光岳  静岡、長野県 2591m   百名山
  



2010918

 ネットの登山記録を見ていると百名山のなかであまり評判の芳しくない山が幾つかある。よくワーストランキングに登場するのは恵那山、それと光岳だ。どちらも樹林限界を超えていないので山頂からの展望に恵まれていないというのが共通項なのだが、今回はこの2つの山を二日間シリーズで登ることにする。これらの山を並べて見たら不人気の理由がわかるかも知れない。或いはどちらかの良さが光るのではないかと思う。

 
自宅を午前零時前に出発する。昨年の聖岳の経験から今回は松川ICではなく飯田ICまで行って中央道を降りた。上島トンネルから易老渡への林道に入る。20km近い悪路であるが一度経験しているので勝手知ったる路、不安はない。それでもヘッドライトにいきなり日本カモシカが浮かびあがったりするので運転は慎重にしないと。易老渡に到着するといきなり人口過密になった。多くの車でごったがえしている。駐車場は既に満杯だったので少し引き返し道路わきにスペースを見つけて車を停めた。

 
5時過ぎに歩き始めた。山頂近くに水場があるのだが、涸れている心配もあるので今回は2.5Lの水を持っていくことにした。おかげで日帰りのザックがいつもよりちょっと重い。遠山川にかかる橋を渡りすぐに登りになるはずが、沢沿いにどんどん行ってしまう。すぐに間違いに気がついて引き返したが10分のロスだ。暗くて分岐の案内を見落としたらしい。まったくこんな調子では先が思いやられる。分岐からはいきなりジグザグの急坂だ。最初はゆっくりしたペースを心がけ体の慣らし運転を行う。次第にペースを上げて額から汗が落ちる頃、21名の団体さんに追いついた。賑やかな方々で追い越しがてら色々と話をすると彼らも光岳ピストンらしい。その後、トレラン氏が追いつき追い抜いて行った。歩いても息が切れるこの急坂を駆け登る人が居るとは驚きだ。



      遠山川を渡って登山道へと入る(下山時撮影)           いかにもフィットチッド「が充満していそうな森




            聖岳方面への分岐                           冴えない易老岳の山頂



 
面平に着くと勾配が緩むので一息つくことが出来る。しかしそれもつかの間、また胸を突く急坂が始まる。途中北側の視界が開けるのだが、ガスがかかってすぐに見えなくなってしまった。3時間ちょっとで易老岳に着いた。茶臼岳、光岳との分岐標識の奥が頂上だ。ちょっと早いがここで第一回目の昼食とする。ここからしばらくシダが生い茂る稜線を下っていく。およそ100m位高度を下げてから再び登りになる。今度は沢床のような石のゴロゴロした路だ。易老岳の道では登山者と行き交うようになった。昨晩光岳小屋に宿泊した人達らしい。ゴーロが終わると斜度は緩やかになり水場があった。細い流れだが、冷たくておいしい。

 イザルヶ岳への案内表示辺りから木道が始まる。しばらく進むと光岳小屋に着くが素通りして山頂へと向かう。山頂到着は
10時半。近くの展望台からはイザルヶ岳と光石がガスの合間に見え隠れしている。やはり展望のない山はつまらない。むしろイザルヶ岳の方が、遮蔽物がないので山頂としては魅力的か。何枚かシャッターを切ってすぐに下山を始めた。途中でイザルヶ岳にちょっと寄り道をしてみる。ガスが無ければ聖岳が眺められそうだ。再び木道へと戻り下山を続ける。ゴーロを下っていると先ほどの団体さんだ。最後の登りがきついようで皆さん、先ほどの元気はない。この後も次から次に光岳を目指すハイカーとすれ違うようになった。ようやく3連休の初日らしくなってきた。今夜の光岳小屋は相当な混雑だろう。易老岳から易老渡への下りは太腿の筋肉を総動員だ。前の方に下る人のクマよけの鈴が鳴り響いているが、音はすれども姿は見えず。とうとう最後まで追いつけなかった。面平を過ぎるとようやく沢音が近くなってゴールも間近だ。午後240分に易老渡に帰着した。




            石のゴロゴロした光岳への道                 一瞬晴れ間が覗き期待したのだが。。。




              静高平への登り                           流れは細いがおいしい水場




           光岳小屋はもうすぐ                            樹木に囲まれた山頂




         光石が見えるがわざわざ行く気がしない                      光小屋




          イザルヶ岳の山頂                                南限のはい松



イザルヶ岳から光岳を展望する




 ガスで展望の利かない日だったので、フェアな評価はできないが、確かに光岳は樹林帯のなかの急坂を黙々と登り降りして苦労する割に得られる眺望が限られているのでアルペン好みの人には面白みには欠けるだろう。敢えて言うならば、苔むした森がチャームポイントで充満するフィトンチッドを実感してそれで好しとするシブい玄人向きの山かも知れない。個人的には今回で十分満足したので、リベンジはしないつもりだ。

 
次の目標の恵那山へ向かう前に152号線を天龍村の方に向かったところにある道の駅「かぐらの湯」に寄った。600円の入浴料で露天風呂から滝シャワーやジャグジーを十分楽しめた。余程今晩はここに車中泊しようと思うぐらい気に入ったが、翌日の行程を考えて阿智村へと向かうことにした。


行動時間        9時間30
歩行時間        9時間
歩行距離        22km

標準CT          13時間35


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