2014年5月17日(土)
昨日は白馬大雪渓を下山した後、Kさんと共に白馬の常宿に宿泊。下界ですら雨風が酷く、標高の高い山の状況は推して知るべし。無理をせず正解だった。
一夜明けた今日、再度大雪渓に向かうにはモチベーションが今一つ。それと会員登録しているヤマテンに依れば、同じ北アルプスでも南部の方が、晴れ間が広がるとのことだったので、針ノ木雪渓で遊ぶことにする。どこを滑るかは状況次第だが、本命は針ノ木雪渓本流。もしデブリで荒れているようなら大沢右俣と大まかに方針を決めておいた。
扇沢には午前8時と遅い時間に到着。週末とあって無料駐車場はほぼ満車状態だった。8時25分、足元はスニーカー、背には板とブーツという出立ちで車を後にする。
登山口には雪は欠片も無し 林道を歩く、天気はまだ十分回復していない
先年の経験から枝が板に絡むのを嫌ってずっと林道を歩くことにした。それと経路についても昨年夏道を選んで道を見失いえらい目にあった反省から、最短距離となる右岸沿いを行くつもりだった。
ところがKさんには全く面目ないことに、又もやルートミスを犯してしまった。気がついた時には右岸への渡渉ポイントは遥か後方。結局、前回同様、起伏が多くて頭上の枝が邪魔な夏道を歩く羽目になった。一つ良かったのは、滑降コース候補の大沢右俣の状況を対岸の高みから観察できたこと。特にデブリも無くきれいなものだが、縦に無数のラインが入っているのが気になる。
道をロスト 蓮華岳大沢の様子
色とりどりのテント村を通り抜け大沢小屋に到着。足元はずっとスニーカーだったので、ここで兼用靴に履き替えた。小屋の先の藪を少々漕いで雪渓に降り立ち、シール登行を開始する。
大沢小屋 針ノ木雪渓に降り立つ
先行者が点々と、上空にはまだ雲
流石に人気のスポット、前も後ろも多くの人達が歩いている。スキーヤーと登山者は半々だろうか。昨日の大雪渓とは打って変わって雪面は緩んでいて至極快適、シールの効きも良い。気になっていた中間部のデブリは、かなり融けていて多少のデコボコが残っている程度。これならスキーに大した支障も無さそうだ。
シール登行するKさん マヤクボ沢出会いまでもう少し
先行していたスキーヤーを何人か追い抜いてマヤクボ沢との出会いに到着。ここでクトーを装着して針ノ木峠へと向かう。斜度が増してきたのでジグを切りながら登る。雪面は適度に締まり、かつすべすべで最高の雪質だ。
針ノ木峠へ先行するスキーヤー
シール登行するKさん
12時35分、針ノ木峠に到着。針ノ木岳はガスの中だが、スバリ岳から赤沢岳へと続く切り立った稜線が迫力満点だ。峠の反対側はまさに圧巻。槍穂を始めとして北アルプス南部のオールスターが勢ぞろいしている。
北アルプス南部のオールスターが勢ぞろい
スバリ岳 蓮華岳へと続く稜線
大枚はたいた足のアーチ低下防止インソールも値段に見合う働きをしてくれたようで、今回は足指に辛い痛みが出ずに済みそうだ。
Kさんと相談の結果、この最高の雪質の斜面を滑らない手はないと意見が一致。蓮華岳大沢右俣案はボツとなった。大沢は3年越しの宿題となってしまうが仕方ない。楽しみの先延ばしということでもある。
午後1時15分、滑降開始。スマホAPのクリノメーター(SeeLevel)で測定するとマヤクボ沢出会いまでの斜度はおよそ35度。多くのスキーヤーにとって快感指数が最も高まる理想の斜度らしい。
針ノ木峠からの滑降
滑ってみれば登行時観察した通り、全く引っ掛かりのない、しまり雪でターンも思いのまま。写真撮影のために立ち止まるのがもどかしいほどで高度差300mを一気に滑り下りてしまった。Kさんも大満足のご様子。
まだ続々と登ってくる 途中の枝沢で雪上訓練するパーティも
その先はザラメとなって楽しい斜面がまだまだ続く。中間部のデブリ越えはやや試練。落石も交じってきたので慎重に滑り降りる。大沢との出会いからは右岸のトレースを辿って林道の際まで滑り、本日のお楽しみは目出度く終了。
これまたスマホAPのSki Tracksで測定した滑降結果は、左の写真となった。これは針ノ木峠の滑降スタート時点からスキーを脱ぐところまでの時間経過、距離や速度、斜度等の記録でなかなか便利。
最後になりましたが、最高の山スキーを共に堪能させて頂いたKさんには心より深謝いたします。
行動時間 4時間50分
こんなことも簡単に出来て面白い
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