東京湾房総半島周回       
 

20148月19日(火)

 還暦をとうに過ぎてから、若い頃にはやりたくても、お金や時間の余裕がなくて出来なかったことにチャレンジしている。自転車旅行で「青春する」こともその一つ。今回は東京湾と房総半島を二日かけてぐるりと一周した。

 房総半島の長い海岸線はどこも風光明美だが、季節がら交通量が多いので遠慮し、敢えて半島中央部の山間の道を選んでみた。千葉県は全国の都道府県の中で唯一標高
500mを越える山を持たない県。その低山のなかで3番目に標高の高い鹿野山379mを通るルートだ。

 午前
3時過ぎに都内の自宅を出発。交通量が少なくて涼しいうちに出来るだけ距離を稼げるよう早起きした。安全のため自転車の前後のライトを盛大に点灯してせっせとペダルを踏む。


          丸子橋から望むビル群の光                            桜木町駅を通過


 みなとみらいまではトレーニングがてら通い慣れた道、何事もなく順調に通過。桜木町を過ぎて
16号線に入る予定がミスコースして不必要に中区を遠回りしてしまった。それ以外は特にトラブルもなく曙の湘南サイクリングを楽しんだ。この界隈は私にとって数十年ぶり。こんなにも瀟洒だったかと思うほど、電線を埋設してすっきりとした街並みが美しい。


              金沢八景                                   横須賀市内


 夜がすっかり明けると行き交う車や人が増えてきた。ひたすら
16号線を南下し、横須賀から久里浜へと至る。フェリー乗り場には645分到着。残念ながら予定していた620分出航の始発には間に合わなかった。次便は720分。待ち時間を利用し、ターミナルの食堂でしっかり朝飯をとっておく。


           久里浜まで後4Km                               フェリー乗り場に到着


 遊園地で乗り物に待ちきれない子供のようにフェリーには先頭を切って乗船。最上階デッキに陣取って久々の船旅を満喫した。船は
40分ほどかけて浦賀水道を横断し、対岸の金谷へと移動する。雨続きの西日本の方々には申し訳ないほどのピーカンだ。抜けるような青空の下、行く手には青々した房総の山並み、振り返れば夏富士という東京湾ならではの景観を楽しむことができた。


              しらはま丸に乗船                               最上階デッキ



空中浮遊するカモメに餌をやる親子 バックには富士山



房総の山並みが近くなる


 金谷からは再び自らの二本の足が頼り。ペダルを漕いで内房の海岸線沿いの
127号線を北上する。左側ぎりぎりまですり寄って追い越す、心無いトラックに何度か肝を冷やして富津市へ。


           フェリーを下船し、、、                            内房海岸線を北上する


 ここから
93号線を辿って内陸へと向かう。行き交う車の数は激減したが、その代りに待ち構えていたのは、海抜ゼロから標高350mまで一気に登る激坂。幸い、うっそうと茂った木々のトンネルが多少なりとも暑さを和らげてくれるのが救いだ。


         内陸へ入ると水色から黄金色へ                        ヒルクライムの始まり       


 350m足らずのヒルクライムながら、汗びっしょりになって最高地点のマザー牧場に到着。眼下に広がる東京湾の眺めが素晴らしい。鹿野山のピークは白鳥神社境内にあるらしいが割愛し、眺めの良い鹿野山九十九谷の展望台まで行って小休止する。


東京湾と富士山



   その昔、子供を連れて来て以来、何十年ぶりだろうか。。。



           展望が素晴らしい


 「天下の奇観」とやらで、朝夕に広がる雲海上の山並みが素晴らしいのだそうな。展望台からは
300mの激下り。その後はアップダウンの連続する道を行く。主要幹線ではないので、交通量が少ないのが何より有難い。410号線をのんびり走って久留里から32号線へ。小湊鉄道と並行して走るようになる。


        こうしたトンネルをいくつも抜ける                           大多喜町に入った



           川のせせらぎもあり                             いすみの米どころ        


 大多喜町の標識が出てくると本日のゴールのいすみ市は間もなくだ。黄金色に輝く田んぼが次々に現れて夏の終わりを感じさせてくれる。夷隅川河口に近い宿には午後
115分に到着。早速風呂で汗を流してからお決まりのビール。500mlふた缶があっという間に空になってしまった。


行動時間  10時間
走行距離  154Km
平均速度  15.2Km/H
獲得標高  2600mGPSの記録上はこの数字だが信憑性は???)


820日(水)

 昨日同様早起きして、まだ夜の明けやらぬ午前410分に宿を後にする。最初の目的地は茂原。海岸沿いを走る128号線が一番近道だがトラックが多いので、多少の遠回りを覚悟で内陸の間道を行く。行き交う車はもちろん、信号機も殆ど無いローディにとっては天国のような道。

 しかし、それも茂原の市街地が近付くと様変わり。交通量が格段に増えてきた。茂原街道に入ると、さらに状況は悪化。幅員の狭い道をトラックや大型バスに怯えながら走るようになる。大半の車は大きく膨らんで私を避けてくれるのだが、中には恨みでもあるかのように全く無視して追い越して行くやつもいて、そんな時は生きた心地がしない。


              太平洋の日の出                            あちこち渋滞だらけ           


 長柄近くの坂道では耐えかねて、草の生い茂った歩道に退避させられる始末。ロングライドのベテランは車とどう共存しているのだろうか。そもそも私が選択したルートが間違いだったのだろうか。

 それでも千葉が近くなると車道が広くなるので大分走り易くなった。と思えばまた試練。
14号線など高速道路沿いの幹線道路はそもそも自転車走行を全く想定していないつくりになっている。車線を走ることに疲れ、裏道に逸れることにした。ママチャリと一緒に走る方がよほど気楽だ。

 スマホの電源が切れてしまい、ナビが使えなくなったので五感を総動員しての勘ナビ走行。これはこれで楽しい。どこをどう走行しているのか良くわからないままペダルを漕ぎ続けていると、ひょっこり永代通りに出た。行き先表示に日本橋とあったのでようやく東京に帰ってきたとの実感が湧く。


           旧江戸川を渡り、、、                             江戸に帰ってきた。。。



             永代橋を渡り、、、                          新装なった東京駅に到着


 永代橋を渡りなおも直進。大手町へと直行する。東京駅に到着してようやく今回のロングライドも最終章。後は自宅まで流して今回の東京湾、房総の旅を無事終えることが出来た。山とは別の意味で怖い思いをさせられるが、やり遂げた後の達成感は同質のもの。これでこの夏予定していた自転車旅行に一区切りついたので、そろそろお山に復帰かな。。。



行動時間  6時間25
走行距離  116Km
平均速度  17.8Km/H
獲得標高  1394mGPSの記録上)


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