筑波山  茨城県 877m    百名山 

  

201073

 筑波山は私にとって特別な存在である。かつての住まいや勤務地が茨城県に近く、毎日のようにこの山を眺めて通勤していたからだ。子供がまだ小さい頃、手を引いて登ったことも一度ならずある。その後、転居し勤務地も都内に変わったが、この山に寄せる親近感は今も変わらない。実はこの山が百名山の一つであるということを知ったのは最近で、それまでのノスタルジーが、クリアすべきターゲットになってしまったわけである。その気になればいつでも行ける近場なので後回しにしていたが、たまたま茨城県方面に用事が出来たので、寄り道して登ってしまうことにした。

 首都高速から常磐道を乗りついで
1時間半足らず、登山口のある筑波神社に近い市営駐車場に車を停めた。千メートルに満たない低い山ではあるが、梅雨時だけあって麓から重苦しい雲に包まれている。今回は登山靴を履いて足元はしっかり固めるが、手にはカメラと傘だけという軽装。信条として機械力には出来るだけ頼らないことにしているのでケーブルカー使用は禁止、平行している御幸ケ原コースから登りにかかる。登山路は連日の雨でぬかるんではいるものの、ポピュラーなハイキングコースだけあって、とても良く整備されている。樹齢数百年はゆうに越えていると思われる杉林になかは薄暗い。暑さに加えて湿度が高いので空荷であってもすぐに汗だくになってしまう。途中先行していた何組かを追い抜いて山頂駅へは1時間15分ほどで着いた。

 山頂駅前は広場になっていて、グループ登山のご老人ハイカー達が大声で歓談していた。ここは素通りさせてもらい標高
871mの男体山へと向かう。あいにくの天気で頂上から眺望は全く得られないため、山頂の祠を一周してすぐに下山した。山頂駅の広場を横切って女体山へと向かう。途中カタクリの群生地があるが、開花季節ではないので残念。さらに進むとガマ石がある。そう言われればガマの雰囲気は確かにある。筑波山と言えば四六のガマで有名なのでそれに纏わる石の一つや二つがあっても当然だろう。筑波山の最高峰877mの女体山の山頂に到着。晴れていれば、ここから関東平野や富士山初め周辺の山々が一望できるのだが、今日は視界ゼロなのですぐに下山にかかる。ここから急な下りとなる。濡れた石が多いので足元には気をつけていたつもりだが、うっかり下ろした足が滑って背中から着地してしまった。いつもならザックがショックを吸収してくれるが、今回は背肉のみだったので流石に痛かった。この後も北斗岩、出船入船、弁慶の七戻り等、次から次に奇岩が登場するので面白い。やがてロープウエイのつつじヶ丘駅へ向かう「おたつ石」コースとの分岐に着く。見所は十分堪能したので筑波神社へ直接向かう白雲橋コースから下山することにした。多くのハイカーと行き交いながら筑波神社へ戻った。合計3時間足らず、これまでで最も歩行時間の短い百名山であった。



(せっかく撮った写真はどうした訳か全て消失、今回は文章のみ)

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