2018年2月24日(土)
3週間ぶりの平標山。山スキーのメインゲレンデと言って良い程、この山には何度も訪れている。滑降ルートの殆どはツリーラン。オープンバーンの沢は雪崩リスクと隣り合わせ、しかも日射と風の影響でモナカの可能性大なので敬遠している。
そんな中であって、以前より目を付けているセンノ沢はかなり条件が良さそうだ。パウダー冷存率の高い北向きだし、源頭部から下部まで私好みのメローな疎林が続く。このセンノ沢に実際に足を運んでみた結果は大満足。掛け値なしに素晴らしいゲレンデだった。
今回も同行頂くのは群馬のKさん。下山予定地の田代スキー場に彼の車を残し、私の車で火打峠へと向かう。早速支度をし、6時25分にシール登行スタート。前日の積雪量は少なく、先行者のトレースもあるのでラッセルせずに済みそうだ。
明らかに3週間前よりも雪が増えている
この時は雲一つ無い快晴
ヤカイ沢の左岸沿いをハイクアップしているとスキーとスプリットの二人組が追いついてきた。何と一人はKさん旧知の方。彼等は既成のトレースを嫌い、脛ラッセルをものともせず独自ルートを開拓している。しかも古希目前の爺さんにはとてもついていけない驚異のハイペースだ。
快速の二人組
苗場山登場
尾根筋が近くなったところで戦闘準備。強風に備えてヘルメット&ゴーグルを装備しておく。稜線に出ると案の定風地獄だった。耐風姿勢を取らされることも度々、巻き上げられた雪煙で視界も閉ざされてしまうほどだ。
尾根に出た モデルはKさん
トレースあるので楽ちん
頂上までもう一息
強風に煽られながら歩き続け、お馴染みの山頂に立った。時刻は9時20分、今回も前回同様、登山口から山頂までぎりぎり3時間を切ることができた。懸念されるのは天候状態。朝方の青空はどこへやら、かなり視界が悪化しつつある。それでも目を凝らすと、ガスの合間から先行した二人組が西ゼンの源頭部を滑走しているのが見えた。
ガスと強風の中でシールオフ(右は単独の方)
我々のほか、山頂には単独のスキーヤー氏がもう一人。彼はヤカイ沢を滑降するとのことだ。シールやチートシートを風に持っていかれないよう注意しながらシールオフ。そうこうしている間にも視界はさらに悪化し、松手山へと続く稜線は完全にガスに呑みこまれてしまった。
暫く待機し、やや視界が開けたところで滑走開始。アイスバーンとパウダーのミックスした稜線を慎重に滑り降りた。一ノ肩との鞍部まで来るとヤカイ沢を駆け上がってくる爆風地獄で立っているがやっと。巻き上げられた雪煙で視界もゼロだ。
暫くは文字通りのフリーズ状態だったが、風の弱まる間隙を縫ってピークの東側へと回り込む。風下に入ったのでやっと一息つけた。ここのトラバースはカリカリのアイスバーンでいつも緊張するところだ。
トラバース中の私 バックは平標山
一ノ肩を回り込んだ辺りで、下の台地にシール登行するスキーヤー二人の姿が見えた。聞けば平標沢源頭部のデブリを目撃して引き返してきた由。その現場を上から観察すると、サイズ1.5位だろうか、確かに面発生のデブリが広がっている。幸い我々が通過しているのは稜線近く。斜度も緩やかなので雪崩の不安は感じない。
平標沢源頭部のデブリ
そのままトラバースを続け、センノ沢へと滑り込んだ。適度な斜度、疎林に高級パウダースノーで頗る快適な斜面だ。調子に乗って飛ばし過ぎ、切り株に足を引っかけ前方宙返り。危うく立ち木に激突するところだった。山スキーにはどこにトラップが潜んでいるかわからないと改めて自重自戒。
センノ沢へ向かってKさん Go!
この辺りは日が当たってやや重いパウダー
Kさんの後を追う私
同上
調子に乗って飛ばし過ぎ、、、
真ん中の隠れ切り株に足を引っ掛け大転倒
それでも懲りずパウダーに大満足
華麗に舞うKさん
パウダーに酔いしれながらどんどん標高を下げる。標高1300mを切り、沢幅が狭まってきた辺りで三々五々ハイクアップしてくるスキーヤー数名と行き合った。この沢を登路とする人がこれほど多いとは終ぞ知らなかった。
標高下げてもまだパウダー 一番左はハイクアップのトレース
少し藪が煩くなってきた
小雪舞う二居集落
斜度が緩くなってからは彼らの刻んだトレースを有難く拝借。自動運転で労することなく二居集落近くまで運んでもらえた。出発時の青空から一転して小雪の舞う中、田代スキー場に帰着した。時刻はまだランチタイムにもならない11時5分。4時間40分と短時間ながら内容は濃く、充実した山スキーを楽しむことができた。
Gear Voile Supercharger Woman 164cm / Scarpa F1 Evo
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