富士山  静岡・神奈川県 3776m        百名山


2011
914

 先日の五竜岳登頂で私の百名山行脚もいよいよ残すところ10座となり、年内中に全制覇できそうな状況になってきた。日本を象徴する富士山をもって百名山の最後を飾るつもりでいたのだが、今のペースで行くと冬山登山になってしまう可能性が高い。これはちょっと自信が無いので、初冬になっても無難な山と差し替えることにした。富士山はまだ夏の残り香があるうちに登ってしまうことにして、ゴールは、福島県再興への思いを込めて安達太良か吾妻山にしようと決めた。

 富士山は、実は自宅から時間的に最も近い百名山だ。距離的には丹沢山が一番近いが、アプローチの便が良いので
2時間少々で富士山の登山口に立てるのだ。今回は幾つかある登山口で最速で山頂に立てると言われる富士宮口から登ることにした。

 午前
5時過ぎに明るくなり始めた五合目の駐車場に到着。閉山式は終っているというのに、車で一杯だ。9月半ばになっても流石人気の山らしい。身支度をしている間にも三々五々とハイカーが出発して行った。朝食をしっかりとって520分に車を後にする。


                 満杯の駐車場                     駐車場から登山口へ


 五合目登山口への階段を登ろうとすると、その脇には、六合目から通行止めの案内板があった。富士山以外にこうした措置が取られている山はあるのだろうか。六合目に着くと、さらに通行禁止のゲートがあって柵を跨がねば入山できない。一般観光客が安易に入り込んで遭難騒ぎになるのを防ぐのが目的だろうが、柵を乗り越えるのも抵抗がある。他に良い方法は無いのだろうかと思う。


              ここからスタート                      紅葉の始まった山腹



            六合目の通行禁止ゲート                 火山礫のごろごろする登山道


 六合目からは、火山灰と火山礫の埃っぽい道をジグザグに登っていく。荒れ地の斜面に生えている、タンブル・ウィードのような草が枯れて朝日に黄色や赤く染まり、とても趣がある。これが今年初めて見た紅葉と言えるかも知れない。下界は雲海。雲の位置が低いので高度感たっぷりで、改めて富士山の高さを実感した。


               下界は雲海                          溶岩の道


 合目毎に現れる山小屋はどこも店じまいしている。最初のうちは快調に飛ばして先行する登山者を追い越していたが、自分にとっては未知の高度である
8合目を越えた辺りから失速してしまった。酸素の摂取がままならないせいだ。口をぱくぱくさせている私を尻目にトレラン男が息も切らさずに小走りに追い抜いていく。こういう人は一体でどういう身体構造をしているのだろうか。




 息苦しさに耐えつつ歩き続けて行くと、ようやく山頂が手の届く距離になった。冬支度を終えた浅間大社の前を通過し、そのまま剣ヶ峰へと向かう。日本最高峰の山頂には
820分に到着。五合目の駐車場からちょうど3時間を要した。


           冬支度の浅間大社                          剣ヶ峰




       日本最高峰、それなのに。。。           何故が二等三角点

 時間も早いことなので時計回りに御鉢巡りをする。西の方角に広がった南アルプスの峰々の展望が素晴らしい。北には八ヶ岳も遠望できる。大沢崩れの辺りでパラグライダーが離陸をしていた。一機目、二機目は無事にテークオフ。三機目になって風向きが変わってしまったらしい。飛び出したものの風を捕まえられず、すぐに強制ランディング。どうやら見た目ほど簡単ではないようだ。しかし
10kgの装備を担いでくれば、3775mから風任せのフライトが楽しめるのだ。もう少し若ければと言う思いと、鍛えていれば還暦過ぎのジジイでもやってやれないことは無いと言う思いが交錯する。(帰宅後、いろいろ調べると益々興味をそそられ、体験フライトの予約までしてしまった。)


遠く八ヶ岳が見える



甲府盆地の向こうには南アルプス



パラグライダーのテークオフ



三機目、この離陸はうまくいかなかった


 三機目のテークオフを最後まで見届けることなく、御鉢巡りを続ける。東側に回るにつれて雲が湧きたってきた。吉田口、須走方向はすっかり雲の中だ。御殿場ルートのすぐ先に富士宮ルートがある。降り口を間違えたらえらいことになる。登り道の傾斜はそれほどではないと思っていたが、下って見るとどうして結構な斜度がある。


               湧きだす雲                    夏場の賑わいが想像できる山小屋



            反対側からの剣ヶ峰                        須走下山口



           ガスのなかを下山                     宝永山が頭を覗かせている


 途中、大声ではしゃぐ外国人連中がいたので声をかけると、彼らはブラジル人で八合目まで登ってギブアップしたとのこと。運動靴履きなのでブレーキが利かないらしい。登山道沿いに張られたロープに摑まり、キャーキャー言いながらながら降りている。それにしても陽気な人達だ。

 六合目まで下ると途端に観光客で一杯になった。なかには僧衣を纏ったアジア人もいる。流石、世界遺産に登録しようとする国際色豊かな富士山だと感心した。駐車場帰着は
11時半。広い駐車場はすっかり車で埋まっていた。

行動時間  6時間10
歩行時間  5時間40

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