2015年1月14日(水)
先ごろボーダーの遭難騒ぎがあった神楽ヶ峰。リフトを活用してお手軽にバックカントリーを楽しめるところだが、天候次第では手強い山に変身する。私も前回訪れた際には深雪のラッセルを強いられ、山頂を目前にして引き返す羽目になった。ずっと続いた冬型の気圧配置もようやく緩み、晴天の予報が出たのでリベンジがてら再訪することにした。
いつものようにシニア半日券を買って朝一番のロープウェイに乗り込む。みつまたスキー場の最上部へと向かうゴンドラから眺める山々は白一色。前回はまだ藪が完全に埋まっておらず、白地に薄茶を塗したパステルカラーだった。
第五ロマンスリフトの運転開始は9時半からとのことなので、待ち時間を利用して3本ほどオフピステで足慣らし。先週ゲレンデ特訓で痛めた膝が少々疼くのが気になるが、潤滑油が回ればまず大丈夫だろう。
出発準備をする大勢のスキーヤーやボーダー 3番手でスタート
運転開始と同時にスキー場最上部へと向かう。待ち構えていたパトロールの係員に登山届を提出し、3番手でハイクアップスタート。前日のトレースは風ですっかりリセットされたのか、雪面はきれいなものだ。トップを行くスキーヤーと2番手のボーダーは中尾根の方に向かっている。私は彼等のトレースから外れ、まっすぐニセ神楽を目指すこととする。
ニセ神楽を目指してラッセル
雪面は風と太陽にパックされていて、せいぜい足首程度のラッセルで助かる。登るには具合が良いが、ふかふかのパウダーランという訳にはいきそうにない。ちょっと残念。
カッサダムを望む 下降予定の尾根
神楽ヶ峰山頂と苗場山 モンスター達が面白い
ニセ神楽へは左側から回り込んで頂きに立った。ここでド迫力の苗場山と久しぶりのご対面。稜線の西側にはモンスター達が神楽ヶ峰のピークへ向かってずらりと整列している。本殿のピークを守護する近衛兵といった感じで面白い。
鳥甲山 その右奥に黒姫山や妙高山
神楽ヶ峰の山頂をめざす 色々想像を掻き立ててくれるモンスター達
ニセ神楽からは吹き溜まりが大きく波打つ稜線を避けて直下を進み山頂を目指した。山頂到着は10時40分。リフト降り場から僅か50分しかかかっていない。振り返ると私のトレースに追随するのは2人組の1パーティだけ。一方遥か中尾根の方に目をやると蟻が砂糖に群がるように賑わっている。ピークに拘る「山や」は極マイノリティということだろうか。
山頂より振り返る 日本海がくっきり
それにしても今日は無風快晴の稀にみる素晴らしい天気。この時期いつも雪雲に閉ざされている新潟県の山々には雲ひとつないし、日本海までクリアに見渡せることはめったにないことだ。
絶景を堪能した後はお楽しみタイム。シーフオフして滑降を開始する。山頂直下は吹き溜まりでふかふか。しかしその先はガチガチのウインドクラストと雪面の状態はめまぐるしく変化する。一旦来た方向に戻ってから田代エリアへと通じる尾根を滑降する。パックされた雪面はややモナカ状態になっているところもあり、私の足前ではスキーの取り回しが中々大変だ。
尾根の途中から 谷川岳から平標山まで上越の山々のオンパレード
電波反射板の先は一枚バーン。ここは勢いをつけて数ターンで一気に滑り降りた。雪質は重パウダーだが、それなりに面白い。バーンの後は狭い谷間を抜けて田代スキー場のリフト脇に出た。これにて本日のBCはあっけなく終了。ここから連絡道をたどってみつまたスキー場へと戻る。
快適な一枚バーン そこにあるのは自分のシュプールだけ
時間があるのでオフピステの練習でもするかと、再び第5ロマンスリフトを目指すが、何と正午で運転終了とのこと。仕方がないのでジャイアントコースでしばらく遊んでから帰宅の途に着いた。お手軽過ぎて山歩きの充足感は得られなかったものの、心配していた膝は健気に持ちこたえてくれたし、景色も思う存分堪能できて申し分のない一日だった。
行動時間 1時間30分+ゲレンデ練習+膝リハビリ
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