丹沢山   神奈川県 1567m           百名山 
 


2018年1月21日(日)

 このところ気温が高かった上、まとまった積雪も無く、パウダーは期待薄なので雪山はお休み。代わりに近場の丹沢で足腰のトレーニングをすることにした。若かりし頃よく通った丹沢は、メジャーな登山道は歩き尽くしているし、休日はどこもハイカーで大賑わい。

 少し静かに歩けるところはないかと、色々物色していると林業の作業道を歩いている記録があった。こうしたマイナールートはもとよりハイカー向けの登山道ではないので、山と高原地図には何も記載されていない。今回は中津川の塩水橋を起点にそうした作業道の尾根を登降してみることとした。

 「すれ違い困難」の警告板をいくつも目にする狭隘な秦野清川線を抜け、夜明け前に塩水橋に到着。流石人気のエリア、橋の先にある路肩のスペースには既に何台か駐車していた。ちなみにこの路線は2月18日から一か月災害防止工事のため閉鎖されるとのこと。宮ケ瀬からは塩水橋にアプローチできないということになる。

 早速朝食、身支度といつものルーティンを済ませ6時45分に車を後にする。これから取り付くのは、丹沢三峰の一つ、本間ノ頭から南東に派生する小尾根だ。


塩水橋をスタート 駐車スペースは左手奥にもある


 駐車スペースから一旦塩水橋へと戻り、塩水川左岸の小道から入山。薄い踏み跡を追って急斜面を登って行く。獣害防止柵が出てきた辺りで一旦踏み跡を見失ったが、目を凝らすと柵の向こう側にピンクのテープが見えた。近くの梯子を攀じ登り柵を越える。


藪も無く歩き易い尾根



オーバーハング気味の梯子で柵越え


 その後も容赦の無い急登が続く。踏み跡は作業道らしく時折左右に分岐していくので紛らわしい。ともかく尾根を外さないように登っていくと宮ケ瀬湖が眼下に望める広い尾根に出た。生憎の曇り空。眺望も今一つだ。


標高1000m辺りには見事な巨木が多数



広い尾根に出た いかにも丹沢らしい風景


 9時ちょうどに本間ノ頭(東峰)に到着。稜線につけられた道は、これまでのワイルドさとは打って変わり、立派な木道や真新しい階段など、実に良く整備されている。宮ケ瀬に下山するハイカー数名と出会うななど、人の往来もあった。


本間ノ頭に到着



蛭ヶ岳の山頂付近は前日の降雪で真っ白



真新しい木の階段にはこんなフィギャーも



あと200mで山頂


 10時30分、丹沢山の頂に立った。期待していた真っ白に冠雪した富士山は、薄曇りでその姿を拝めず残念。標高1600mの風は冷たく、じっとしていると背筋がゾクゾクしてくる。


バックに富士山を撮るつもりだったのだが。。。



広々した山頂



蛭ヶ岳方面


 手早くランチを済ませ行動再開。塔ノ岳に向かって歩き出すと、ハイカーが頻繁に行き交い、流石は丹沢主脈だ。30分ほど歩いたところで日高のピークに到着。今度はここから東に派生する小尾根を下山するのだ。踏み跡を辿って暫くは痩せた尾根筋を下る。


丹沢主脈を歩く



ここから下山 意外にしっかりと踏まれた道があった



冬枯れの尾根を下る


 道が比較的しっかりしていたのは1331mピークの寿岳まで。ピンクのテープを頼りに進んでいくといつしか踏み跡が無くなり、沢に向かって急下降していく。これは明らかにおかしいとGPSを見ると、降りるべき尾根とは正反対の方角へ向かっている。このままではオバケ沢の源頭部に降りてしまう。


寿岳


 一旦登り返し、ピンクテープは無視してGPSの指示通りに進む。脆く崩れそうな沢の源頭部を慎重にトラバースすると再び踏み跡が現れたので、ひとまず一安心。ここからは杉林の中につけられたジグザグの作業道を下っていく。この区間は、直線距離1000m、標高差600m。60%勾配、つまりは平均斜度31度なので相当な急下降だ。それがウンザリするほど延々と続く。


杉林を延々と下る


 尾根の末端まで降りたところで再び道を失い、本谷林道を真下に見る崖上に出てしまった。降りれそうなところを探して暫くウロウロ。最後は高さ2mの壁をずり落ちて林道に下り立った。


林道に降りたいが崖


 この尾根で出会ったハイカーは一人。「こんな尾根を歩く(物好きな)人がいるんですね。お互いに」と言って笑い合ったのだった。50分ほどの林道歩きを経て塩水橋に帰着。たまにはこうしたマニアックなルートを散策する山歩きも悪くない。但し東丹沢のこの地域は、ヤマビルの生息地なので冬場以外はお勧めできないが。


行動時間  6時間50分


後記

 後日入手した「東丹沢登山詳細図」によると今回歩いた尾根には立派な名前がついていた。登路は「本間ノ頭南東尾根」、下山路は「日高東尾根」とのこと。他にも楽しめそうなマイナールートが色々と記載されているので、今後の丹沢歩きの参考にしてみたい。



  
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