丹沢山  神奈川県 1567m    百名山  
 

2012929

 キリマンジャロから戻ってあっと言う間に10日近くが過ぎてしまった。赤茶けて乾燥の極みにある彼の地と比べて、日本は何としっとりして緑鮮やかなのだろう。まだ夏の残り香があるうちにそんな緑豊かな日本の山を堪能しようと、台風の合間を縫って丹沢に出かけた。

 足慣らし程度の軽いハイキングのつもりが、いつもの貧乏根性丸出しで
26kmものガッツリ山歩きになってしまった。選んだコースは丹沢山塊北端の宮ケ瀬から丹沢山を往復するもの。ここは40年以上も昔、せっせと通ってよく歩いたものだ。重荷を背負って丹沢山、塔ノ岳と越えて大倉へ下山するのが、当時私にとって定番のトレーニングコースだった。

 朝
6時に懐かしの宮ケ瀬に到着。宮ケ瀬ダムが出来たりして昔のひなびた面影は全く感じられない。ビジターセンター近くの有料駐車場に車を止めた。ここから登山口まで結構な距離があるが、登山口周辺に車を置くスペースが無いので仕方がない。

 6
30分出発。てくてくと舗装道路を歩いて登山口へと向かう。私の他にハイカーらしき姿は全く見られない。余り人気が無いのか、電柱脇にくたびれた標識があるのみで、ちょっと寂しい登山口だ。


             うらぶれた登山口                          これは何時のことだろうか


 登山口に至るまで昔は無かったヤマビル注意の標識がやたらに目に付いた。どうやら増え続けるシカが媒介して生息地域が急拡大しているらしい。最近は西丹沢や近隣の農地にまで被害が広がっている由。実は私もその被害者の一人。どこで侵入したのか、帰宅後チェックしたら腰と足の
3ヶ所に血を吸われた跡があった。

 歩き出してしばらくすると丹沢山まで
10.7kmの標識が現れた。元気いっぱいの若かりし頃はあまり意識したこともなかったが、あらためてこのコースは主脈にも匹敵する長丁場であることを実感した。


          10kmを越える標識は久しぶり                     登山口はしょぼいが中は立派


 丹沢山まで
7.4kmの地点で高畑山と巻道の分岐があった。せっかくなので高畑山に登ってみた。しっかりした踏み跡は登り始めだけ。それが次第に薄くなって山頂付近に至っては背の高い草が生い茂り、踏み跡は無きに等しい。


             高畑山、巻道の分岐                             草ぼうぼうの山頂


 登って損をした感のある高畑山からしばらく下って再び巻道と合流する縦走路へと戻った。どうやら天気は下り坂。山並みの上の方はガスで隠れ始めている。一方下界の方はまだ視界十分だ。振り返ると宮ケ瀬湖と相模原方面、さらには横浜のランドマークタワーらしきビル群の遠景が広がっていた。


           ガスに覆われる山々                              宮ケ瀬、相模原方面


 しばらく急坂が続き、標高
1345mの本間ノ頭に着いた。ここは丹沢三峰のアップダウンの起点になる山。これから円山木ノ頭、太礼ノ頭、瀬戸沢ノ頭と超えていく。


               本間ノ頭                                   ガスに煙っている


 幸い天気は持ち直してガスの密度は少し薄くなってきたようだ。青空が顔を出すようになったし、雲の切れ間ら蛭ヶ岳が姿を現した。


蛭ヶ岳


 もう10月になろうとするのに、この辺り木々はまだ青々と新緑の美しさを保っていて目を楽しませてくれる。やがて登山道は塩水橋からの道と合流。頂上はもうすぐ近くだ。ここまですれ違ったハイカーは数名のみ。期待通り昔と変わらない静かなコースだった。


美しい緑その一



美しい緑その二


 
1110分、標高1567mの丹沢山に到着。山頂は既に大勢のハイカーで賑わっていた。ベンチには空きスペースは無かったので、草地の片隅で簡単にランチを済ませた。せめて富士山に表敬をと思ったが、残念ながら雲の合間から少しだけご尊顔を拝したのみだ。


              賑わう丹沢山山頂                            富士山は雲の中


 帰路も長丁場、景色は諦めてすぐに下山にかかった。宮ケ瀬への尾根道は展望に乏しいし、同じ道では興が無いので塩水橋経由としてみた。延々と続く木道を辿って一気に標高を下げる。塩水橋のゲートにはあっさりと着いたが、ここからが実に長かった。


          木道は意外に歩きにくい                                 塩水橋


 狭い道をがんがん飛ばす車やバイク等、思っていた以上に交通量が多くて煩わしい。排気ガスを浴びながら黙々と下り続け、
1440分に駐車場に帰着した。


行動時間 8時間10
歩行時間 7時間45


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