2014年4月25日(金)
昨日は檜枝岐に宿をとって温泉と美味しい食事で会津駒ケ岳の疲れを癒した。翌日は燧ヶ岳へと向かうつもりなので、宿の方に最新情報を伺うと曰く、七入からブナ平を越えていくのは取り付き部分の雪の状態が悪くて大変とのこと。無難に除雪が完了した御池まで入ることを勧められた。
御池へのアクセス道開通予定日は5月1日なので、それまでは人力で行くしかない。そのつもりで持参した自転車を組み立てていると、何と宿のご主人からホンダの超小型バイク、モンキーを貸してあげるとの嬉しいお話し。お言葉に甘えて有り難く拝借することにした。(アクセス道は除雪は完了しても雪崩の危険ありということで未開通、当然100%自己責任で)
翌日、宿を6時過ぎに発って御池へと向かう。スキー、ブーツを括りつけた大きなザックを背負ってちんまりしたバイクに跨る様は我ながら滑稽と思うも、500mの高度差を楽して行けると思えば何てことはない。それに誰が見ているわけでもないし。
ゲートには重機が立ち塞がっていて厳重に封鎖されていた。バイクを降りて僅かな隙間を通り抜けた。殆どローギアのまま時速10km前後で坂道を登って行く。一部凍結した路面でヒヤリとさせられたものの、何とか無事に御池に到着し除雪された駐車場の片隅にバイクを駐めた。
借用したモンキー この奥の雪壁をよじ登ってハイクアップ開始
早速支度をして午前7時丁度にハイクアップ開始。4年前の5月に比べると雪の量は格段に多く、雪面もそれほど荒れていない。モノ好きは私だけではないようで明らかに昨日のものと思われるスキーやツボ足のトレースも所々に残されている。
しばらくフラットな森を抜けて、、、 広沢田代への登りにかかる
急坂を登ると、、、 フラットな田代にの繰り返し
やっと山頂が見えた 昨日のトレース
フラットから急登というサイクルを繰り返すのがこのコースの特徴。一頻りの急登を終えるとフラットな広沢田代、もう一度急登を凌ぐとまたフラットな熊沢田代と言った具合。その後はいよいよ森林限界を越えて白一色のバーンを登って行く。
夏道同様、左から回り込んでいくようなルート取りにしたため、左足谷足状態がずっと続く。おかげで負担のかかる右足が悲鳴を上げている。4年前にはこの辺りの斜面がとても急に思えて腰が引けたのが嘘のようだ。慣れとは恐ろしいもの。山スキー3シーズン目にして雪の急斜面に対する感覚が随分と変化してきているらしい。勿論カチカチのアイスバーンだったら話しは別ですが。
森林限界をそろそろ抜ける 左へ回り込みつつ山頂へ
スタートからずっとシール登行で歩き続け、2時間30分で俎嵓の頂きに立った。昨日同様、風も穏やかで文句なしの素晴らしい天気。季節柄春霞で眺望が今一つの感もあるが、これだけの景観を独り占めできるとは何と贅沢なのだろう。
俎嵓到着 柴安嵓にはトレースなし
尾瀬ヶ原と至仏山
平ヶ岳、その奥は越後三山、荒沢岳
前日登った会津駒ケ岳
大パノラマに一通りカメラを向けた後は早目のランチタイム。さて帰りはどこを滑ろうか。昨日登頂したスキーヤーはここから東側に一旦滑り降りて長英新道を登り返しているが、私は今日は寄り道をしないつもり。
30分ほど山頂に滞在して滑降開始。昨日の会津駒ケ岳の山頂付近よりも雪面はやや硬めながら、フィルムクラストと極上ザラメの斜面が非常に快適で気持ちよくターンが決まる。にわかにスキーが上達したかのような錯覚に酔いしれながら、熊沢田代まで一気に滑り降りた。最後は勢いをつけて1986mピークの中腹まで登り返した。あと少しの登りは逆ハの字登行で越えて広沢田代へと向かう。
尾瀬沼へ向かう前日のシュプール お楽しみはあっという間
高度を落としても滑りやすい雪質は変わらない。昨日の会津駒ケ岳でははひどい重雪だったが、時間が早いせいだろうか。どこまでも快適なのが嬉しい。
広沢田代をゆるゆると横切って最後のツリーランを楽しみ、御池の駐車場へと帰着した。山頂から40分足らずではあったが、今シーズンのベスト3に入ると言って良いほど、気持ちの良い滑降だった。
下山後は荷物を手早く纏め、再びスキーとブーツを背負ってモンキーに跨る。帰り道では、除雪や道路整備の作業している方々の迷惑にならないよう気遣いながら低速で坂道を下った。
宿にバイクを返却したのは丁度昼飯時。地元郷土料理の裁ちそばを美味しく頂いた後は、燧の湯で汗を流して感激の余韻に浸りながら帰宅への途についた。静かな南東北のBCをエンジョイすることができたのも、世間様の連休に縁がないおかげかな。
行動時間 4時間40分
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