鶏冠山  甲武信ヶ岳 2115m、2475m      山梨百名山  日本百名山   
 

201511月21日(土)

 そろそろ初滑りを楽しみたいと思う今日この頃。残念ながら11月も末というのにお山は未だ夏姿のままだ。せっかく新調したのに出番のないスキーブーツを横目に履き古した登山靴を車に積み込み、近場の山へと向かうことにした。行先は山梨百名山の一つ、鶏冠山。山と高原地図では破線ルートですらないが、知る人ぞ知る名山。歩く人も結構いるようでそれなりに登山道の維持管理もなされているらしい。

 夜明け時刻に合わせて西沢渓谷の駐車場に到着。午前
620分、三々五々出発していくハイカーに交じって私も車を後にした。駐車場から眺めると西沢渓谷にかかるアーチ橋はまるで額縁。うまく納まった鶏冠山が絵のように様になっている。


       モルゲンロートに染まる鶏冠山              二俣吊橋を渡る


 しばらくは笛吹川沿いの遊歩道歩き。紅葉は半月遅れで望むべくもないが、落ち葉を踏んでの渓谷散策も悪くはない。荒廃の進む西沢山荘を過ぎると、間もなく二俣吊橋。この吊橋を渡ると、西沢渓谷の案内板の脇に小さく青地に白で「鶏冠山→」とあった。この案内に従い笛吹川右岸を進む。


           鶏冠山の案内                    東沢を渡渉する単独氏


 固定ロープを頼りに河原へ降り立つと、そこが鶏冠谷出会い。対岸の尾根に取りつくための渡渉ポイントだ。予想していたよりかなり水量が多い。何とか飛び石伝いに渡れないかと右往左往していると、後から来た人が潔く靴を脱いでさっさと渡ってしまった。私も観念して裸足になる。水位はせいぜい膝下程度だが、水は痺れるほど冷たい。


             鶏冠沢の入り口                 尾根に取りつく


 対岸で靴を履き、尾根への取りつき点となる鶏冠沢へと向かうが、ここで本日一回目の道迷い。鳥獣保護の赤い標識が見えたので、それにつられて奥へ入り込み過ぎてしまったのだ。沢は次第に廊下状になり、これは明らかにルートミスと気づく。引き返すと何のことはない、鶏冠沢の入り口からすぐの右岸に踏み跡があった。


          気持ちの良い小尾根を行く


 ここから暫くは日当たりの良い気持ちの良い尾根ながら、アキレス腱と脹脛が緩む間も無いほどの急登が続く。木の根っ子のジャングルジムや、積もり重なった落ち葉の迷路もある。

 標高
1700m辺り、「鶏冠山⇔広瀬」の標識を過ぎるとピンクのマーキングは左の山腹へ誘うようになる。踏み跡も良くわからないような荒れた急斜面を、時には四つん這いになって登る。そうこうしてようやく辿り着いた稜線、地面に刺さったストックには「チンネノコル」と表記されていた。


           左をトラバース気味に進む             結構険しい


 ここで気になるスマホの
DIY GPSをチェックすると、不安的中。地図上に現在地が示されておらず、ログも取れていない。前回同様、またもや設定ミスをしてしまったようだ。仕方ない、薄い踏み跡とピンクテープを頼りに前進するのみだ。


          急登を凌いで、、、                   チンンノコルに到着


 やがて第一岩峰直下に出た。巻道もあるようだが、鎖も下がっているし、スタンス、ホールド豊富であっさり越えることができた。続いて第二岩峰、これも難なくクリアできた。緊張の解けない険しい岩稜歩きだが、振り返れば何度眺めても飽くことのない富士山の秀麗なお姿。国師ヶ岳や乾徳山など、高度とともに増す素晴らしい景観が癒しになってくれる。


第一岩峰



高度感も十分



険しい岩稜が続く


第二岩峰


 この辺りで山頂を踏んで引き返してきた先ほどの単独氏と出会った。第三岩峰の様子を聞くと、直登は高度感にかなりビビったとのこと。ほどなくしてその第三岩峰直下に着いた。下から観察する限り何とか登れそうな気もするが、無理する理由は何一つ無い。迷わず巻道を選ぶ。

 第三岩峰 う回路は右手


 
945分、山頂到着。欠けたプラスティック片だけが頂であることを示してくれる。実は鶏冠山の山頂標柱は第三岩峰にあるのだが、パスしたので見逃してしまったのだ。今度こそゆっくり大パノラマを満喫しながら大休止。カロリー補給をして次のハードワークに備えておく。ここから眺める木賊山とその奥にある甲武信ヶ岳は随分と遠くに見え、ちょっと腰が引けてしまう。そうは言っても、再び岩峰群を越えて下山するのは真っ平なので先へ進むしかない。


          第三岩峰を巻いて、、、                鶏冠山山頂に到着



富士山 手前は乾徳山



まだまだ遠い甲武信ヶ岳(真ん中)と木賊山(右)


 山頂からは両側がすっぱりと切れた痩せ尾根となる。そこに密生したシャクナゲの枝を押しのけながらの前進。時には跳ね返ってきた枝で顔にビンタされることもあるので油断できない。踏み跡はさらに薄くなり、ともすればデッドエンドの枝道に踏み込んでしまう。こうした道は行きつ戻りつ
2度踏まれるので本道よりもっともらしく始末に悪いのだ。私も枝道作りに随分と貢献してしまった。


         シャクナゲの密林を抜け、、、             倒木を跨ぎ、、、


 倒木も無数にあり乗り越えたり、跨いだりと体力を消耗させられる。木賊山が近くなると植生が変化してきた。樹間が広がり、地衣類がシャクナゲに取って代わるようになったのだ。これでずっと歩き易くなった。


           癒しの空間もあり、、、               そして、、、都会に出た


 
12時ちょうどに木賊山山頂近くの登山道に合流。あたかも田んぼのあぜ道から都会の舗装道路に出たようなものだ。それまでの静寂が嘘のようにハイカーが行き交っている。木賊山山頂で暫しの休憩。地図と時計に相談し、せっかくの機会なので日本百名山を表敬訪問することにした。


          甲武信ヶ岳へと向かう                 甲武信小屋は素通り


 重い足を引きずり、木賊山から
30分。2年ぶり3度目の甲武信ヶ岳山頂に立った。流石に2500m近いので風が冷たい。フリースを着込んで2度目のランチタイム。ひっきりなしにハイカーが訪れるので余りゆっくりもしていられない。疲労もあるし天気もやや下り坂、山頂からは徳ちゃん新道経由最短コースで下山することにした。


           久しぶりの甲武信ヶ岳               北側から眺める富士山はシンメトリック



金峰山方面



雲海上の八ヶ岳



        木賊山から眺める鶏冠山は平凡            徳ちゃん新道をどんどん下る


 下山の際も鶏冠山とは大違い。三連休の初日のせいか、テント装備の大荷物で登ってくる人達が引きも切らない。この分だと甲武信小屋もテント場も身動きできないほど大入り満員だろう。やはりモンベルの商標ではないが、
Light&Fastで日帰りするに限るのだ。駐車場帰着は午後345分。


行動時間  
9時間25


Map
操作ミスでログ失敗したので手書き
あくまで参考まで
 Track
同左
Weather  Map 
  トップ                         山歩き 
inserted by FC2 system