神楽ヶ峰BC            
 

20121214

 今シーズンもリフトを活用して山スキーがお手軽に楽しめる神楽スキー場へと向かう。前回は中尾根を滑り降りたが、ショートコースでちょっと不完全燃焼だったので、今回は状況が許せば高石尾根方面まで足を伸ばすつもり。
 
 朝
8時、始発のロープウェイ待ちの先頭集団に入ってゲレンデに向かう。周りの乗客は殆どが若いボーダー達だ。その中に混じって、ちらほらとファットスキーを担いだ中高年山スキーヤーの姿もある。かく言う私もその一人。

 リフトからゴンドラへと乗り継ぐと、窓越しに真白き神楽の峰々が迎えてくれた。ゴンドラの終点からスキーを履いて第三ロマンスリフトへと滑り込む。この季節、最上部の第五ロマンスリフトは稼働していないので、このリフト降り場が終点だ。


           ゴンドラから山並みを眺める                        リフト終点から中尾根方面

 
 リフトを降りてすぐ正面にある立ち入り禁止のバーナー脇をすり抜ける。その先の除雪されたスペースで早速ハイクアップの準備。今回の課題の一つは、新調したはいいが、不調の
Pomocaのシール。この製品は、テールの留め具が玩具のようにちゃちで頼りない。これまで3回使用したが、毎回テールフックが外れてグリューが雪まみれになってしまった。今回は、試しにウエットスーツ用のゴム生地をフックと板の間にかましてみた。ちょっと引っ張った位では外れないようになったので多少期待が持てそうだ。

 ノー・トレースの雪原に最初の一歩を踏み出してハイクアップ開始。前日はかなりの降雪があったようで、底付きしないふかふかの雪だ。ファットの板でも踝から脛まで潜るので、ラッセルも大変。そのうち途切れ途切れながら微かなトレースが出て来たので有り難く使わせてもらう。


            ハイクアップ開始                          第五ロマンスリフトは2月まで運休


 傾斜が増すにつれ、相応して運動量も増加し汗がどっと吹き出してきた。下ノ芝辺りで、単独スキーヤーが追いついてきたので待ってましたとラッセルをバトンタッチ。第五ロマンスリフト降り場から少し進路を右方向へ向けて稜線をトラバース気味に進む。


        ラッセル交替し楽をさせてもらう                          中尾根のピーク


 途中で休憩中の単独氏に先行して再び私がラッセル。稜線に立つと目の前に航空母艦のような苗場山が登場。何度見ても感動ものの大迫力だ。足が止まってしまうので景色はしばらくお預けにし、鹿や兎の足跡だらけの雪面をえっちらおっちらラッセルしていく。


存在感抜群の苗場山が登場


 出発から
1時間20分程で中尾根のピークに着いた。さてこの先どうするか。時刻は10時半。まだ時間はたっぷりあるが、雁ヶ峰方面へ単独で向かうのは厳しそうだ。地形的にフラットだし、一人でラッセルを続けるのはきつい。今回は清八ノ頭(別名、三角)までとして黒岩ノ平や雁ヶ峰は眺めるだけに止めることにした。

 中尾根からドロップするとの単独スキーヤー氏と別れて清八ノ頭との鞍部へと下る。
100mほどの下りには樹木や急な斜面があったりしてシールをつけての滑降は難儀だ。三角への登りはかなりの急斜面。キックターンを繰り返しながらラッセルしていくが、これがなかなかのハードワークだった。


        清八ノ頭はおにぎりのような三角形              清八沢を俯瞰(雪がたっぷりあるように見えるのだが)


 ピークまでもう一息という所で振り返ると二人組のボーダーが鞍部から清八沢に向かってドロップしているのが見えた。どうやらもの好きは私だけではないらしい。
1140分、ピーク到着。黒岩ノ平方面を眺めると緩やかな滑降が楽しめそうなスロープが広がっている。是非条件の良い時に再訪したいものだ。


黒岩ノ平を望む


 さて私も滑降準備をと、シールをはがす。またもや片方のシールのテール留め具が外れていて、全体の三分一の糊面に雪がついていた。おまけにフックのストッパーも壊れている。どうやらジグを切ったりトラバースをしたりと斜め方向のストレスに弱いようだ。ウエットスーツ生地の対策は浅知恵で奏効せず。私の使い方が悪いかも知れないが、製品自体の完成度もかなり問題。はっきり言ってこれでは使い物にならない。買って間もないのに、テールフックを
BD社あたりのがっちりしたものに交換するしかないのだろうか。

 気を取り直して先ほどのボーダーの姿を追うと、いつの間にか登り返して稜線に戻っていた。さて私の方はこれから先のルートをどうするか。ここでいつものイージーなオプション選択をしてしまった。中尾根まで登り返すのも面倒だし、清八沢はブッシュが出てはいるものの、下の方まで雪がついているようだ。出たとこ勝負で下っちゃおうといった調子。これでいつも後悔している。

 ピークからドロップ。重パウダーながら滑りは極めて快適。
200mほどの高度差はあっという間だ。惜しみ惜しみ滑ってもすぐに沢の源頭まで下ってしまった。しかし至福の時はそこまで。しばらく沢筋を下っていくが、傾斜が緩んでくると板が全く滑らないは、吹き溜りに突っ込むはと、すっかり地獄の下りラッセル状態になってしまった。それに雪の量が思ったより少なくて、小滝が完全に埋まっていないので、そこかしこに滑走不可の大きな段差がある。沢床がマンホール状態で内部には水流が渦を巻くおっかない箇所もあり、とてもスキーにはならない。


          木々の間から霧の塔(多分)                           快適な滑降に酔う


 標高
1600m辺りまで降りた所でついにギブアップ。観念して中尾根に登り返すことにした。こんなことなら横着せずに最初っから中尾根のピークまで登り返した方が余程滑降を楽しめたのにと後悔するが後の祭り。おまけに粘着性を失った片方のシールは何度も外れて泣きっ面に蜂だ。それでも何とかだましだまし中尾根を乗っ越して反対側の白樺沢へと降り立った。


         清八沢はきれいな沢に見えるのだが。。。                 中尾根に登り返した


 ここでやっと人様のトレースに行き合い、ラッセルから開放された。日もだいぶ傾いた午後
2時過ぎにようやく和田小屋に無事生還。そのままゲレンデを滑り降りてロープウェイ乗り場へと向かった。改札前で板の雪落としをしていると、三角ピークの稜線にいたボーダー達から声をかけられた。年季の入った道具を担いだ見るからに山慣れした山ボーダー・カップルだ。曰く、あと二降りくらいしないとあの沢の滑降は無理なのだと。成程登り返した訳だ。納得。

 何事も経験とは言え、今回はまる一日かけて、パウダー滑降の快感は
5分だけ。後はひたすらラッセルしまくりで、大汗をかいてしまった。還暦をとっくに過ぎた身にこうしたストイックなスキーはツライ。。。


行動時間 5時間30



後記
 
 
帰宅後、テールフックの改造を試みた。ホームセンターで手頃なパーツを買い集めて自作したのが写真右側。面ファスナーはスキー購入時に付いていたバンドで只。金具類やリベットなど総投資300円也で相当に頑丈なものが出来たので満足している。少し出っ張っているがテールロッカーなのでそれほど邪魔にはならないだろう。次回実地に試してみるのが楽しみだ。

 左隣は使用4回目にしてストッパーが脱落してしまったオリジナルの留め具。いかにもちゃちだし、フックとベルト間の摩擦が弱く、歩いているうちに緩んでしまう欠陥がある。


 

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