鹿島槍ヶ岳 五竜岳     百名山
 

20138月9(金)

一日目より


 昨晩は慣れないテント泊ながら、まずますの睡眠をとることができた。問題はその後。朝食を終えてテント内を片づけていると何やら腰に違和感があるのだ。シュラフを丸めたり前屈みの姿勢をとると鈍い痛みが走る。それでも何とかテントをザックに収納し背負うともういけない。

 
510分、腰の鈍痛に耐えながら歩き始めたが、一歩一歩が苦痛そのもの。それに天気も最悪、雨交じりの濃いガスで視界も殆どない。幸い膝は大丈夫だが、こんな状態ならいっそ赤岩尾根でも下山してしまおうかと弱気になる。ところが不思議なことに動いているうちに潤滑油が腰に回ったのか、少し楽になってきた。

 天気も悪いし、足元と腰に神経が集中しているので周囲に咲く美しい花々はろくに目に入らない。こんなに辛い山歩きは久しぶりだ。


       ガスガスのテント場(テントはお隣のもの)                花に目をやる余裕もなくひたすら歩く


 
1時間40分ほど黙々と歩き濃霧の鹿島槍ヶ岳南峰に着いた。山頂は強風に濃いガス。こう天気が悪いと山頂も単なる通過点だ。そのまま吊尾根へと向かう。ところが登りでは治まっていた腰がまた痛み始めた。山頂直下は鎖や梯子のある激下りなので体を伸ばしたり縮めたりと動作が大きくなったせいだろうか。


               ガスに煙る山頂                             吊尾根北峰分岐


 膝の故障が治ったら今度は腰かよ、歳は取りたくねェと文句と脂汗を垂れ流しながら、ゆっくりゆっくり下り続けた。鹿島槍北峰との分岐に辿りついたが、とても北峰に寄る気力が湧いてこない。前回も北峰をパスしてしまったので今度こそと思っていたのだが、それどころではない。今回もパス。唯一の救いはキレットが近くなるにつれて天候が回復してきたこと。ガスの合間から覗く景色が少し元気をくれた。


             少しづつ視界が回復                             五竜岳方面も


 細かなアップダウンを繰り返しながら下り続け、ボトムのキレット小屋で精魂尽き果てて小休止。ザックを降ろし曲がった腰を伸ばそうと、上半身を起こした途端ウッと思わず声がもれるほどの激痛が。。。これまた不思議なことに、これで嘘のように痛みが治まってしまった。わが身ながら一体どういう身体メカニズムなのだろう。ついでに栄養補給して血糖値が上ると何とか五竜岳まで歩けそうな気がしてきた。


              キレットへの下り                             すれ違った登山者


 ザックを背負って再び歩きだす。所々鎖場があるが、殆ど登り一辺倒なので腰には優しかったようだ。同じテント場をほぼ同時に出発した若者と抜きつ抜かれつしながら、左程痛い思いもせず歩き続け、午後
110分に五竜岳山頂に立った。


             キレット小屋を出発                            天気はどんどん回復



五竜岳がついに姿を現した



鹿島槍にはまだ雲がかかっている



剣立山も復活



             五竜岳までひと頑張り                           ここからが長い



越えてきた稜線を振り返る



              やっと着いた                            今日の目的地 五竜山荘



久しぶりの白馬方面


 山頂にはツアーのオバサン達がいてその中の一人がこれで百名山達成ということで仲間から祝福されていた。私にとっては二度目の山頂だが、別な意味で感慨深い。体がボロボロでも鹿島槍ヶ岳と五竜岳の二山に登れたことが素直に嬉しい。

 達成記念のバナーを取りだして写真撮影に余念のないオバサン達を後にして下山にかかる。早く下ってゆっくり休みたいのが正直な気持ち。ところが、険しい岩場を切れ目なくハイカーが登って来るので待たされてばかり。

 
1430分にようやく五竜山荘に到着。早速今晩の我が家を設営する。このテント場は風が強そうなのでペグをきちんと打ち込み、更に石で補強しておいた。後で手抜きをしなくて良かったとつくづく思うシチュエーションになったのだが、その顛末は後述。

 昨日とは違って遅い時間に到着したので時間を持て余すようなことは無く、ビールとつまみ、その後の夕食と片付けと一通りのルーチンワークを終えた頃には
6時近くになっていた。今日も早々とシュラフにもぐり込む。周囲にはいつの間にかテント群が新築されているものの、風で煽られた布地がばたついているので煩わしい会話も聞こえてこず好都合、とその時は思っていたのだが、それも度を過ぎると。。。後で泣くはめに。


行動時間  9時間35


三日目へ続く


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