平標山BC 1984m 群馬・新潟県               
 


2020年2月19日(水)

 待望の寒波到来。谷川山系も大雪とのヤマテン予報にラストパウダーになるかもと心を弾ませ、慣れ親しんだ平標山へ向かうことにした。意気揚々と火打峠の除雪スペースに今回も一番乗り。しかし周囲の景色を良く見てみれば予想とは随分と違う。新雪を纏ってはいるものの、お情け程度の薄化粧、予報からは程遠い積雪量に膨らんだ期待感はへなへなと萎んでしまった。

 すっかり夜も明けた6時35分、気を取り直してハイクアップ開始。パウダーは空振りでも雪山の景色と寒気が心地よく脳内にエンドルフィンが満ちてくるのがわかる。だから山歩きは止められないのだ。


三国小学校をショートカットしハイクアップ開始



除雪最終地点を過ぎた林道は地肌が剥き出し



ヤカイ沢分岐点も剥き出し


 標高が上がるにつれ、積雪量も増してきた。新雪の吹き溜まりはパウダーのプールとなっているし、相変わらず健在の藪も心なしか密度が薄いように感じられる。これなら少しは楽しめるかも知れない、、、と能天気にも思い始めたのだが。。。


前回より藪が目立たないような



同上


 ところが一段と斜度が増してくると、それでなくとも薄い新雪は風でどこかに飛ばされてしまい、雪面はむき出しのアイスバーンと化してきた。クトー無しでは一歩も前に進めない。これではパウダーどころではない。スキーよりスケート靴が必要になりそうだ。


氷祭りの始まり


 尾根に登り上げると山頂周辺はガスが渦巻いている。どうやら氷化斜面に加え、視界不良も覚悟せねばならないようだ。登るにつれ一段と濃度を増したガスの中、慎重に歩を進め10時45分、今年二度目の頂に立った。視界は完全に閉ざされているが、幸い風の方は嘘のように穏やかだ。


尾根筋に出た この辺りはまだ展望があった



苗場方面



神楽方面



視界5mの頂




重いだけの足枷と化したポン


 視界も無くただ寒いだけの山頂は単なる通過点。早速シールオフし、滑走スタートする。ガリガリと騒音を立てながら横滑りで高度を下げて行く。笹薮が目に入っているうちはまだしも、目標物が無いところでは天も地も無い状態。空間識を失調し他愛なくコケてしまう。

 笹穴沢へ迷い込まないようGPSで頻繁に現在地を確認しながら滑走を続けた。下山路は今回も夏道経由。前回の経験から藪密度がヤカイ沢よりマシだからだ。ヤカイ沢へと向かう尾根との分岐を過ぎた辺りからようやく視界が戻ってきた。尾根筋を離れると凶悪アイスの急斜面。ターンもままならず、斜度が緩むまで斜滑降で慎重に高度を下げて行く。


ようやく視界が回復


 標高が下がるとようやくターンが繋がるようになった。夏道とつかず離れず下り、登山口へと出た。後は手漕ぎを交えた自動運転で火打峠へ。


 昼間は昇温する春山であれば、アイスも緩んでザラメでスキーが楽しめるのであろうが、まだ寒さの残るこの時期は終日アイスのまま。ラストパウダーという甘い目論見は100%外れ、冬山を舐めたらいかんと活を入れてもらった修行の一日だった。ちなみにこの日入山したのは私の他は2パーティ。賢くもいずれも登頂は見合わせたそうな。
 


行動時間 6時間25分



Gear Pontoon 159cm / Scarpa F1Tr



前回十石山で指先が凍えたのに懲りて採用したグッズ。リチウムイオン電池で指先まで保温。使用感講評は別途



  
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