小河内岳  烏帽子岳  2802m・2726m 静岡・長野県      
 

20158月8日(土)

 足の巻き爪治療でしばらく山歩きはお預け。どうやら昨年夕張岳でダメージを受けた爪母の後遺症らしい。ちなみに私自身の医療費の殆どは山での怪我に起因する出費。元気な証拠と言えば言えるのだろうが、ずぼらとオッチョコチョイの証明とも言えそう。

 ともあれドクターのお許しが出たので、前回同様、百高山狙いで再び南アルプスへと向かうことにした。前回は赤石山脈の東側、今度は趣向を変え、西側からアプローチするつもりだ。

 午前零時に自宅を出発、深夜の高速、曲がりくねった大鹿村の山道をとばして午前
4時半に鳥倉に着いた。決して狭くは無いはずの駐車スペースは夏山最盛期の週末とあって既に満車状態。暗闇の中をしばらく右往左往すると、ゲート近くに運よく1台分の空きがあった。


           登山口 ここで登山届提出            少し陽が差してきた 


 夏山は早出が肝心、急いで支度をして
445分、車止めのゲートを後にする。舗装道路をウォーミングアップがてら40分かけ、ゆっくり歩いて登山口に到着。そこにいた中年二人組より一足先に山へと分け入る。

 出発点が標高
1500mを越える高地のせいか、少々オーバーペース気味だったせいか、息切れが中々治まらない。それにしても鳥倉ルートは実に良くできた登山道だと思う。ペースを狂わせる急坂やアップダウンも無いし、殆ど全行程にわたって適度な勾配を保つ道がつけられている。小沢やガレ場に架けられた滑りやすい木製梯子も単調さを救ってくれる格好のアクセントだ。


          分かりやすいマイルストーン            これも単調な山道のアクセント



            水は細いが甘露                 塩川ルートは相変わらず閉鎖中


 途中で一人、尾根筋に出たところで休憩中の
2パーティに追いついたが、皆申し合わせたように60L超の大荷物を背負っていた。長期の小屋泊やテント泊の登山者が圧倒的多数のようで、この日の全行程を通じて、私のようなデイパックで歩いている者は数えるほどしかいなかった。


      表現が微妙な「日本一高いと言われる」峠        テント場も盛況


 スタートから
2時間30分で三伏峠に到着。先が長いのでノンストップで烏帽子岳へと向かう。塩見岳方面との分岐を過ぎると、間もなく金網で囲われたお花畑に出た。中は一面、薄紫のマツムシソウが咲き誇っていてそれは見事なもの。金網越しにしか眺められないのは少々残念だが、獣害、人害色々あるだろうし植生保護のためにはやむを得ないのだろう。


       柵で囲われたお花畑の中は、、、            マツムシソウが満開


 稜線に出るとハイマツの中を登山道が烏帽子岳山頂へとまっすぐ伸びている。胸を突くような急坂を登り切ったところが標高
2726m、日本百高山86番目の山頂だ。


         ハイマツの中を登る                  烏帽子岳山頂


 正面には避難小屋を肩に乗せた小河内岳、そのバックには荒川三山も頭を覗かせている。後ろを振り返れば堂々たる塩見岳の雄姿。その背後には甲斐駒ケ岳、北岳や間ノ岳など南アルプス北部の主峰も一望できる。


小河内岳(手前右)と荒川三山(背後)



塩見岳


 ゆっくりしたいのは山々だが、伊那側から雲がどんどん湧きたっているので気が気ではない。先を急ぐことにする。山頂や稜線がガスに覆われるのも時間の問題だ。

 稜線の西側は急峻なガレ場となっているが、足元に気をつけていれば済むだけで格別の危険個所は無い。
50mほど下ってから170mを登ると前小河内岳に着く。山頂には大荷物を背負った二人組の姿があった。今日は高山裏までの予定だそうだ。


           前小河内岳への登り               前小河内岳より小河内岳を望む


 前小河内岳からは
100mほど下って登り返し。途中巨大なブルーのザックを背負った大学生の一群を追い抜いて、920分に小河内岳の山頂に立った。本日2座目の百高山だ。


             小河内岳山頂                 英文名は「おごうち」ではなく「Kogochidake」?



               避難小屋                  荒川三山は目の前



塩見岳を振り返る


 大日影山は既にガスに飲み込まれ、正面に聳える荒川三山にもガスが掛り始めている。タッチの差で辛うじて間に合った。夏山で景観を楽しもうとするなら、やはり午前
10時までが勝負のようだ。

 雄大な景色を飯の菜にして帰路に必要なカロリー補給。山頂滞在は
15分で切り上げ回れ右する。伊那側から押し寄せるガスで帰路は既にガスの中だ。自ずから山の景色より高山植物に目が行くようになる。中でも気を引いたのは、地味な色合いのトウヤクリンドウ。夏の終わりから秋にかけて咲く季節を告げる花。8月に入ったばかりというのに山はもう秋が始まっているのだ。


          秋を告げるトウヤクリンドウ            マツムシソウ


 アップダウンにうんざりしつつ三伏峠に到着。途中に水場があることは分かっているので、ここで持参の水
2リッターを最後の一滴まで飲み干した。


         塩見岳に別れを告げ下山開始           下草の緑が眩しい


 
1130分、山々と峠に別れを告げて下山続行。この時間帯が三伏峠小屋宿泊者の一番のピークのようで、引きも切らず登って来る登山者とすれ違う。最後はうんざりする林道歩きを経て125分に駐車場に帰着。心地よい疲労感に達成感。これだから山歩きは止められない。往復600Km近いドライブと高速の渋滞さえ無ければ言うこと無いのだが。。。


行動時間  
8時間40(+運転10時間)



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