大雪山(旭岳)  北海道 2291m    百名山 
 


2011726

 北海道遠征は一年ぶりになる。当初713日からかの地に入る予定であったが、連日の雨予報に嫌気して半月延期したもの。結果的には大正解で、連日の好天に恵まれて大雪山系の夏山を満喫することができた。収穫は、旭岳初め北大雪の山々、トムラウシ、ニペソツ、石狩岳、天塩岳の5座。旭川から南下して大雪山系をぐるっと反時計回りに再び旭川に戻るといった周回コースを辿りながら山歩きを楽しんだ。ハンドルを握る時間を最小化し、その分を山歩きに充てることができたので、とても効率的であったと思う。最終日にはレンタカーのタイヤがバーストするというハプニングがあったが、山の中ではなくて市街地近くであったので大ごとにならずに済んだのは不幸中の幸いだった。

 昨日は午後
8時過ぎ到着の遅いフライトで旭川入りした。空港近くのレンタカー屋で予約していたミニバンを借りる。いつもは最安のコンパクトカーなのだが、今回は車中泊を計画しているので後部がフラットにできる仕様の車にしたのだ。その後、すぐに旭川市内へと向かう。どうせ寝るだけと安ビジネスホテルにしたのだが、やはり値段と快適さは相いれなかった。エアコンが利かず蒸し暑いのと冷蔵庫の騒音が大きくて何度も目覚める羽目になった。

 結局熟睡できないまま、朝
4時半にホテルを出発、旭岳ロープウエイ駅を目指す。山歩きにRWは出来るだけ使わないのが信条だが、目をつぶるときもあるのだ。苦労して歩いて登っても姿見駅で沢山の観光客を目にするのは気色が悪いのでとは苦しい言い訳、本当は楽をしたいだけ。何しろ2時間の行程を10分に短縮できるのだ。何とか始発のRWに間に合って、行列に並ぶ。ゴンドラは一度に百人以上を運べるらしいが、ぎゅうぎゅう詰めだ。姿見駅に着くと正面に旭岳が圧巻だ。トイレに寄ったり水を補充している間に、どんどんハイカーが歩き始めている。私も第一番目のマイルストーン、姿見池を目指してゆっくり登り始めた。


           皆出発準備に余念がない                           旭岳に朝日が


 姿見の池には山腹ら噴煙を上げる旭岳が映っている。カメラを向けている人を尻目に先を急ぐ。登るにつれて、ところどころに雪を残す大雪山系南部の展望が開けてきた。あまりアップダウンも無い様子なので、天気さえ良ければきっと楽しい縦走になるに違いない。

 旭岳への登山道は火山灰や火山礫なので足元が崩れやすいが、登りなのでそれほど苦にならない。先行していた中高年ハイカーをどんどん追い抜いて自分では快調なペースと思っていたら、中学か高校の年代の若者にあっという間に追いつかれてしまった。やはり若い子にはかなわない。ジジババ相手にいい気になっていた自分が恥ずかしい。

 金庫岩辺りから見る風景はまるで火星にでもいるかのようだ。赤茶けた山肌、眼下には幾筋もの蒸気の噴出が見える。この奇観を一緒に眺めていた東京の方は、これから大雪を横断し層雲峡に降りて、旭川に戻り今日中に帰京の由。車でなければそういうこともできるのだが。


         なかなか良い感じの山を背景にした池                  山肌から幾筋も立ち上る噴煙



金庫岩より


大雪山南部


 旭岳山頂には姿見から
1時間20分ほどで到着。先行していたハイカー数人が雲海に浮かぶ大雪の山々に感嘆の声をあげている。初日から好天に恵まれ、今回の遠征は幸先がよさそうだ。


            旭岳山頂には沢山のハイカー                       黒岳方面を望む


 景色を十分に堪能した後は間宮岳へ向けてザレた道を下りにかかる。すぐに雪渓となるが、アイゼンが要るほどではない。ゴミ袋を尻に敷いて楽しそうに滑り降りている中高年のご夫妻がいた。三脚を立てて高山植物の撮影に余念がない人達もいて、皆それぞれの方法で山をエンジョイしている。芸の無い私はひたすら歩くのみ。


             雪渓への下り                               北鎮岳の姿に惚れる



          尻セードの跡が沢山ある雪渓                        荒々しい姿の山、熊ヶ岳か


 高原のような緩やかなアップダウンを越えていくと間宮岳に着いた。広々していて山の頂という感じはおよそしない。ここから中岳に向かって左に進む。眼下に見える御鉢平の光景にも凄まじいものがある。中岳方面へ回る人は余りいないようで、初めて静かな山歩きとなる。右に御鉢平、正面に中岳や円錐形が印象的な北鎮岳を見ながら緩やかに下っていく。北鎮岳にはぜひ登ってみたいが、今日は時間が無いので次回にしよう。中岳分岐から裾合平へと向かう。ここから比布岳へと回る大回りの周回ルートも面白そうなのだが、おそらく一日がかりになってしまいそうだ。今日中にトムラウシ登山口には行きつけそうにないので、このコースも断念。


荒涼とした御鉢平



            中岳方面へ下る                                 中岳分岐



比布岳を望む



裾合平へと下る


 しばらく下っていくと硫黄で黄色く染まっている沢筋に出た。ここが中岳温泉なのだろうか。雪渓があるので湯船らしきものは見えない。裾合平までの平坦な道の両脇にはチングルマが群生していて見事だ。ここまで散策に来たと思しきハイカーも多数いた。裾合平から、だらだらとしばらく登り返していくが、以外に時間かかる。そこかしこに群がる観光客にいささかげんなりしながら、出発点の姿見に帰着した。時刻は
11時、4時間50分ほどのハイキングだった。


             中岳温泉の辺り                            しばらく沢沿いを下る



チングルマの群生


 帰路も
RWで楽をさせてもらう。旭岳温泉に立ち寄り汗を流し、トムラウシへと向かう。途中、何とかの丘がそこかしこにある美瑛の素晴らしい田園風景を楽しんだ。そんな寄り道をしていたのでトムラウシの短縮登山口到着は夕暮れ時になってしまった。トムラウシ温泉で調達したビールとコンビニ弁当で簡単に夕食を済ませ、すぐに眠りについた。


トムラウシへと続く

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