2019年1月4日(金)
新年の初滑りは、今回で10回目となる平標山。首都圏からも近く、お手軽に山スキーの楽しさを味わうことが出来るのでとても気に入っている。とは言え、中級山岳の宿命で積雪の多寡によっては藪地獄に嵌ることもある。初滑り候補として谷川岳と平標山を天秤にかけていたが、年末年始の大寒波で谷川山系には相当の降雪があったらしい。ギリギリまで迷った挙句、雪崩リスクよりも藪リスクの方がマシということで後者に落ち着いた。今回も同行して頂くのはここ数年来の良きパートナー、群馬のKさんだ。
火打峠のトンネル脇のスペースに着くと先着は数台。着替えをしている間にKさんも到着した。午前7時、車を後にする。別荘地へと向かう林道で例年と比較しての積雪量チェック。積雪は期待していた程には多くはない。左右の雪壁はまだ低く、これではヤカイ沢の滑降は難しそうだ。
別荘地を行くKさん 雪壁はまだ低い
除雪最終地点からは、先行者のトレースに助けられながらハイクアップ。全く人が入った形跡が無く沢割れしたヤカイ沢の分岐を見送り、河内沢沿いの林道歩きを続行する。歩くほどに積雪量が増してきた。轍の高さも足首から始まって今や膝。トップバッターのラッセルに感謝しなければ。
1時間25分歩き続け、ようやく平標山の家へと向かう登山道入り口に到着。ここで先行していた私と同年配のシニアのお二人に追いついた。振り返れば、若い二人組も我々をキャッチアップ。聞けば、どうやら先行者がもう一人いて、道つくりを一手に引き受けてくれているらしい。
登山口をハイクアップする私
総勢7名で行軍
活きのいい若手二人組に先行してもらい、ロートル組は出来立てのハイウエイで楽をさせてもらう。積雪量は益々増えてきてトレースは膝を越える深さ。勾配もきつくなってきたのでトップのラッセルは相当なハードワークだろう。やがて単独に代わってラッセルに励む若手二人組に追いついた。これで総勢7名が団子になって進む。
これまで先頭でラッセルしてくれた単独氏は、何と昨年の太郎平や富士山でもお会いした方だった。同好の士とのトークに花を咲かせながらのハイクアップ。そうこうするうち、シニア二人組は遅れて姿が見えなくなった。
いつしか5名に
いつまでも戦力外のお客様では申し訳ないので、非力ながら私もKさんと共に参戦。5人でラッセルを回して山頂を目指した。雪は深くて重い越後の雪。153-128-118のポンツーンをもってしても沈み込み、トップが露出してくれないこともある。もし単独だったらDNF間違いなしだ。
稜線近くになると雪はパックされラッセルが楽になってきた。2時間以上深雪と格闘してようやく稜線に出た。いつもは強風の吹き荒れる稜線は、殆ど無風と言っても良い程穏やか。周囲の白銀の山々の景観も素晴らしく最高の登山日和に恵まれた。
稜線は足首ラッセル
稜線に出た
仙ノ倉山 まだブッシュが出ている
私のシールは何故か不調でテールが外れ、だましだまし歩いているうちに今度はトップまで外れてしまった。山頂には先行した皆さんよりちょっと遅れて到着。ここまで4時間20分の道程だった。
山頂には竜頭があった
谷川岳にはガスがかかっている
松手山 バックには神楽スキー場
西ゼンの様子 まだ藪が濃いかも
穏やかとは言え、吹き曝しの山頂はやはり寒い。さっさと滑降準備をして下山開始。ヤカイ沢方面は藪が濃いので結局5人全員が往路の支尾根を降りることとなった。
稜線を滑降する私
重パウダーを滑降するKさん
藪の中、重雪のトラバースに難儀する私
稜線上の雪はパックされパウダーとは言い難いがまずまず快適。支尾根に入ると激重パウダー。加えて藪。前回の巻機山ほどではないにしても煩いことこの上ない。
下部はメローなパウダーで快適
各自思い思いのルート取りで滑降していくのでいつしか離れ離れになってしまった。私は支尾根のスキーヤーズライトの沢沿いのメローな斜面を選択。Kさんは登路に近いコースを下ったようだ。無線でお互いの無事を確認しつつ(正しくは私の安否確認をしてもらいつつ)林道まで滑り降りた。最後は踏み固められたトレース上を自動運転。午後1時15分、無事車に帰着した。
行動時間 6時間15分
Gear Pontoon 159cm / Scarpa F1Tr
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