平標山BC             


2014
12月28日(日)


 12月に入ってから異例の寒波続きで山は大荒れ。そんな時はゲレンデで遊ぶに限ると、スキー場にせっせと通い、新雪滑降の特訓に励んだ。管理されたスキー場といえども標高の高いオフピステエリアは山と同じで侮れない。TltビンディングのToeピースが凍りつき、どうしてもステップインできず立往生したり、3m位の段差から仰向けに転落して上半身が雪に埋もれてしまい、たまたま近くにいたボーダーに掘り出してもらったりと、実戦だったら命にかかわる得難い経験もさせてもらった。

 そうこうしているうちに年も押し迫り、ようやく待望の晴マーク。この貴重な晴れ間を逃す手は無い。久々の
BCはお気に入りの山の一つ、リフトを使わず歩いただけ滑る平標山に決めた。

 午前
730分に三国小学校前の駐車スペースに車をとめる。先着の車は2台だけでちょっと拍子抜けだ。快晴が確約された日曜日というのに、意外な程入山者が少ない。


          小学校裏からハイクアップスタート                         除雪最終地点


 
755分にハイクアップ開始。いつものように小学校脇を抜けて別荘地へと続く林道に降り立った。路面は完全に雪で覆われているのでここからシール登行する。積雪量は過去2月と3月に訪れた際とほぼ同じくらいある。やはり12月としては雪の多い年なのかも知れない。

 路面に残された足跡から見て先行しているのはスキーヤーとボーダーの
2名。除雪最終地点から彼等が開いたトレースを有難く使わせて頂く。


            藪の濃いヤカイ沢を登る                        白銀に輝く稜線が眩しい             


 夏道をずっと進んで、右手の尾根にぎりぎりまで迫ってからヤカイ沢の上流に向かうのが定番ルート。先行者二人もそのルート取りをしているのだが、ヤカイ沢の沢床に沿って薄いトレースがあったので気紛れを起こしてそちらに乗り換えてみた。ところがトレースはすぐに新雪にかき消されてしまい、結局先行者のトレースに合流するまで藪の中をラッセルする羽目に。少し近道になるかと思ったが、かえって要らぬ汗をかいてしまったようだ。


快晴の平標山


 高度が上がるにつれ、正面に青空をバックに平標山から松手山へと連なる稜線と真っ白なバーンが目の前に広がってきた。この迫力ある景観には毎度圧倒させられる。

 やがてトレースはヤカイ沢を離れ右手の尾根へと向かうようになると、積雪量が更に増え斜度も一段と増してきた。標高
1600m辺りまで来た時、ボーダーが音も無く滑り降りて行った。すぐ上でスノーシュー跡は途絶えたので、彼はどうやら山頂には向かわなかったようだ。これで先行するのはスキーヤー一人だけということになる。


           尾根筋まで後わずか                             快適な尾根歩き


 稜線が近くなると南側から陽が差して風も強くなる。このため、雪面がサン&ウインドクラストしてくるのが常なのに、今回は気温が低いせいか粉雪状態のまま。どうやらクトーの出番は無くて済みそうだ。シールのままどんどん高度を上げる。


         平標山の家へと続く尾根                               山頂はもう近い


 平標山の家へと続く尾根との分岐を過ぎると急登も一段落する。雪煙が舞うのっぺりした斜面を登り続け、
1120分に山頂に立った。360度の大展望をゆっくり満喫したいところだが、流石に風が強いので写真を撮ったら早々に回れ右。


                 山頂到着                           松手山方面 バックは苗場山           



仙ノ倉山から谷川岳方面



越後三山、巻機山方面


 風当たりの強い山頂を避けて少し降りた窪みでシールオフする。先行するスキーヤーは松手山方向に向かっているようだ。どこかのオープンバーンからヤカイ沢に滑りこむのだろう。私は無難なところでいつものツリーランを楽しむつもり。

 
1140分、滑降開始。いつもはカリカリの稜線もこの日はふかふかで気持ち良い。途中で後続のスキーヤーが一名。一言挨拶して北斜面からヤカイ沢へと滑りこむ。スプレーを巻き上げながら急斜面を浮遊するのは何とも言えない快感。これがパウダー中毒と言われる所以だろう。しかしそれはほんの一瞬のこと。ヤカイ沢と交差する標高1400mまではあっという間だ。緩傾斜に加えて雪も重くなりスキーが滑らない。


           パウダースノーを楽しむ


 藪の無いヤカイ沢の沢床をなぞって、ゆるゆると滑り降りて行くとほどなく自分でつけたトレースに合流。下手なルート取りなので、ブッシュが鬱陶しい。木からぶら下がった蔦が首にからまり転倒するハプニングも。これだから山スキーは最後まで油断できない。

 林道に出てからは車道を快適に滑走して歩くことなく三国小学校に帰着。天気に恵まれて大展望とパウダースノーを思う存分堪能した大満足の一日だった。


行動時間  
4時間45



 
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