乗鞍岳  長野・岐阜県 3026m    百名山 

  

2010822

 昨日は笠ヶ岳を終えた後、新穂高から安房峠経由で乗鞍高原にやってきた。安房峠はメインルートから外れていて対向車もほとんど無いようなつづら折れの山道の途中にある。期待していた峠からの穂高連峰の展望は霧で何も見えず、まったくの無駄足になってしまった。寄り道したため、乗鞍高原へは日暮れ前ぎりぎりの到着となった。ここはいかにも高原らしいムードに溢れた気持ちのよいところである。鈴蘭地区の観光センター前の広大な駐車場を今夜のねぐらにすることにした。明らかに車中泊とおぼしき車が多数とまっている。大はキャンピングカーから小は2シーターカーもある。天井やリアに自転車を積んだ車も多い。翌週に乗鞍岳ロードレースが開催されるとかでそのリハーサルに来ているようだ。隣近所では夕餉の支度をしている人達がいた。私は道すがら食事を済ませて来たので缶ビールを飲みながら夕暮れの乗鞍岳をのんびり眺めて過ごした。朝日岳で悩まされたような不快な虫もおらず、適度に涼しくてとても快適だ。睡眠不足と笠ヶ岳登山の疲労からその夜は泥のように眠った。眠ってしまえば高級ホテルも狭い車内も一緒だ。翌朝は4時半に気持ちよく目覚めた。ゆっくりラーメンの朝食を摂った後、畳平行き始発バス乗り場に並んだ。



快適な駐車場(下山時撮影)



 
バスで山頂近辺まで登ることは、自分のスタイルとは相容れないが、今日は目をつぶることにする。乗り込んだバスは低公害ハイブリッド車で運転手さんのガイドつきである。つづら折れの道をどんどん登りあっという間に畳平に着いた。今日も素晴らしい快晴だが、日が高くなるにつれて時間とともにガスも上がってくるのだろう。楽をした分、少しでも汗をかこうと急ぎ足で乗鞍岳山頂へと向かう。


畳平



剣が峰へ向けて歩きだす



雲海に浮かぶ山々(南ア方面と思うがよくわからない)



剣が峰が見えてきた



 
途中、観光客やジジババの集団登山客の迷惑を顧みず、ごぼう抜きして剣ヶ峰に着いた。短い距離でも精一杯歩こうという健気な努力で少々汗をかいたが、百名山一つクリアの達成感が得られたとまでは言えそうにはない。でもまぁ良しとしよう。山頂に至る過程はともかく剣ヶ峰からの眺めは文句なしに素晴らしい。北方には昨日登った笠ヶ岳を始めとして北アの名峰が北から南まで須らく一望できる。反対側には御嶽山のどっしりした山容が雲海に浮いている。東側には八ヶ岳や中央アルプスも遠望されるが、逆光でもあり個々の山までは特定できなかった。素晴らしい景観を十二分に楽しんで下山する。



山頂にて、とこかく人がたくさん



北ア方面のながめ



前日登った笠ヶ岳



御獄山



 畳平のバスターミナルでは係員が
3日連続で熊が目撃されたことから立ち入りが禁止されていた魔王岳の禁止解除をアナウンスしていた。ちょうど1年前の9月に同じ魔王岳から駆け下ったツキノワグマが畳平にいた観光客ら9名に重軽傷を負わせた事件があったことは記憶に新しい。人間が騒いだのとバスに接触したことで熊がパニック状態になったことが惨事の原因とのこと。しかし人間が後から彼らの生活圏に入り込んだわけで獣害と片付けては可哀そうだ。熊は先住民なのだから。午前105分発のバスで鈴蘭地区の観光センターへと戻る。すぐに着替えを済ませて一路東京へと向かった。これだけ早い時間帯であれば中央道の渋滞は避けられると計算していたが、甘かったようだ。同じ思いのドライバーは沢山いたようで小仏トンネル手前で15kmの渋滞に嵌ってしまった。

行動時間    2時間10分
歩行時間    1時間40分
標準CT     3時間15分


一日目   二日目     
笠ヶ岳   乗鞍岳      
 
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