キリマンジャロ登山  (2012年9月)               

 


 百名山を完登した後は山スキーに精を出したり、二百名山をコツコツと登ったりしていたが、今ひとつ目標を見失なったような喪失感が否めなかった。そんな時にふと目にした山の
HPにキリマンジャロの登頂記録があった。読み進むうちにしかるべく準備さえすれば、自分にも手が届くのではないかとの思いが募ってきた。アフリカには予てより行きたいと思っていたし、この際、キリマンジャロ登頂を次の目標にすることに。時期は気候が良いとされる9月に決定。その後はマイルストーンを決めて旅行社探しや航空会社の選定、高山病対策のスタディ、登頂記録や装備品のチェック、エアチケットの予約、ケニアやタンザニアの領事館に出向いて査証の入手等々、準備に没頭した。やるべきことは沢山あり、凡そ4ヶ月の準備期間はあっという間に過ぎていよいよ本番となった。

 計画した旅行の日程は次のとおり。

99        成田発ドーハへ
910       ドーハで乗り継ぎナイロビ着。市内のホテルに宿泊


911       シャトルバスで国境を越えてタンザニアへ。登山口近くのナカラホテルに宿泊


912       マラング(登山口)からマンダーラハット(2729m)


913        マンダーラハットからホロンボハット(3720m)


914        ホロンボハットに滞在して高所順応
915        ホロンボハットからキボハット(4703m)


916        深夜にキボハットを出発。山頂を往復してホロンボハットへ下山


917        ホロンボハットから下山。マラング村のホテルに宿泊
918        専用車でケニアのアンボセリ国立公園に向かいサファリツアー


919        午前中サファリを楽しみ夕刻ナイロビ空港よりドーハに向け出発
920        成田着

 結論から言えば、全て予定した通りにことは運び無事に最高点のウフルピーク5895mに立つことができた。以下準備段階も含めて簡単にあらましを纏めてみた。

旅の準備

旅行社選び
 ツアー会社大手の企画による団体パッケージツアー、旅行社を通じての個人ツアー、現地旅行社との直接契約等々、色々な方法がある。私の場合、型にはまった団体ツアーが性分に合わないのと、日程等の自由度に欠けるので、オーダーメイドの個人ツアーとした。一人だけなのでどうしても割高になるが、それでも団体パッケージツアーよりも遥かに安かった。ちなみに私がお願いしたのはこちらの旅行社。

登山ルート
 大別すれば、山小屋を泊まり歩く最もポピュラーなマラングルートとテント泊を前提にしたアップダウンのあるマチャメルートがある。軟弱な私は迷うことなく前者を選んだ。

高度順応
 キリマンジャロは登山道や山小屋が整備されており、言ってみれば夏富士に登るようなもの。唯一の違いは標高6000m弱の高山であることだけだ。高所順応が登頂の成否を分けていると言って過言ではないように思う。私の場合以下の対策を行って臨んだ。
基礎体力の強化
トレーニングジムにできる限り通ってトレッドミル歩行。時速5kmのスピードでかつ角度をつけて毎回約500m相当を登ることを心がけた。それと水泳。心肺能力の強化に一定の効果があったと思う。
国内での実践的トレーニング
北アルプスでの長距離、長時間歩行(烏帽子岳)や富士山(御殿場口から)で高所トレーニングを実施
現地での高所順応
ホロンボハットに延泊する余裕の日程で予定を組んだ。
ダイアモックス
もともと緑内障の治療薬だが、呼吸中枢を刺激して酸素の吸収力を高める働きがあるとのこと。効果には賛否両論があるのだが、ダメ元でもすがろうとネットを通して入手。私の場合、マンダーラハット出発時点より250mgを朝夕二回服用した。結果的に頭痛や嘔吐といった高山病の症状に苦しむことは無かったので一定の効果はあったのではないかと思っている。もちろん事前に主治医の了解を得た上で使用した。

こちらはダイアモックスの効能について参考記事。
装備
 基本的には日本の夏山と冬山装備一式。雪山では無いのでアイゼンピッケルの類は不要。登頂当日は高高度の上、深夜から明け方の冷え込む時間帯に活動するため、それなりの防寒対策が必要。零下10度前後なので冬期の八ヶ岳登山を想定しておけば問題ない。私が持参した装備の一覧表と実際に使用してみての有用度の評価はこちらから。


登山記録編

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