2014年4月24日(木)
ゴールデンウィーク前の静かな山を目指して4年ぶりの会津駒ケ岳へ。前回は5月も半ば過ぎだったこともあり、雪が出てくるまで夏道歩きがかなり長かった記憶がある。事前にネットでチェックしたが、結局最新の状況が良くわからない。残雪の状況に応じて臨機応変に対応できるように登山靴、スニーカー等の足回りオプションを用意しておくことにした。
午前6時に登山口の滝沢橋に到着。国道から少し奥へ入ったトイレ近くに車を駐めた。林道上には雪がつながっているようなので、これなら歩かずに済みそうだ。。。が糠喜びとは後で思い知ることになる。
トイレの手前に駐車 橋の向こうは雪
6時35分、兼用靴を履いてシール登行を開始する。しばらく雪をつないで進むと林道には、何やら赤テープが張り渡されて通せん坊。小尾根を登って林道をショートカットせよということらしい。渋々スキーを背負ってすっかり雪の消えた夏道を登る。
赤テープで道路封鎖 小尾根の雪はすっかり消えている
再び林道に戻って少し歩くと見覚えのある木の階段に出た。4年前、ここからスタートした無雪期の登山口だ。この先も雪がついていないようでガッカリ。歩きにくい兼用靴に悪態をつきながら夏道をしばらく登る。
無雪期の登山口 雪は欠片もない。。。
ようやく辺り一面雪になったところでシール登行を再開。朝の冷え込みで雪面は固くクラストしている。急斜面に差し掛かったところでクトーを装着。クトーの歯が小気味良く効いてくれる。
ようやく辺り一面の雪 斜度も増してきた
標高が上がるにつれて、樹相はブナからシラビソ、さらにはダケカンバへと変化。その樹間から本日滑る予定の源六郎沢源頭の様子を観察する。上部はきれいなものだが、下になるほど縦皺が目立ちスキーになりそうにない。早目に尾根に逃げた方が良さそうだ。
ブナ林が、、、 シラビソ林へと変わり、、、
山頂が見えてきた
しばらくすると無木立ののっぺりした斜面に出た。山頂はもう指呼の距離にある。駒の小屋はパスして山腹をトラバースし、直接山頂を目指す。
この辺の斜面は一面フィルムクラスト状態だ。歩を出す度に周囲の薄氷が広範囲に割れて剥離した氷片がパラパラ滑り落ちていく。
9時45分、4年ぶりの山頂に立った。風も穏やかで最高の天気に恵まれ、しかも360度の大展望。まず目に付くのは、大戸沢岳、その先には三岩岳など、来シーズンには是非ともBCで遊んでみたい近隣の山々。180度振り返れば、先日滑った至仏山、明日予定している燧ヶ岳などが手招きしている。
燧ヶ岳をバックに会津駒ケ岳山頂
平ヶ岳方面
三岩岳、大戸沢岳方面
行動食を取りながら登ってきた尾根を眺めていると、登行中の単独スキーヤーの姿が遠望できた。今日は全くの貸切りという訳ではないらしい。暫く目で追っていると、彼は駒の小屋に入ってしまったようだ。代わってボーダーが一人小屋を出て山頂を目指している。ところが、途中で日向ぼっこでも始めたのか、待ち構えているのに中々姿を現さない。せっかち男の私はしびれを切らして一足先に滑降を始めることにした。
当初の作戦通り、源六郎沢の源頭へと滑り降りる。滑り出すと春山ならではの、引っ掛かりのない素晴らしい雪質。フィルムクラストの下のザラメがとても良く滑ってくれる。貸切りの大バーンに一筆書きを完成させて一段落。これ以上滑り降りても縦縞だらけの斜面となって面白くないので、標高1860m辺りからトラバースを開始する。
源六郎沢源頭へ滑降開始 縱皺が目立ってきたのでトラバース開始
山頂からの一筆書き
暫くトラバースを続けていると、行く手の沢地形に大きなクラックがパックリ口を開けていた。仕方がないので板を背に尾根筋へと登り返す。
クラックを前にして頭がクラックら グサグサ雪を登り返す
グサグサの雪の脛ラッセルに一汗かいて、トラバースを再開。広がりのある尾根のかなり左側を滑っていたので少し意識して右手へと向かう。何回失敗しても懲りない「思い込み」ルーファイの始まりだ。ろくすっぽGPSをチェックせず、それ行けどんどんと降る。小尾根を少し滑り降りたところでルートを外したことに気がついた。
斜度と樹間はいいが雪質が、、、 見覚えのない景色、ルートミスで引き返す
トラバースして正規のルートに戻ろうとするがブッシュが邪魔して無理。泣く泣く板を背負って50mほど登り返す羽目になった。その後はひたすら悪雪との格闘を続ける。
雪の切れるところまで何とか滑り降りて板を外した。いつもながら兼用靴で歩く下り坂は難儀だ。ストックで体を支えながら夏道をよちよちと下る。
登山口の階段を降りたところで、往路を辿るか、それとも林道に残る雪伝いにスキーで下るかの思案橋。赤テープの封鎖が頭を過ぎったが、えいままよと、林道を降りることにして再びスキーを履く。ショートカットの尾根道を見送り、林道を滑り降りて行く。
デブリでズタズタの林道 最後は清い流れに癒されて終了
しばらく下ると林道は雪崩防止柵を突き破って落下したブロックが、あちこちを寸断してもの凄い有様になっている。幸い雪は落ちきっているようだが、おっかなびっくりデブリの山を乗り越え通過する。やはり理由あっての赤テープ封鎖だったのだ。
雪を拾いながら滑って午後1時35分、登山口にやっとこ帰着。スキーと言う機動力がありながら2時間がかりの下山になってしまった。滑りが楽しかったのは山頂付近だけ。登山口からの標高差1200mほどの山にも関わらず、何故かえらく消耗した一日だった。
行動時間 7時間
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