1984m、2026m 群馬・新潟県 | |
2016年8月13日(土) 肋骨を抉り出されるような、焼き鏝をあてられる様な、などと色々並べてみても私のプアなボキャブラリーではどう形容してよいか分からない辛い痛みに苦しんだ帯状疱疹も発症から早や1ヶ月。まだ疱疹跡も完全には消えておらず、疼痛も残っているが、ドクターのOKも出たことなので山歩きを解禁することにした。 しばらく体を動かしていないため、軽めのハイキングということで選んだ先は、BCでお馴染みの平標山と仙ノ倉山。かねてより、無雪期に是非一度は歩いてみたいと思っていた花の名山だ。 午前5時25分、元橋の登山者用駐車場を後にする。二居川にかかる橋を渡ってすぐに松手山への登山口がある。山道に入るとのっけから結構な急登だ。しかも短足の私にとっては段差の大きい階段続きなのでなかなか辛いものがある。額に噴き出る汗を拭いながら登っていくと程なくして巨大な送電鉄塔の下に出た。東谷山にも同じような鉄塔があるが、地図で辿ってみるとどうやら同じ送電線を支える鉄塔であることが分かった。
さらに登っていくと樹高も低くなり見晴らしが良くなってきた。苗場スキー場が、眼下に一望できるが、残念ながらこれから向かう平標山方面はガスの中だ。乏しい眺望を埋め合わせるかのように足元には色とりどりの高山植物が咲き乱れている。特に木道の脇には秋の訪れを告げるオヤマリンドウがそこかしこに見られるのが印象的だった。下界は夏真っ盛りというのに山の上では早くも季節が移り替わりつつあるのだ。
樹林帯を抜けると、辺りは一面の笹原。周囲のガスはますます濃くなっている。来る山スキーシーズンに備えて、この辺りの沢の様子を俯瞰してみたかったがとても無理そうだ。 歩き始めから2時間10分で平標山の頂に立った。運動不足の上、久しぶりの山にも関わらず、足がよく動いてくれたのが何より嬉しい。展望が無い以上長居は無用と水分補給しただけでそそくさと次の目的地、仙ノ倉山へと向かう。
平標山山頂から石畳の階段を標高差で100mほど下る。この先は木道が延々と続いている。全行程のほとんどがこんな調子なので、この山は登山靴よりスニーカーの方が相応しいのではと思えるほどだ。稜線上は冷たい北風が吹きつけ、半袖のウエアでは寒くなってきた。途中のベンチでウインドブレーカーを着こんだ。
濃いガスの中、どこをどう歩いているのか分からないうちに、仙ノ倉山山頂に到着。ここまで2時間50分。今回で三度目となる二百名山の頂きだ。風が冷たいので方位盤石標の風下に陣取りランチタイムとする。
山頂には10分ほど滞在したのみで来た道を引き返す。平標山に登り返しているとガスがサーと晴れて太陽が顔を覗かせたが、それも一瞬のこと。すぐにグレーのベールに隠れてしまった。平標山からは平標山ノ家へと向かう尾根を下る。
標高が下がるほどにガスは晴れてきて、山小屋近くまで下りた頃には、さっきまでガスに包まれていた仙ノ倉山がすっかりその姿を現した。普段の行いが余程悪いのか、私には何故かこの手の残念なパターンが多い。
平標山ノ家は山小屋と呼ぶにはおこがましいほど立派な建物だ。平元新道は結構な急勾配ながら、上から下まで木の階段続き。登ってくるハイカー達は一様に長い階段歩きにうんざりした様子だった。
勾配が緩くなったところで林道に出る。ここはいつもボブスレー状態で滑り降りるところだ。てくてく歩きでは随分と長く感じる。ヤカイ沢の出合いを過ぎれば、駐車場はもう間近だ。
10時55分、駐車場に帰着。着替えもそこそこに靴を履き替えただけですぐに車を出した。管理事務所の料金箱に650円を投入し、一路猿ヶ京温泉へと向かったのだった。ところで、この日に出会ったハイカーは全部で20人ほど。何故か中年カップル一組を除いて全員男性だった。山ガールはいったいどこに消えてしまったのだろうか。 行動時間 5時間30分 出会ったお花
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