暑寒別岳  1492m 北海道    二百名山  
 

201578(水)

 連日雨模様の関東周辺の山に背を向け、今夏も北海道へと足を伸ばした。今回一番の目玉は、昨年足指を痛めて雨竜沼湿原の散策に甘んじただけで終わった暑寒別岳への再挑戦だ。

 最も割引率の高い格安航空会社の早朝便に搭乗し、午前
830分に新千歳空港に降り立つ。ネットで予約してあったこれも格安のレンタカーを借りて、北の大地の旅がスタートした。今回は昨年の雨竜沼とは、まるっきり反対側の増毛町から暑寒別岳にアプローチするつもりだ。

 天気も良く時間もあることなので小樽に立ち寄って市内をぶらぶらしたり、風光明美なホロロンラインをゆっくり流しながら日本海沿いを北上した。


        立派で手入れの行き届いた暑寒荘           駐車場には私の車だけ。。。。


 増毛町で早目の夕食を摂り、本日の宿、暑寒荘に到着。広い駐車場にあるのは、ポツンと私の車だけだ。この大きな山荘に今晩は一人きりかと少々心細い思いをしていたところ、夕刻になってもう一人がやってきた。大阪から来られた方で、バイクにテント装備一式を積み、もう一月も北海道の山巡りをされているとのことだ。私も若かりし頃、似たようなことをした経験があるが、この方は御歳何と
68歳。自動二輪の免許も還暦を過ぎてから取得したらしい。

 こうしたスーパーシニアからは、いつも元気と活力の御裾分けを頂いてしまう。色々と有益なお話を伺うことができたし、お陰さまで独り寝の寂しさも紛らわすことができた。



201579日(木)

 午前3時起床。北海道の朝は早いとはいえ、この時間ではやはりまだ薄暗い。手早く朝食を済ませ、午前340分に山荘を後にする。

 ミズナラなどの大木とその下草の笹が鬱蒼と茂った原生林の中は、どこかに羆が潜んでいそうで余り気持ちの良いものではない。小さな熊鈴だけでは心もとないので、時折無用な咳やくしゃみをしたり大声を発したりして歩く。


          鬱蒼と茂った林の中を行く              つつじヶ丘を過ぎると景色がちょっとだけ


 尾根筋に出るまではやや急坂で息が切れたが、その後は延々と続く緩斜面となり一息。登山道の整備状況は、とても良好で歩き易いが、北海道の道路同様、どこまでも一直線で単調至極。背の高い笹に阻まれ、景観が無いのでなおさらだ。しかし、それも一時のこと、二合目のつつじヶ丘まで来ると、所々に残雪を頂いた山頂付近が遠望できるようになってきた。

 陽が昇ると虫の活動も活発になる。立ち止まると顔の周りをぶんぶん飛び回り、落ち着いて休憩することもままならない。そこで自家製のハッカ油スプレーをザックから取り出す。これを首筋など身体の露出部分や帽子に噴霧すると、あれほど煩かった虫は身をひそめてくれた。雲散霧消とまではいかないものの、一応の効き目はあったらしい。心地よい清涼感もあるので一石二鳥だ。


          6.2Km歩いてようやく五合目             ロープのかかたガレ場     


 五合目辺りになると登山道は斜度を増し、急なガレ場が出てきたりしてやっと山らしくなってきた。七合目の滝見台まで来ると、ようやく行く手の山並みの全貌が一望できるようになった。


             展望が開けて来た                滝見とあるが滝は見当たらず


 八合目からは愈々最後の急坂だ。ロープの下がったガレ場を一直線に登って行く。登り切った所が九合目。ここで箸別コースと合流する。ちょうどこのコースを登ってきた若者と一緒になった。彼はこのまま雨竜沼へと縦走し、途中で逆方向を辿る友人と落ち合うのだそうだ。おそらく車のキーを交換して帰りの足を確保するのだろう。


行く手には若干のアップダウンがある



八合目 山頂までもう少しの頑張り



              ガレ場を直登                 箸別コースから合流した若者



             お花畑が続く                  山頂到着


 あちこちに散在するお花畑を愛でながら歩き続け、
75分に山頂に立った。この頂きからの眺めは文句なしに絶品。まず目をやったのは、南暑寒別岳の先に光る雨竜沼の湿原。ここからではうかがい知れないがエゾカンゾウ等の花が咲き乱れて多くのハイカーで賑わっていることだろう。


雨竜沼湿原



群別岳?



利尻山遠望


 雲海上に浮かぶ彼方のスカイラインは、おそらく大雪から十勝にかけての山並みだろう。日本海には、利尻山の山容もくっきり見えている。視界にある人工物は留萌の市街地だけ。それ以外は、どこまでも続いているかのような自然の造形物だけだ。




 きりがないので、そろそろ重い腰を上げて下山を開始する。先ほどの若者から箸別コースを
100mほど行ったところに見頃のお花畑があると聞いていたので、ちょっと寄り道してみることにした。なるほど美しいお花畑。ここでも良い目の保養ができた。

 分岐に引き返して暑寒沢ルートの下山を続行。往路を辿るだけなので新たな発見もあるわけではなく、忍の字で高度を下げていくのみだ。八合目へ向かう途中、山荘でご一緒したスーパーシニア氏と出会った。風邪気味とのことだったが、そんなことは全く感じさせないしっかりした足取りだ。

 彼に別れを告げ再び下山を続ける。途中でそれぞれ単独の男女数名と行き会ったので、本日この暑寒沢コースには
8名ほどが入山したということになる。


             緑が眩しい                    暑寒荘に帰着


 10
20分に暑寒荘に帰着。昼間だけ滞在するという管理人さんから色々お話を伺った。曰く、暑寒別岳が一番賑わうのは5月の春スキーの時期。この大きな暑寒荘も寝る場も無いほど込み合うのだそうだ。

 山荘にデポしていた荷物を引き取って車に積み込み、再びハンドルを握る。次の目的地は富良野だ。途中増毛町で食したコストパ抜群で取れたて食材満載の海鮮ちらし寿司が最高に美味で、山と海の両方を思う存分満喫できた北海道の旅、二日目だった。


行動時間  
6時間40


Map
 Track Weather  Map 
  トップ                              山歩き 
inserted by FC2 system