谷川岳   群馬・新潟県 1977m          百名山
 

2013116日(水)

 紅葉ハントの山歩き第二弾は谷川岳。日帰りで吾策新道から私にとって初登頂となる万太郎山、谷川岳と回って茂倉新道から下山するという欲張り周遊プランだ。標準CT13時間となっているので相当気合を入れて歩かないと日が暮れてしまう。
 例によって深夜に自宅を出発し、まだ夜の明けやらぬ土樽に到着。山と高原地図にある
P100台がわからず、関越自動車道と並行して走る一般道をしばらくうろうろしてしまう。車一台がやっとの山道を抜けてやっと到着した駐車場はダートながらかなりの広さだ。そこにポツンとあるのは私の車一台だけ。今日は静かな山歩きができそうだ。

 諸々支度をして午前
610分、車を後にする。今日は周回コースなので茂倉新道、吾策新道のどちらを登路に選んでもOKだが、前者からスタートすると、後者を下ってきてから最後に標高差50mほどを登り返さないといけない。やはり最後は楽をしたいので吾作新道から登ることにする。

 土樽方向に一旦下り、高速の橋桁をくぐって登山口へと続く林道に出る。周囲の山々の紅葉は、まだ日が差さないのでくすんで見えるがそれでも十分に見ごたえがある。登山口近くの駐車スペースには群馬ナンバーの車があって、持ち主はパンツ一丁となって着替え中。どうやら今日は全くの貸切という訳ではなさそうだ。


            土樽へ向かって下山                             蓬新道との分岐



            登山口へと向かう林道                           吾策新道登山口


 ふかふかの落ち葉を踏みしめながら登り始める。すぐに容赦のない急登が始り、万太郎尾根に登り上げるまで続く。すでに葉の落ちたブナ林なので展望がきくのがせめてもの救いだ。朝もやに煙る谷川岳を眺めながらどんどん高度を上げていく。


              落ち葉の絨毯                            谷川岳への展望が開ける


 稜線に出ると薄く雪化粧した仙ノ倉山が姿を現した。暫くはフラットな尾根道なので一息つけるが、それも一時だけ。井戸小屋沢ノ頭から一旦鞍部に下ってからは、所々に固定ロープが張られた岩稜の急登になる。日の当たらない北側斜面なので融けた雪が凍って滑りやすく要注意だ。


         万太郎山(山頂はもっと奥にある)                仙ノ倉山(左側のピークはエビス大黒ノ頭?)



             固定ロープの岩場                           山頂まであとひと頑張り


 下からはいかにも山頂に見えた岩峰を越えると、実際の山頂はまだずっと先にあってガックリする。歩き始めから
3時間20分、万太郎山の頂きに立った。体がよろめく程風が強いので長居はしていられない。彼方に聳える谷川岳に至る長い道程にうんざりしながら縦走路を歩き出す。


            朝もやの谷川岳                                 万太郎山山頂



谷川岳への道程は遠い


 遮るもののない稜線なのでどこにいても風あたりが強い。そろそろガス欠の予兆が出て来た頃合に大障子避難小屋に到着。中に入って小休止、行動食を摂ってまだまだ続く長丁場に備えた。


            大障子避難小屋                              オジカ沢ノ頭へと向かう


 万太郎山から谷川岳への稜線は地図上ではそれ程とは思わなかったが、実際はかなりのアップダウンがある。帰宅後
GPSトラックデータをチェックすると万太郎山からオキの耳まで累積標高差はざっと600mほどもあった。

 肩の小屋に着くとそこは今までとは別世界。これまでの貸切状態が嘘のように多くのハイカー達で賑わっていた。トマの耳にも記念撮影をする老若男女が群がっていたので入り込む隙間が無いほど。殆ど素通りして、オキの耳に向かうがそこも同様だったので、少し先の稜線まで進んで
2回目の小休止をとった。この辺りまで来ると一ノ倉岳までピストンするハイカーとたまに出会う程度で静かなものだ。


          肩の小屋がようやく視界に                      振り返ると万太郎山が遥かな存在に



           証拠写真だけ撮って素通り                             左に同じ


 それにしても谷川岳の地形は面白い。中央分水嶺を挟んで急峻な岩壁の土合側と万太郎谷へと落ち込むたおやかなスロープのコントラストが際立っている。万太郎谷をスキーで滑降したらさぞかし楽しかろうなどとつい妄想する。

 一休みした後は現実に戻って再び行軍開始。一ノ倉岳、茂倉岳を越えて、いよいよ茂倉新道を下るだけとなった。午後
2時近くなりだいぶ陽が傾いてきたので先を急ぐ。それにせっかくの紅葉は薄暗くなっては色あせして楽しめない。


            一ノ倉岳への登り                               一ノ倉岳山頂



            茂倉岳へと向かう                     谷川岳を振り返る(万太郎沢への斜面がおいしそう)



                 茂倉岳山頂                              立派な避難小屋


 下山途中にある茂倉岳避難小屋は立派な造りだ。谷川岳は遭難事故が多い山とあって要所々々に避難小屋が充実していているのは有難い。

 木の根に掴まったり、またいだりしながらどんどんと高度を下げる。濡れた木の根に滑ったり、尻餅をつきながらも急いだ甲斐あって夕日に輝く紅葉にぎりぎり間に合った。


これが見たかった


 今回は私にとって初物づくし。天気にも恵まれて吾策新道、万太郎山、一ノ倉岳、茂倉岳、茂倉新道をまとめて踏破できたし、おまけに素晴らしい紅葉も心ゆくまで堪能出来て実に充実した一日だった。



行動時間  9時間50

Map
 Track Weather  Map 
  トップ                              山歩き 
inserted by FC2 system