2799m 長野・富山県 | |
2013年8月18日(日) 先々週の山で痛めた腰がようやく癒えたので性懲りもなく重いテント装備一式を背負って北アルプスを歩くことにした。本当は赤牛岳に登りたかったのだが、膝や腰に不安を抱えて長丁場の読売新道を歩く自信が無かったので次の機会とした。 今回はもっとお手軽に、扇沢を起点に針ノ木雪渓から蓮華岳に登り、針ノ木峠に泊まって翌日針ノ木岳から柏原新道経由扇沢までぐるりと周回するつもり。針ノ木岳やスバリ岳にはスキーで登っているが、雪の無い滑降地点がどのような有様かにも大いに関心がある。 早朝5時10分に無料駐車場を出発。前回とは違って背中にスキー板が無いので頭上の枝を気にする必要がない。迷わず車道をショートカットできる登山道を歩く。
しばらくすると道は篭川を大きく高巻くようになる。今年5月には、ここで夏道を見失ってブッシュの中を右往左往したが、そんなことが信じられない位スムーズに大沢小屋に着いた。春は遠くからでも眺めることが出来たのに、夏は深い緑に囲まれてひっそりと佇む地味な小屋だ。
大沢小屋を通り過ぎて左岸の登山道をしばらく登って行くと、樹林を抜けだして展望が開けてきた。ここから針ノ木雪渓の全体像が見渡せる。
ほどなく雪渓の末端に到着。標高は1850m辺りであろうか。ここに架けられた丸木橋を渡って対岸の雪渓に上る。この橋は数日前に針ノ木小屋のスタッフが造ってくれたのだそうだ。ここにいたハイカーは皆さん、簡易アイゼン装着に余念が無い。
私はキックステップで歩く(余裕があるからではなく単にアイゼンを忘れただけ(^_^;))。幸いスプーンカットが発達しているし小枝や石が散乱しているのでスリップの心配は無かった。木の根や石跨ぎのある山道より、かえって歩き易いくらい。
小さな鯉幟を目印に夏道に戻ってしばらくするとマヤクボ沢の出合いに着いた。上部に少し雪が残っているが、前回ここで遊ばせてもらった天然のスキーゲレンデとは中々イメージが重ならない。それに雪が無い方が随分と急勾配に見えるのでなおさらだ。
針ノ木峠に向かって登っていくと最終水場の標識があった。ここで水を3リッター分の容器を満タンにしておく。9時10分、扇沢からちょうど4時間で針ノ木峠に着いた。
早速小屋でテント泊の手続きを済ませて指定されたサイトに行く。少し高みにある小屋からは一番離れた場所だった。しかも若干の傾斜地。せっかく一番乗りしたのに条件の良い造成地を選べず残念だが、それが小屋の方針である以上仕方なし。 テントを設営し終わった頃、すぐお隣で単独男性が新築を始めたので挨拶しておく。私の方は蓮華岳ハイクの準備にかかる。ザック上部の覆い部分を外してウエストポーチに変身させ、ランチやカメラなど携行品を詰め込んで準備完了。オスプレイの60Lザックは名前こそ悪いがなかなかの優れものなのだ。
蓮華岳山頂は峠からすぐに見える高みかと思えば大間違い。それは2754mピークで実際の山頂はそのずっと奥にある。この最初のピークまでは急な登りが続くが、その後はダラダラの稜線歩き。50分ほどで蓮華岳の頂に立った。今年5月にチャレンジした際にはスバリ岳で力尽きて空振りに終わった山頂なので感激もひとしおだ。
今日は下山の心配をしなくても良いのでリラックス。ランチを済ませた後は、地図と見比べしたりしながら、のんびりと景色を眺めて過ごす。なかでも目の前の北葛岳に向かって伸びる尾根が印象的だ。途中から大きく落ち込んでいて見るからに難路。蓮華の大下りと言われる所以も肯ける。
どんなにのんびりしようとしても半時間ほどで腰を上げてしまうのはせっかち男の哀しさ。時間はあり余っているのに、さっさと下山を開始してしまう。テントに帰着後はビールを飲みながら絶景を眺めたり、読書したりして今度こそまったり過ごす。例によって早目の夕食をとって第一日目は無事終了。 行動時間 7時間5分 二日目へ続く |