二日目
2016年6月6日(月)
前日は乳頭温泉に宿泊。乳頭山麓のブナの原生林に囲まれた本来静かな宿のはずなのに、頭上にヘリが飛び交い実にやかましかった。後で聞くと近くで山菜取りの遭難事故があった由。この手の遭難事例はかなり多いらしい。道路沿いに遭難防止を訴える立て看板がやたら目につくのも肯ける。熊の出没も頻発、豊かな自然の恵みもリスクと隣り合わせということだろうか。
さて本日の目的地は八幡平。ここは5年前の秋に一度歩いている。その頃は百名山のピークハントに躍起になっていたので、早朝岩手山に登り、その足で八幡平に向かうという慌ただしさだった。今回はそうしたプレッシャーは一切無いし、家内同伴ということなのでゆったり雄大な景観を満喫するつもりだ。
秋扇湖
宿を後にし、国道341号線を北上する。途中コバルトブルーの湖水と新緑のコントラストが美しい秋扇湖に立ち寄ったりしてドライブを楽しんだ。銭川温泉の手前で右折し八幡平アスピーテラインに入る。アスピーテとは火山地形分類上の形態の一つ。楯状火山とも言い、粘性の低い溶岩がフラットに堆積したものだそう。八幡平は日本におけるこのアスピーテ地形の代表。ちなみに分類上もう一つの形態であるコニーデ(成層火山)の代表格は富士山。
八幡平到着は午前10時。早速身支度を整えて歩き出す。予定のコースは八幡沼周辺の湖沼群を巡りと黒谷地湿原。湖沼巡りだけだと余りにもショートツアーになってしまうためだ。
岩手山を望む
見返り峠までは石畳の道だが、その先は残雪歩きが多くなる。湿原にはちょうど見頃の水芭蕉があちこちに群生していた。久しぶりに水芭蕉を目にした家内は大喜びだ。
八幡沼が見えてきた
八幡沼 雪塊が浮いている
源太森へと向かう
源太森の小ピークに登ると360度の大パノラマ。何といっても存在感抜群なのは岩手山。北には岩木山や八甲田等、本州最北の山々、南には雪を頂く鳥海山まで一望できた。
源太森からの眺望 岩木山がうっすらと見える
八幡沼方面を望む
源太森を下り黒谷地湿原へと向かうと、その先はハイカーも疎らとなる。残雪を踏みしめ、浸食を受けてU字溝のようになった滑りそうで歩き難い登山道を下っていく。単調な道に少々飽き始めた頃、周囲が明るく開け黒谷地湿原に着いた。ここでランチタイムとする。
黒谷地への下り坂 同左
黒谷地湿原
水芭蕉の群生
食後はまた来た道を戻るだけ。八幡沼の畔にある見返り峠との分岐点まで戻ったところで、今度は右手の木道を進む。トイレ休憩に立ち寄った陵雲荘は非常に立派な避難小屋で内部には薪ストーブまで設備されていた。冬場には随分と頼りになりそうだ。
八幡沼 左手に陵雲荘
ガマ沼 バックは岩手山
八幡平最高点より メガネ沼1
メガネ沼2 鏡沼
その後はガマ沼を経て八幡平の最高点へと向かう。最後はまだ雪の残るガマ沼等の湖を巡って駐車場に帰着した。
今回は新緑と残雪のコラボで彩られる美しい湖沼群を巡り、北東北の大自然を存分に満喫できた。次回は季節を変え歩き主体のクラシックなスキーツアーにチャレンジしてみるのも面白そうだ。
行動時間 4時間
三日目へ
|