太郎山   栃木県 2368m          三百名山
 

2017年10月17日(火)

 本来長続きしないはずの秋霖なのに今年は例外らしい。衛星写真を見ると、弓なりになった秋雨前線が、同じく弓なりの日本列島上にぴったり重なるようにして居座っている。

 連日のそぼ降る雨にいい加減ウンザリしていると、ようやくこの忌まわしい前線が南下し、天気は一時的に回復との予報。前線が遠ざかる北へ行けば行くほど天気の回復が早いのだが、都合により遠出は無理。そこで自宅から200Km圏内と比較的近場で、かつ紅葉が見頃を迎えている日光の太郎山を歩くことにした。

 午前6時に戦場ヶ原の先にある光徳温泉に到着。GPV気象予報によれば、そろそろ雨雲は抜けるはずなのに、まだ強い雨が降り続いている。この温泉を起点にして山王帽子山、太郎山と縦走し、裏男体林道へと周回するつもりだったが、この調子では出発がかなり遅れそうだ。帰宅時間の縛りがあるため、少々物足りないが、今回は山王峠から太郎山を往復するだけにした。

 再びハンドルを握り奥鬼怒林道を登って行くと、峠から数百メートル手前のところに格好の駐車スペースがあった。ここで暫く待機。天候回復への期待もむなしく、雨はなかなか降りやまない。痺れを切らして7時30分、小雨が降り続くなか車を後にした。


雨が上がるのを待ちきれず歩き出す


 うっかりすると通り過ぎてしまいそうな地味な登山口に足を踏み入れると、辺り一面は登山道の見分けがつかないほどの笹原だった。例によって強烈な笹の葉シャワーの洗礼を浴びる羽目になった。今日はお手軽ハイキングと甘く見て、カッパは上着しか持ってこなかったので、無防備な下半身はものの数分でびしょ濡れだ。トレッキングシューズも敢え無く浸水しグッチョグチョ。


登山口 早速笹の葉シャワーの洗礼を浴びる



ずっとこんな感じ 登山道が見えないので足探りで前進


 そんな半身浴状態の笹漕ぎに励んでいるうちに、ようやく雨が上がってきた。出発から約1時間で最初のピーク、山王帽子山に着いた。振り返ると高曇りの空の下に薄く雪化粧した日光の最高峰、白根山の姿があった。ちょうど4年前の同じ日に、同じように冠雪した白根山を歩いたことを思い出す。


(初?)冠雪した白根山



 進行方向には樹間から太郎山が垣間見える。残念ながらこちらには雪化粧は見られず、スッピンのまま。今回は初雪を踏めそうにない。山王帽子山から標高差150mほどを下って鞍部へと向かう。


太郎山には雪が無かった



太郎山との鞍部


 時折吹き抜ける強い風に、濡れた身体からどんどん体温が奪われてしまう。手袋も濡れているので手先も悴んできた。低体温症は無論のこと風邪も引きたくないので、ウエアをもう一枚着込み、手袋も予備と交換しておく。

 太郎山へは標高差400m強の登り。この時間になると雨はすっかり上がり、青空も覗くようになった。急登にもめげず、モチベーションも急騰。鞍部から小1時間ほどで小太郎山に到着した。


右手のピークが太郎山



男体山と中禅寺湖



白根山の雪は少し融けたような、、、


 太郎山は目前、もう一息だ。左に回り込むようにして岩の痩せ尾根を慎重に通過し、10時ちょうどに山頂に立った。目の前に広がる雄大な展望は期待通りだった。男体山から女峰山にかけての日光表連山が一望の下にある。


太郎山へ伸びる岩尾根




女峰山


 険峻なアルプスとは一味違う、紅葉に染まる広大な裾野を従えた山容はここだけのものだ。貸し切りの頂で思う存分眺望を満喫し、ゆっくり帰途に就いたのだった。


行動時間  4時間40分

後記
 今回もGPS異常が止まらない。衛星信号ロストはすっかり恒例になってしまった。やはりこの機種特有の何らかの不具合があるのだろうか。。。



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