和賀岳   秋田・岩手県 1439m       二百名山   
 

2018年10月4日(木)

 東北二百名山ツアー二日目は、秋田・岩手県境の真昼山地にあってマタギの山として知られる和賀岳。ガイドブックによれば、登山口は秋田県側の甘露水が一般的らしい。ヤマレコなどで岩手県側の高下からアプローチしている記録もよく目にするが、和賀川の増水時通行不能の可能性がある。台風一過ということもあり、ここは安全第一。より確実な甘露水から登ることにした。

 横手市郊外の宿泊先を早朝に発ち、真木渓谷の奥にある甘露水登山口へと向かった。昨日の尿前林道同様、未舗装で狭隘な林道を奥へ奥へと進み、登山届ポスト前の駐車スペースに車を止めた。関東ナンバーも含む車が数台あったので先行者がいるらしい。


これを見たときは先行者ありと少し安心したのだったが、、、


 早速支度をして6時10分に車を後にする。GPSが示す地図によればここからすぐに山へ分け入る登山道があるはず。しばらく林道を右往左往して登山口を探すが、それらしき踏み跡は何処にも見当たらない。仕方がないので林道をもう少し辿ってみることにした。暫くすると何のことはない、甘露水登山口の標識が出てきた。いい加減な、と言うより古い地図おかげで15分のタイムロスだ。


ブナの森を散策



和賀岳までは随分と距離がある


 登山道に入ると暫く杉林が続き、やがて見事なブナの森へととって変わった。登山道は一定勾配でつけられており、とても歩きやすい。地図によれば、沢を横切り一頻り登ったところに薬師岳避難小屋があるはずだが、結局見つからずじまい。帰宅後調べると取り壊されて跡地しかないとのことだった。スタート時の右往左往といい、完全に予習不足。お気軽ハイキングと甘く見て手抜きし過ぎた結果だ。

 単調なブナの森が少々食傷気味になってきた頃、薬師岳の山頂へと続く稜線上に出た。これまでの歩きやすい登山道とは打って変わり、腰ほどの高さのある下草が道を覆っている。しかも、夜露をたっぷりと蓄えているので下半身はずぶ濡れ。しかし、そんな不快感は気持ちよく開けた眺望が癒してくれる。横手盆地の遥か彼方には鳥海山が、近場に目をやれば薬師岳西面の紅葉が文句なしに素晴らしい。


下草で登山道が見えない



癒しの紅葉



和賀岳は遥か彼方



鳥海山遠望


 8時20分、信仰の山らしく祠のある薬師岳山頂に到着。ここから先は刈払いが十分とは言えず、それでなくとも薄い踏み跡が分かり辛い。隠れて見えない不意な段差によろけることもしばしばだ。この辺りで単独の先行者が遥か先を歩いているのが目視できた。


薬師岳山頂



薬師平へと向かう


 稜線上の大きな起伏を越えて小杉山に到着。ここで道は右に90度折れる。先行者のペースは早くとても追い付けそうにない。背中は遠のくばかりだ。


小鷲倉 当初これがゴールかと見間違えた



薬師岳を振り返る



紅葉が目に染みる


 小鷲倉を越えるとようやく和賀岳が照準に入ってきた。9時50分、二百名山69座目の頂に立った。色々と話しを伺おうと思っていたのに、山頂に先行者の姿は見当たらない。周囲を見渡すと何ともう高下へ向かう尾根を足早に歩いている。別の下山口でどのように帰りの足を確保するのか聞いてみたいが、残念ながらそれは叶わない。よく観察すれと同じ尾根上にもう二人登ってくるのが見えた。今は甘露水ルートよりも高下ルートの方がメジャーになっているのかも知れない。


和賀岳までもう一息 雲のかかった左の山は岩手山?




田沢湖を望む



高下へ向かう尾根



薬師岳に向け下山開始



名残惜しいが、お別れ


 予報通り天気は下り坂。空には不気味な雲が浮かび、鳥海山も雲の中だ。ランチを終えたら山頂に長居は無用。約8Kmに及ぶ長い道程を引き返さねばならない。紅葉に癒されながら黙々と歩き続け、結局誰一人すれ違う訳でもなく、12時55分車に帰着した。何と朝見た車はそのままだった。車の主の目的は山ではなく渓流釣りだったようだ。

 着替えを済ませ帰途に就いた。途中天童温泉で汗を流し夕食後仮眠。翌未明に無事帰宅した。それにしても車で遠征するには北東北は余りに遠かった。未踏二百名山には、さらに北に位置する白神岳や森吉山がまだ残っているが、次回は公共交通機関+レンタカーという選択にしようと心に決めたのだった。

行動時間  6時間45分


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