唐松岳BC  長野県 2696m             
 


2019年12月25日(水)

 2年ぶりの唐松岳BC。前回は辛うじて山頂からの滑降を成し遂げることができたものの、正直なところ体力的にも技術的にも一杯一杯だった。歳も歳だしもう次は無いものと内心整理がついていた、、、はずなのだが、シーズン中に一度あるか無いかの絶好な登山日和とのKさんの甘言に乗せられ、決心が揺らいでしまった。止せばいいのに再び八方尾根に向かったのだった。。。

 ゴンドラアダムの乗り場前の駐車場から眺めるゲレンデには驚くほど雪が無かった。この時期の八方尾根の雪は例年少ないとは言われているものの、今冬の寡雪ぶりは尋常ではない。ゴンドラから眺める頚城の山々も悲惨だ。白さが目立つのは火打山くらい。高妻山に至っては藪が勝って真っ黒だ。

 ウサギ平からリフト二本を乗り継いでスキー場最上部へ。リフトこそ動いてはいるもののグラートコースは小雪のため、滑走禁止になっていた。しかも、下りリフトの運航は午後3時まで。これを知って弱気の虫が囁く、「今の私には山頂を極めるのは無理かも知れない」と。

 八方池山荘前でシールオンし、8時30分ハイクアップ開始。先頭切って歩き出したものの、後続の若い衆にどんどん抜かれる。そのうちの一人が何と2ヶ月前に栂海新道をご一緒したOさんだった。彼は安曇野に移住した山岳ガイド。相変わらず元気に北アルプスを駆け巡っているらしい。今日は無名沢に向かうとのことだった。


ハイクアップするKさん


下ノ樺が見えてきた




ラッセル頑張るKさん

 私の方は相変わらず亀の歩み。Kさんには申し訳ないことに、どうにもペースが上がらない。新たに導入したお手製のヒールリフターもトラブって役に立たないため、急斜面で立ち往生する場面も多くなった。無理にペースを上げようとすると息は乱れ、心拍数も跳ね上がってしまう。酷いときには170を越えてしまう有様。運動負荷はもはや私の心拍数限界を越えている。

 これ以上Kさんの足を引っ張るわけにはいかないと、2361mピークを越えた辺りで私にかまわず先行してもらうことにした。その後情けないことに普段鍛えていない太腿の内転筋が両足とも攣りだし、私のペースは更に低下。足に負担のかかるシール登行を諦め、アイゼンに換装。痩せ尾根に差し掛かる前、丸山を越えた平坦地にスキーをデポしておくことにした。

 しばらくアイゼンで頑張ってみたものの、攣った足の痛みは治まらない。これ以上の無理は禁物と標高2520mで白旗を揚げ、DNFとすることにした。Kさんには無線で連絡し、一足先に下山する旨を告げて滑降開始。心配した脚は何とか滑走には耐えられそうだ。




左手のピークまで登った所で撤退


頚城の山々


  基本的には登路を忠実に戻るが、時間的余裕も出来たことなので、2361mピークを南側から巻いた後は登路を外れ無名沢源頭部を滑降してみた。陽の当らない北斜面にはパウダーたっぷりで、不甲斐ない登りの鬱憤を晴らすかのように存分に滑降を楽しむことが出来た。




気持ちの良いスロープだが、、、


スキーカットで雪崩た跡も


尾根道に復帰


 斜度が緩んだ所で滑降停止。シールオンして稜線へと登り返した。その後は稜線を外さず、八歩池山荘まで滑降し本日のBCを無事終えたのだが、試練がまだもう一つ。グラートクワッドを降りた後に待ち構えていたのはカリカリのこぶ斜面。ウサギ平までの滑走で疲れた足に完全に止めを刺されてしまった。

 今日は途中敗退という情けない結果となった。思うに敗因は二つ。一つはこの2か月間、別のホビーにかまけて余り山を歩いていなかったこと。山脚、スキー脚(特に内転筋)、どちらも満足に仕上がっていなかった。もう一つは加齢。無雪期には軽装で歩けるのである程度年齢の誤魔化しがきくが、冬山装備一式の重荷に兼用靴とスキーの足枷が加わるとそうはいかない。やはり十分トレーニングを積んだ上で時間的余裕を持って歳相応の山域に向かうというのが筋なのだろう。ま、それでも今日のところは、大パノラマとパウダーランが楽しめたので良しとしておこう。


行動時間 5時間20分



  
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