長丁場ながら、天気にも恵まれて充実した山歩きが楽しめた一日だった。帰路込み合った電車で長時間立たされたのはちょっと辛かったが。。。
行動時間 7時間30分
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