平標山BC   1984m 群馬・新潟県            
 


2017年1月18日(水)

 ついこの間まで昨年同様の寡雪ぶりを嘆いていたのが嘘のように連日の大雪。今年の大寒は1月20日とのことなので、正に暦通りの季節の移ろいだ。そんな大寒波が一息つく晴れ間を狙い、お気に入りの山、平標山でBCを楽しむことにした。昨シーズンは不用意にヤカイ沢を滑り降り藪地獄に嵌ってしまったが、今年はドカ雪のおかげで快適な滑降が期待できそうだ。

 湯沢で高速を降りて三国街道に入ると高い雪壁の回廊が続くようになった。前回訪れた際とは様変わりの雪景色、これぞ越後の冬だ。午前7時過ぎに火打峠の除雪スペースに到着。先着の車が2台、ちょうどボードを担いだ若人が一人出発していくところだった。もう1台からは、これまたボーダーが二人。彼らは松手山方面に向かっていった。


          火打峠の駐車スペースの様子                    林道脇の雪壁の高さは例年並みか


 逸る心を抑えて手早く身支度を済ませ、7時15分に私も車を後にする。いつものように三国小学校脇をショートカットし、林道のハイクアップを開始する。今回のギアは思うところあってウロコ板だ。緩い登り道はシール無しでもサクサクと進むことが出来るし、フラットなところは前方に滑らせて歩幅以上に距離を稼ぐことができる。もちろんシール登行でも同じことが出来るが、その効率が断然違う。


             除雪最終地点                               先行トレースを追う


 除雪最終地点から先は先行者のつけたトレースに楽をさせてもらった。ヤカイ沢との出合いを見送り、トレースを追って夏道沿いに登っていく。程なくして先行者をキャッチアップ。先ほど見かけたボードのお兄さんだ。足元を見るとスプリットボード。これで抱いていた疑問はめでたく解消した。道理でここまでのトレースがスノーシューとは違い、スキーのように綺麗だったわけだ。


       前日のトレースはすっかりリセット                    横殴りの風雪を物語っている??


 ラッセルのお礼を言って先頭を変わる。この辺り斜度も緩くせいぜい踝ラッセルなので余裕もあり、四方山話をしながら一緒に歩く。彼は長野市在住のH君。相方が急遽キャンセルしたので単独になってしまった由。BCの経験が浅いので出来たら同行させて欲しいとのこと。ラッセルの交代要員を確保したかったので快諾したのだが、、、後にちょっぴり後悔も。


藪も埋まり滑りが快適そうな疎林の斜面


 標高1200m辺りで初めてシールを貼った。ここまで断続的に残っていた前日のトレースは完全にリセットされ、真っ新な斜面が目の前に広がっている。斜度も一段と増して脛から膝のラッセルが連続するようになった。


苗場山が望めるようになってきた


 標高1400mまで頑張ってラッセル当番をH君に交代。体格の良い彼は腕まくりで力強く道を切り開いてくれている。やれやれ、これで少し楽ができると一安心したのは束の間。慣れないラッセルに力が入り過ぎたのか、足が攣ったとの悲鳴。先ほどまでの重労働の汗がまだ引かないうちに、バトンは再び私の手に戻って来てしまった。結局この先も独りでラッセルする羽目になったが、幸い稜線に出ると雪も締まりスキーが沈むことも無くなった。


ラッセルを頑張るH君



平標山の家の尾根 



苗場山をバックに垂涎のスロープ



ようやく尾根に 苗場スキー場が一望


 1月とは思えない無風快晴の稜線漫歩。H君は遅れだしたが、山頂までは迷う余地なしの一本道。マイペースでハイクアップを続け、12時10分に山頂に立った。ここまで過去最長の5時間近くを要したものの、眼前に広がる360度の大パノラマはその労苦に報いて余りあるものだった。


半袖でハイクアップするH君



平標山山頂



谷川の峰々



西ゼンを俯瞰



エビの尻尾は小ぶり



松手山方面、ヤカイ沢源頭部の様子


 流石に山頂は風もあり余り長居はしていられない。一通り写真撮影を終えた後はシールを外して滑降準備を整える。ところが待てど暮らせどH君が登ってこない。ついに寒さに耐えかね、無風地帯まで滑り降りることにした。

 途中でH君とすれ違ったが、かなり足にきている様子だ。赤の他人とは言え、袖振り合うも多生の縁。万一遭難でもされたら困るので、一足先に滑り降りたい気持ちを抑えて再び彼を待つことにした。その間にヤカイ沢経由という、スノーシューの3人パーティが登って来たので藪の様子を聞くと、だいぶ埋まってはいるが、スキーにはどうかなという微妙な返事。悩ましいところだが、藪地獄の昨年よりはマシだろうとGoすることに決めた。


滑降場所を観察する


 30分ほど待たされ、ようやくH君が追いついてきたので、二人でヤカイ沢を見下ろしながら樹林が点在する広大なスロープを滑り降りた。この時期限定の極上パウダーを味わいながらの快適ツリーラン。H君も歓声をあげながらスプレーを巻き上げている。


快適至極のツリーラン



中間部 藪はかなり埋もれている



下部になると藪がうるさくなってきた



藪に加え凸凹も



平標山に別れを告げる


 標高が下がるにつれ、藪密度が増してきた。どうやら谷川山系の端っこに位置するこの山にあっては、強い冬型によるドカ雪も小粒になってしまうようだ。それでも昨年と比べればずっと疎な藪を縫うようにして高度を下げ、やがて高速道路のようなトレースに合流した。ここまで来れば完全に安全圏。H君に別れを告げて一足先に林道を滑り降り、午後2時15分車に帰着した。

 藪を避けるために細かな登り返しが何度か生じてしまったが、ウロコ板のおかげでストレスを感じなくて済んだ。どうやら板選びは正解だったようだ。悪く言えば下手なルート取りを誤魔化せたということかも知れないが。。。


行動時間  7時間


  
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