守門大岳BC  新潟県 1432m   百名山    
   

201449日(水)

 よく踏んだり蹴ったりの目にあうというが、昨日はまさにそんな日だった。「踏んだり」は強風に阻まれて越後駒ヶ岳の頂きを「踏んだり」できなかったこと。「蹴ったり」は意気消沈して宿に向かう途中、ネズミ捕りにまんまと絡め取られてしまったことだ。罰金12000円也。山頂に立てないのは自然相手なので諦めもつくが、スピード違反は100%己の不注意と思うと悔しい。

 それでも我ながら能天気なもので、一晩ぐっすり休むと疲労と一緒に不愉快な思いも、きれいさっぱりリセットできた。今日は晴天確約の日、毎シーズン訪れているお気に入りの守門大岳へと向かう。

 宿を早めに発って二分の除雪最終地点に到着。平日のせいか先着の車は
4台だけ。限られた台数分しかない西川沿いの駐車スペースは、今日は貸切状態だ。

 
725分、シール登行開始。放射冷却で雪面は固くクラストしている。橋を渡ってすぐ先の小尾根に取り付くが、ここは意外に急斜面でいつも苦労させられるところだ。今回も、のっけからクトーに頼る。ガシガシと氷化した斜面にクトーの歯を効かせながら尾根へ。


          最高の天気の下、林道を行く                   橋を渡ってうねうねと尾根に向かって進む



           ガリガリの急斜面を登り、、、                         小尾根に取り付く


 暫くは痩尾根を登るが、いつの間にか谷間を縫うようになり、またいつの間にか広々した長峰の尾根を緩やかに登るようになる。何回通ってもこの辺りの地形は複雑でいつも戸惑ってしまう。


        谷間を進んでいるかと思えば、、、                      いつの間にか再び尾根に


 やがて屋根に雪塊を申し訳程度にちょこんと乗せた保久礼小屋に到着。周囲には過去のトレースやシュプールがごまんと有り、この山の人気のほどが偲ばれようというもの。


          フラットな長峰の尾根を歩く                            保久礼小屋


 ここから樹林帯のなかの本格的な登りとなる。三角の頭を少しだけ覗かせたキビタキ避難小屋のご愛嬌は例年通り。樹林限界を過ぎて目の前が雪だけになると、あたかも球体を登るかのようだ。行けども行けども目的地が見通せないため、晴れているのに五里霧中状態。それに照り返しが何とも暑くてうんざりする。


              ブナ林を登る                              キビタキ避難小屋



           先が見通せない登り                          ここまで来てようやく山頂が視界に


 中津又岳の尾根に目を転じるとテレマーカーらしき単独がいた。彼は一旦母川の源頭に滑り込んだ後、中津又岳に再度登り返している。


中津又岳から母川源頭へ滑り降りるスキーヤー



雪庇には大きなクラックが、その向こうに守門岳


 ノンストップで歩くこと
3時間、大岳の頂きにようやく到着。ここから先、中津又岳へは初体験のコースだ。山頂にあったイグルーの廃墟で滑降準備。滑り出す前に大岳山頂から中津又岳への大雪庇が連なる稜線の様子を観察した。先ほどのテレマーカーのシュプールが一本ついているが、大胆にもかなり雪庇の縁に近いところを滑っている。小心者の私にはとても真似できないライン。この先行シュプールより数メーター内側を通ることに決める。


中津又岳への稜線を観察する


 滑降開始。大岳山頂直下のクラストした急斜面をガリガリ言わせながら滑り降りた。中津又岳は遠く見えてもあっという間。最後は若干の上り勾配となるが、カニ歩きであっけなく山頂に立った。ここは前回、時間切れで到達できなかったところだ。


中津又岳より大岳を振り返る


 ここで軽く行動食を摂ってから、目前の広々した尾根を滑り降りる。殆どゲレンデと化し縦横無尽にシュプールのついた登路の尾根とは別世界だ。先行シュプールはせいぜい
3本程度なので無木立の広大なバーン上では無きに等しい。白無垢のザラメ滑りは快適そのもの。例によってスキーが上達したかのような錯覚に陥ってしまう。


            最高のザラメを楽しむ                           無木立からツリーランへ


 樹林帯に入ってから
2人組のスキーヤーとすれ違った。下の方に真新しい熊の足跡があったとかで、ジャラジャラ鈴を鳴らし、おまけに大音量のラジオもつけていた。これでは冬眠中の熊もびっくりして目覚めてしまうのでは思うほど。


            母川へと降り立つ                               点発生の雪崩



今回も楽しませてもらいました


 その後は適当なところで尾根から母川へと滑り降りて保久礼小屋へと帰り着いた。ここからは、板を担いで長峰への登り返し。最高点と思しき辺りで再びスキーを履いて下降を継続する。消化試合と思っていたら大間違い。朝クトーでクリアした急斜面を下降する際に大きな雪割れに気がつかず、あわや穴に転落しそうになる。山スキーは最後まで気が抜けないのだ。

 ともあれ
125分に無事出発点に帰着。短時間ながら山スキーを十二分に堪能させてもらった。素晴らしき守門のお山万歳!


行動時間 4時間40


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