天狗岳  長野県 2646m     二百名山
 20111210

 百名山を終えて以来、相変わらず身体の不調が続いているが、あちらが痛い、こちらがシンドイと嘆いてばかりいても仕方がない。山のフィトンチッドは必ずヒーリング効果をもたらしてくれるのだ。こう信じつつ、一年ぶりに八ヶ岳に出かけることにした。行き先は昨年の同時期にも登った天狗岳。コースも全く同じで、唐沢鉱泉から西天狗、東天狗の周回コースだ。

 昨日の低気圧通過で山には結構な雪が積もったらしい。山麓の三井の森辺りからすっかり雪景色となった。唐沢鉱泉にはまだ薄暗い
630分に到着。車の外気温計はマイナス9度を示している。2度ほどプラス方向の誤差があるので、おそらくマイナス10度を下回っているだろう(帰宅後夏沢鉱泉のHPをチェックすると朝7時の気温はマイナス13度とあった)。

 身支度を整えて
650分に出発、西尾根へと進む。真新しい踏み跡から見てどうやら先を歩いている人がいるようだ。昨日降った積もった雪が20cmほど。昨年もそうだったが石のごろごろした道は、新雪のカモフラージュで落とし穴だらけだ。滑ったり、石と石の間にはまったりでどうにも歩き辛い。リハビリ中なのでゆっくりと歩を運ぶが、それでもすぐに額に汗が浮かんできた。


             雪の唐沢鉱泉                        世が明けて間もなくまだモノクロの世界


 標高
2400mの第一展望台まで、標高差550mを一気に登る。昨年と同じコースなので新味は無いが、何となく感じが違う。尾根筋に出てみて理由がようやくわかった。風が穏やかなのだ。前回はゴーッと風の吹きすさぶ音がしていたが、今回はそれがない。高度が上がるにつれて八ヶ岳の盟主、赤岳が姿を現してきた。逆光なのが残念。反対側の蓼科山へと続く北八ヶ岳の山並みも、すっかり白化粧して素晴らしい眺めだ。昨年はこの辺りでアイゼンを付けたが、ふかふか雪が続きそうだし、今回はノーアイゼンとする。心配していた足腰のトラブルも問題なさそうだ。


       赤岳方面が開けてきたが逆光で見にくい                     凍てついた第一展望台



粉をまぶしたような蓼科山



西天狗岳が目前


 目の前にそそり立つ西天狗岳、背後の南アルプス、中央アルプス等々の冬景色を楽しみながら、ゆるゆると高度を上げて行く。しばらくフラットな道が続いた後、西天狗岳への最後の登りになる。穏やかといってもやはり冬の山、山頂近くなると強い風に雪煙が舞っていて、トレースはすぐに消されてしまう。景色に見とれて歩いていたら、いつの間にかハイマツ帯に入り込んでしまった。風を避けるため無意識に左側に回り込み過ぎたらしい。急斜面で、かつ不安定なハイマツの枝から枝へと渡っていくのに一苦労。最後に余計な道草をしてしまったが、唐沢鉱泉から
2時間かけて西天狗岳の山頂に着いた。素晴らしい天気にも恵まれ、文句なしの大絶景だ。ただ寒いので長居はできない。


              樹氷が美しい                             赤岳をバックに西天狗山頂



赤岳は何度見ても良し



北アルプスは晴れているようないないような。。。



南アルプス方面はクリア、中央アルプスには雲がかかっている


 写真をとってすぐに東天狗岳へと向かう。ここでようやく東天狗岳の山頂直下を登る先行者の姿をとらえることができた。西天狗岳からの下りは、例年の通り吹き溜まりになっている。膝までの雪を掻き分けながら進む。鞍部から東天狗岳への登りはクラストした雪なので歩きやすい。東天狗岳へは
20分ほど。頂きに着いたらランチにするつもりでいたが、風が冷たくてとてもゆっくりする気にはならない。すきっ腹を抱えながら、すぐに下山開始。


             東天狗岳へ向かう鞍部より                           東天狗岳山頂


 蓼科山へと続く真っ白な森へ向けてダイビングするような下り道だ。この頃になると対面するハイカーが多くなってきた。皆さん、申し合わせたように目出帽にサングラス、アイゼン履きだが、私は安物の毛糸の帽子にノーアイゼン。感度の鈍った老眼に厚い面の皮、それにふかふか新雪なので、へっぴり腰のキックステップでも大丈夫なのだ。


西天狗岳を振り返る



中山峠を目指して下る


 左手に西天狗岳を見ながらどんどん下り続ける。中山峠まで来て、ランチタイムとする。テルモスのホットティーに甘いクッキーが元気をくれる。ここからは単調な森の中を黙々と下るのみだ。何度かスリップして尻餅をつきながら歩き続け、午後一時を回ったところで唐沢温泉に帰着した。


               中山峠で一休み                         黒百合ヒュッテにはテント組も


行動時間  6時間10分
歩行時間  5時間50分



後記

 今回もホカロンをインナーの袖に貼り付けてみたが、明らかな保温効果があった。年のせいか寒さで手先がすぐに痺れてしまうので、しっかりした防寒対策が必要なのだ。心配していた股関節や膝の痛みには悩まされなかった反面、雪に散々足をとられ
10月に捻挫した足首の痛みが再発してしまった。素晴らしい冬景色を堪能できたので、プラスマイナスでまずまずの結果と言ったところか。


 Map Track   
Weather  Map
       トップ        山歩き
inserted by FC2 system