大山  鳥取県 1729m          百名山

剣山から続く

20111117

 昨日は剣山登頂後、瀬戸大橋を渡って倉敷へと移動。歴史の凝縮した美観地区の白壁の街並みを散策したりと、大いに観光を楽しんだ。実は今回の西日本遠征では、山歩きに要する時間はほんの僅かで観光とドライブが殆どなのだ。当初、山歩きを主体にして二百名山も合わせて登ってしまおうかと計画したが、あれもこれもと欲張ると虻蜂取らずになってしまうし、再訪の楽しみも残しておかないといけない。費用対効果は悪いが、百名山2座と多少の観光だけに絞ることにした。


                 倉敷にて


 さて、百名山も残るは伯耆大山のみ。何とかフィナーレを飾る気持ちの良い山歩きをしたいものだ。気がかりは天候。予報によれば午前中まで冬型の気圧配置の影響で雨が残る可能性があるとのこと。いつもであれば、夜明けとともに歩き出すアーリーバードのパターンなのだが、今回は止めておいた方が良さそうだ。宿でゆっくり朝食をとってから倉敷を後にした。

 出発時には晴天だったが、トンネルを通過する度雲が増し、蒜山高原辺りまで来ると、すっかり雨模様になってしまった。幸い大山が近づくにつれて雨は小降りとなり、そのうち止んでくれた。それでも麓から眺める大山は中腹から上が厚い雲に覆われている。

 夏山登山口の看板を目にしたので、近くの駐車場に車を止めた。しばらく観望を続けるべきかどうか迷う。しかし確実に天気は好転しつつあるのだし、有終の美は飾れなくとも仕方なしと覚悟を決めて雨上がりの道を歩きだした。時刻は
820分。


             駐車場からの登山口                               参道の石段


 昨日と同様まず境内の石階段からのスタートだ。石段を登りきったあとは剣山同様に丸太の階段が続く。信仰対象の山の参道はどこか似通ってくるのかも知れない。紅葉は完全に盛りを過ぎたようで、足元には枯葉が積み重なっている。


           ブナ林のなか枯葉の絨毯を行く                          合目表記


 登山道には合目と標高がそれぞれ一合、
100m毎に几帳面に表示されている。着実に標高を稼ぐことを励みとする人にとっては有難いだろうが、まだ残る標高を恨めしく思う向きには要らぬおせっかいかも。

 五合目辺りになると周囲が明るくなってきた。空を見上げればすりガラスを通したような太陽も見えている。ひょっとしたら頂上近くは雲海を突き抜けているかもと期待感が膨らんできた。


                  五合目                               ガスが薄くなってきた


 ブナの林がいつしか姿を消してエボシ岩だろうか、とんがったピークが雲間から見える。勾配のきつくなった砂岩の道を登っていくと下山してくる登山者とすれ違うようになった。いよいよ山頂は間近なようだ。


             この辺の勾配が一番きつい                           エボシ岩?


 急登が一段落すると道は木道に変わった。残念ながら山頂は雲海を突き抜けてはいなかった。それでも夏雲のようなダイナミックな雲の動きを背景にして、フォトジェニックであることには変わりない。やがて頂上避難小屋が見えてきた。


山頂避難小屋



 そして歩き始めから
1時間40分、雨に降られることもなく、長らく夢見た100番目の山頂を踏むことが出来た。雲が流れてナイフリッジの向う側に数メートル高い剣ヶ峰が見え隠れしている。クリアな眺望は無くとも大満足だ。


             逆光で見にくい大山山頂                       通行禁止の剣ヶ峰への道



剣ヶ峰が見えたり隠れたり




 しばらく登頂の余韻に浸っていたが、ガスが俄にきれてくる気配も無いので下山することにする。往路を辿るが、剣山同様、山頂を目指すハイカーと次から次にと行き違う。右の沢筋からゴォーと凄まじい崩壊の音が響いていたのが印象的だった。下山後は、休む間もなく本日の宿、鳥取に向けて車を出した。


行動時間  3時間25
歩行時間  3時間


後記

 還暦を前にして63才までに登り終えると決めたマイ・プロジェクト、幸運に恵まれて目標より半年早く達成することが出来た。その間、狭心症を患ったり、靴擦れ、打撲や捻挫など様々な故障もあった。計算していないが、相当なコストもかかっている。正しく肉体的苦痛と懐の痛みに耐えての百名山制覇だったが、無事完遂できて感無量だ。次に注力するマイ・プロジェクトはまだ決めていない。取り敢えず仕掛かりの二百名山歩きをこつこつとこなして行こうと思っている。
  
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