三日目
地元の方には失礼ながら、二百名山、石川啄木ゆかりの山といったサブタイトルが無ければこの山に登ることは無かったかも知れない。ところが実際に現地を訪れてみると、八幡平や岩手山というメジャーな山々の片隅でひっそりと佇む低山といったイメージとは裏腹に、山容が素晴らしく端正なのに驚いた。成層火山でも無いのにとても均整の取れた円錐形をしているのだ。
安比の温泉宿を発って一本杉の登山口に着いてみると、平日というのに10台を越える車が駐車していた。いずれも岩手ナンバー。これを見ても、地元の皆さんにいかに慕われている山かということが納得できる。
立派な案内図があった 最初は緩い登り
登山届けに記帳して午前9時20分に出発。東北山の旅も三日目を迎えて余り山を歩いたことのない家内の足取りも大分しっかりしてきた。しばらくは杉林の中、緩い登り坂を進む。程なくして一本杉に着いた。一本杉は単に登山口名だけではないのだ。実際に樹齢を経て、幹の太さが他を圧倒する巨木があった。
この雰囲気がたまらない 一本杉
この一本杉を過ぎると間もなくザンゲ坂の急登が始まる。階段登行はいつものことながら自分の歩幅で歩けないので辛いものがある。一汗かいたところで五合目に到着。この先、次第に岩交じりの登山道となる。
ざんげ坂の急登を登り、、、 五合目に到着
まだまだ階段が続くが、、、 そろそろ露岩も出てきた
登るにつれ樹相はいつの間にか変化し、杉やアカマツは姿を消して低木主体になってきた。風も通り抜けるようになって何とも心地よい。道中危険な個所は無いが、一か所だけロープのかかった大岩を登らねばならない。ここは岩場コースと土場コースの分岐点になっている。もちろん後者を選択する。
露岩は益々多くなる 岩場コースは右、土場コースは左
山頂には登山口からちょうどCT通りの1時間30分で到着できた。前評判通り、展望を遮る山も無い抜群のロケーション。残念ながら下り坂の天気のせいか、全体に霞がかっているので眺望は今一つだ。
山頂到着 岩手山が目の前
山頂に咲くミヤマアズマギク
15分ほど山頂に滞在して下山を開始する。驚いたことにこんな時間でも次から次にハイカーが登ってくる。皆さんシニアばかりだが、中には殆ど駆け足と言って良いスピードで登ってくる方もいた。
最終日に怪我をしては元も子もない。登りとほぼ同じ時間をかけてゆっくり下山。駐車場には12時30分に帰着した。
姫神山は先に歩いた秋田駒ヶ岳や八幡平とは異質の低山ながら、虫の大合唱や瑞々しい新緑等、それなりの趣があった。東京から600Km ドライブして再び訪れることがあるかと聞かれれば否だが。。。
行動時間 3時間10分
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